W杯で導入のハイドレーションブレークには”試合の流れを変える...の画像はこちら >>

日本代表はオランダと引き分ける photo/Getty Images

前後半それぞれ3分程度の給水タイム

2026年ワールドカップでは、前半22分前後と後半67分前後に3分間のハイドレーションブレークが導入されている。FIFAは北米開催による暑さ対策として全試合で実施しているが、その影響についてアメリカメディア『ESPN』が特集した。



選手の健康を守る目的で導入された制度だが、その評価は分かれている。

アメリカ代表を率いるマウリシオ・ポチェッティーノは「極端な暑さなら理解できるが、気候条件が良い試合では必要ない」とコメント。一方でスペイン代表監督のルイス・デ・ラ・フエンテは「選手の健康を考えれば重要な措置」と擁護している。

また、アーセナルに所属するスペイン代表MFミケル・メリーノも「暑い環境では有益だが、涼しいスタジアムでは試合の流れが止まり、観客にとっては好ましくない面もある」と語った。

『ESPN』は実際の試合データにも注目している。大会ここまで前半に生まれた22ゴールのうち12ゴールが最初のハイドレーションブレーク後に記録され、後半も24ゴール中12ゴールがハイドレーションブレーク後に生まれているという。

さらに、ハイドレーションブレーク後に生まれた24ゴールのうち11ゴールは同点弾や逆転弾など、試合状況を大きく変える得点だったと紹介。監督が戦術修正を行う時間となることで、劣勢だったチームが流れを変えるケースが増えていると分析している。

その代表例の一つとして取り上げられたのが、日本代表とオランダ代表のグループリーグ初戦だ。

日本代表は後半のハイドレーションブレーク後に同点ゴールを記録。日本は後半のハイドレーションブレーク前までシュート数が2本だったのに対し、再開後は5本まで増加した。また、試合全体の期待得点(xG)の大部分もハイドレーションブレーク後の時間帯に記録されたとしており、試合の流れが大きく変化した事例として紹介されている。


ドイツ代表を率いるユリアン・ナーゲルスマンも、キュラソー戦後に「ハイドレーションブレークで戦術面の修正を再確認できた」と語っており、監督にとっては追加のミーティング時間として機能しているようだ。

『ESPN』は、こうしたハイドレーションブレークによってサッカーが従来の「前後半制」から、実質的に4つの区間に分かれたスポーツへ変化しつつあると指摘。各国の監督や選手たちは、90分を4つのパートに分けて戦う新たな戦略への適応を求められていると伝えている。

選手の安全対策として導入されたハイドレーションブレークだが、その影響は単なる水分補給にとどまらない。試合の流れや戦術面にも大きな変化をもたらしており、今大会を象徴する新たな要素の一つとなっているようだ。

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