2026年2月通期は小幅減益、ナイキの不振や実店舗の大幅減で当面苦戦か

銘柄名:滔搏国際控股(トップスポーツ・インターナショナル)
現地コード:06110
株価:2.78HKD(5/29現在)


 ナイキやアディダスなどの有力ブランドを扱う中国のスポーツウエア販売最大手、滔搏国際の2026年2月通期決算(2026年度)は、純利益が前年比2%減の12億6,700万元と、ほぼBOCIの予想通りだった。期中には店舗数が660店の純減となるなど、予想を上回るペースで店舗網の整理が進行し、ECチャネルへの誘導戦略が収益圧力となっている現状を示唆した。


 また、中国市場で在庫一掃と再編に向けた準備を進める米ナイキの低迷が、続く2027年度も同社業績の重荷となる見込み。経営陣が示した「純利益横ばい」という2027年度のガイダンスの達成は容易でないとみられる。


 BOCIは2026年度に137%という高配当性向が株価を下支えするとしながらも、本格的な業績回復までにはある程度時間がかかるとの見方。株価の先行きに対して中立見通しを継続している。


 2026年度の売上高は前年比5%減の257億4,000万元。期末の直営店舗数が4,360店と、前年比で660店の純減となったことが影響した。一方、店舗構造の合理化とECへの顧客の誘導により、減益率は2%。


 下期(2025年9月-2026年2月)に限ると、純利益は前年同期比16%増の4億7,900万元に達した。前年実績の低さや、店舗数の縮小を受けた賃料支出の削減、営業利益率の高いEC販売の拡大が寄与した。


 店舗網の純減はペースダウンしつつも、2027年度も続く見込み。売上高の下押し圧力が続く中、経営陣は2027年度の純利益目標を前年比横ばいに設定した。


 BOCIはそれでも、この目標の達成はかなり困難とみている。

その理由は、◇2026年度を通じて実店舗の客足は低調で、3月以降はさらに悪化している、◇ナイキが2026年3-5月の大中華圏での売上高について前年同期比20%減を見込み、仕入れ削減を計画している、◇競争激化と値引き率の拡大観測、◇粗利益率が低いECへの顧客の流入。


  同社は1株当たり0.15元の期末配当(特別配当を含む)を実施する方針。中間配当と合わせた年間配当は0.28元と前年並みだが、配当性向は137%に上向いた。同社は長く、営業キャッシュフローの大部分を株主に還元してきたが、現時点では設備投資の必要性は低く、買収や合併(M&A)の機会も限られることから、こうした配当政策は今後も続く可能性が高い。


  BOCIは予想以上の店舗数の減少や中東情勢を受けた中国スポーツウエア市場の見通し悪化を理由に、2027年度の予想1株当たり純利益(EPS)を8%減額修正。2027年度予想株価収益率(PER)13倍を当てはめ、目標株価を引き下げた。生活必需品の価格高騰による消費意欲への影響や、米イラン紛争後の不確実性の高まりが理由。


 配当利回りは魅力的で、バリュエーションに割高感はないとしながらも、株価の先行きに中立見通しを継続した。実店舗からECへの販路のシフトを進める中、「オフラインの小売ネットワーク」という同社の強みを失う恐れがあること、ナイキ製品の売れ行きに関する不透明感、短期的な業績回復が難しいことなどが配当落ち後の調整要因になり得るとしている。


(Bank of China int.)

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