MLBで“投球ロボット”が急拡大 ほぼ全30球団が導入、実在...の画像はこちら >>

現代野球では練習方法のハイテク化が進む Photo/Getty Images

「投手対打者」の常識が変わる?

MLBで、打者のトレーニングを変える“投球ロボット”が急速に普及している。米『MLB.com』が紹介したのは、カナダ企業のTrajekt Sportsが開発した「トラジェクトアーク」だ。

最大の特徴は、単なるピッチングマシンではなく、実在する投手の投球を再現できること。Hawk-EyeやRapsodo、TrackManなどのデータを利用し、球速や回転数、変化球の軌道、リリース位置まで再現。打者は実際の対戦相手を想定した打撃練習ができる。

2021年にカブスが初導入して以降、使用は急拡大。現在ではほぼすべてのMLB球団が利用しており、平均的な球団でも本拠地やスプリングトレーニング施設、マイナー傘下を合わせて3台ほど保有しているという。

日本でも福岡ソフトバンクホークスをはじめNPBの複数球団が導入しており、最新テクノロジーを活用した打撃強化は日本球界にも広がっている。

用途は試合前の打撃練習に限らない。マイナー選手の育成や故障者のリハビリ、捕手や球審のトレーニング、オフシーズンの調整にも活用されている。

一方で、MLB全体の打撃成績が劇的に向上したわけではない。それでもカブスのマイケル・ブッシュは、左投手に対するOPSが大きく向上した要因としてトラジェクトアークを挙げ、「試合に出ていなくても、試合と同じような打席を経験できる」と効果を語っている。

投手の球速や変化球が高度化する現代野球で、実在する投手と何度でも“対戦”できる投球ロボットは、打者にとって新たな武器になりつつある。


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