ボーナスの時期がやってきました。みなさんはボーナスの使い道は決めていますか? 旅行や家電の購入など、つい気が大きくなって散財し、あっという間になくなってしまいがちですよね。

せっかくの臨時収入、できれば自分や家族の未来を豊かにする使い方が理想的です。今回は、後悔しないボーナスの賢い使い方をご紹介します。


「夏のボーナス!気づくとなくなっている問題」対策。本多静六型...の画像はこちら >>

なぜボーナスは気づけばなくなっている?

 ボーナス支給日になると、「いつも頑張っているから、これくらいのご褒美はいいよね」と、つい気が大きくなって買い物をしたり、外食の頻度が増えたりしていませんか? あるいは、毎月の生活費の赤字補填(ほてん)に回していたら、残高がほとんど残らなかったという方も少なくないはずです。


 ボーナスが手元に残らない最大の原因は、使う基準が曖昧だからです。予算を考えずに使っていたら、お金が残らないのは当たり前です。人間の脳は、臨時収入が入るとどうしても気が緩むようにできています。


 あらかじめ「何にいくら使うか」という予算立てと支出をコントロールする仕組みをつくっておかないと、お金はまるで最初からなかったかのように、するすると逃げていってしまうのです。


伝説の蓄財家・本多静六博士に学ぶ「天引き」の思想

 お金をコントロールする仕組みを考える上で、ぜひ知っていただきたい歴史的な偉人がいます。明治から昭和にかけて活躍し、大学教授でありながら莫大(ばくだい)な財産を築いた本多静六博士です。


 彼の代名詞ともいえるのが「4分の1天引き法」です。これは、収入の4分の1を容赦なく先取り貯蓄に回すという手法です。さらに特筆すべきはボーナスの扱いです。本多静六博士は「臨時収入(ボーナス)は全額貯蓄に回す」という徹底したルールを貫いたのです。


 ボーナスを全額貯蓄なんて無理!と思われるかもしれません。

もちろん、現代の私たちがこれをそのまままねするのはなかなかハードルが高いでしょう。


 しかし、本多博士の思想から学ぶべき本質は、「手元に入る前に仕組みで先取りしてしまう」ことが資産形成において最も強力な武器になるという点です。天引きによって最初からなかったことにしてしまえば強制的にためることができるということを本多静六博士は証明しています。


子ども6人橋本家のボーナス活用術

 ここで、子ども6人を育てる橋本家のリアルなボーナス戦略をご紹介します。


 橋本家では、月の収入から4分の1天引き貯蓄と月々の支出を賄っています。ただ、ボーナスに関しては全額貯蓄ではなく、毎月ではなく年間を通してかかる費用を賄うようにしています。具体的にはイベント・旅行・帰省費用、住まいのもの、被服費などです。


 ボーナスに関しては先取り貯蓄ではなく、基本は使途が決まっており、支給額が想定より上振れた場合や、予算内で収まって余った分だけを貯蓄に回すようにしています(本多静六博士の教えからは少し外れてしますね)。


 こんな我が家のやりくりを決める際に大活躍しているのが、「紙1枚のやりくり表」です。ボーナスが出る前に、この紙1枚に「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)へ〇〇円」「教育費に〇〇円」「家族旅行に〇〇円」「家電買い替えに〇〇円」と、年間の使い道を全て書き出し、予算として見える化しておきます。


 あらかじめ使い道が決まっていれば、「気づけばなくなっていた」という事態を防ぐことができます。また、予算の範囲内であれば、罪悪感もなく思い切り使えるという点もおすすめです。


 仕組みでためておくことによって、ためるべき金額はちゃんとためてあるという確信があるので、使うものに関してはストレスなく使うことができます。

納得してお金を使えるため、家計の幸福度が格段に上がります。


「将来」と「今」を両立させる、後悔しないボーナスの黄金比率

 各家庭によってボーナスの最適な配分比率は異なります。本多静六博士のように全額貯蓄なのか、橋本家のように予算立てをして使うのか、自分にとっての最適解を見つけるために、まず実践していただきたいのがライフプランの作成です。


「なんとなく半分は貯金しようかな」などと決めるのではなく、ライフプランを立てることで、将来いつ、いくらのお金が必要になるのか、そのために今いくらためるべきなのか、という明確な基準が分かります。この基準が分かったら、ボーナスを「将来」と「今」に割り振っていきましょう。


 将来のための貯蓄は利回りや資金の流動性を考慮した上でNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、預貯金に振り分けます。そして残りは、思い切って「今」のために使いましょう。ただの浪費ではなく、家族の思い出になる旅行や家事時間を短縮してQOLを上げる家電など、暮らしを豊かにする生きた使い方ができるといいですね。


迷ったときの配分例

 とはいえ、実際にはどれくらいの割合で振り分ければいいのか迷う方も多いはずです。そんなときは、あくまで目安として配分例を持っておくのがおすすめです。


 例えば、ボーナスの配分を以下のように考える方法があります。


  • 3分の1は将来のための貯蓄:NISAやiDeCo、を活用して将来に備えるお金として先取り貯蓄
  • 3分の1は年間の特別費:帰省、旅行、イベント、被服費、家電の買い替えなど、年間でまとまって発生する支出
  • 3分の1は今を豊かにする支出:外食、レジャー、体験、少しぜいたくな買い物など、今を豊かにするために自由に使うお金

 もちろん、この比率が全ての家庭に当てはまるわけではありません。教育費のピークが近い家庭なら貯蓄の割合を増やしてもいいですし、しばらく大きな支出予定がないなら、今を楽しむお金を厚めにしてもよいでしょう。


 大切なのは、自分の家庭に合った比率を先に決めてから使うことです。

そうすれば、ためることにも使うことにも納得感が生まれ、後悔のないボーナスの使い方ができるでしょう。


まとめ

 ボーナスは単なる臨時収入ではなく、家計をより良くするための大切な資源です。だからこそ、使う前に何にいくら使うかを決めておきましょう。


 本多静六博士のように徹底して貯蓄に回す方法もあれば、橋本家のように将来への備えと家族の楽しみを両立させる方法もあります。正解は家庭によって異なりますが、共通しているのは「なんとなく使わない」ことです。


 ライフプランをもとに必要な貯蓄額を把握し、その上で旅行や体験、暮らしを豊かにする支出にお金を使えば、将来への安心も今の幸せも手に入れることができます。今年のボーナスは、未来の自分と家族が喜ぶ使い方を考えてみてはいかがでしょうか。


(橋本 絵美)

編集部おすすめ