<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>
NISAで中小型株 8月末に入れ替え判定!次期TOPIX新規採用候補で株価上昇余地ありの銘柄11選
指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~

7月の中小型株ハイライトは「AI株の暴落を傍観」

 上半期はAI株一色でしたが、7月は容赦なく、そして無慈悲に…わが世の春だったAI株が信じられないレベルで売り込まれる1カ月になりました。相場というのは、月替わり、四半期替わりなどの節目でトレンド転換することはよくありますが、これほどまで変化する?というレベルの強烈どんでん返しの発生で世界中パニックに…。


 これまで、ハイパースケーラーによるAIデータセンターや半導体への巨額の設備投資計画を受け、その恩恵を受けるAI株への期待を株価に織り込み続けました。

そこで生まれた株価モメンタムに乗ろうとする投資家が増加し、買うから上がる、上がるから買うの好循環が発生。


 ただ、ここでは、急いでリターンを上げようともくろみ、レバレッジ型上場投資信託(ETF)、信用取引、オプションのポジションをつくる動きも流行化していました。


 それが、月替わりと同時に株価が反転し、下げトレンドが始動。レバレッジをかけて入ったお金が、レバレッジがかかった形で抜けていく「デレバレッジ」と呼ばれる展開により、その調整速度は想像以上に早いものとなりました。


 国別の指数でダントツ上がっていたのが、超大型メモリ株のサムスン電子とSKハイニックスで指数ウエート5割を超える韓国総合株価指数(以下:KOSPI)でした。KOSPIの3倍の変動率になるよう設計されたETFや、個別のメモリ株の2倍の値動きをするETFが上場していたこともあって、韓国でこうした超ハイボラのレバレッジ取引が人気化。


 上がっている間はみんなハッピーですが、下がり始めると同時多発的に損が膨らみパニックになります。


 韓国市場で起きたデレバレッジは同じ取引時間の日本市場にも伝染し、日本一の人気株キオクシアホールディングス(285A)は完全ツレ安状態に。キオクシアHDも信用買い残が1兆円超という史上最強に個別株として積み上げていた日本最大レバレッジ銘柄です。キオクシアHDの下げが他の日本のAI株にも伝染していきました。


 上がっている時は、好材料ばかり目立ちますが、下がっている時は悪材料ばかり目に入るもの…。


 下落に伴い、後付けともいえるような売り理由がいくつも出てきましたが、主要な売り理由としては(1)AIへの巨額投資による財務懸念、(2)中国企業の台頭によるAIの低価格化への懸念、(3)中国の大手DRAMメーカーCXMT(7月27日には上海市場に株式の新規公開(IPO)も果たす)などがメモリ高騰シナリオを破壊する、(4)そもそも上がり過ぎ、そもそも割高化していた、などでしょうか。


 日本の超人気AI株の7月の月間騰落率では、太陽誘電(6976)マイナス49%、キオクシアHDマイナス48%、村田製作所(6981)マイナス35%、古河電気工業(5801)マイナス34%など、想像を絶するスピード調整に。


 一方で、カプコン(9697)+32%、オービックビジネスコンサルタント(4733)+32%、SHIFT(3697)+30%、オリエンタルランド(4661)+27%などAI株ラリー時に不条理に売られ続けた非AI株の爆上げも同時に発生しました。


 壮絶なリターン・リバーサルの結果、AI株の影響が大きい日経平均株価(以下:日経平均)の7月月間騰落率はマイナス8.1%でしたが、非AI株寄りの東証株価指数(TOPIX)に関しては同+0.2%と逆行高。


 中小型株の主要指数でも、AI株に関係ないバリュー系指数は月間プラスでしたが、TOPIXスモールグロースは小幅マイナス、東証グロース市場指数に関してはマイナス2.6%と低調でした。


NISAで中小型株 8月末に入れ替え判定!次期TOPIX新規採用候補で株価上昇余地ありの銘柄11選
日経平均株価と東証グロース250指数の相対チャート

 AI株の影響が強い日経平均と、AI株はほぼ皆無ながら個人のレバレッジ売買(信用取引)が多い東証グロース250指数の推移を重ねてみました(前年末終値=100として指数化)。AI株ラリーが加速した6月に、日経平均爆上げ、グロース市場爆下げを経験。7月に入りAI株が急落に転じると、TOPIXは逆に堅調化したわけですが、グロース市場は…一緒に下落しています。


 キオクシアHDなどAI株が爆上げ時は、そっちに資金が流れることのあおりを受けて不人気だった中小型株。恩恵を受けていないのに、AI株が下げる時は連帯責任をとらされているような動きをする不遇な中小型グロース株…。


 この間、日米の金利が上昇していたこともあって、バリュエーション(予想株価収益率(PER))の高い株には逆風でもある中、主力級の月間騰落率ではQDレーザ(6613)マイナス45%、データセクション(3905)マイナス38%、QPSホールディングス(464A)マイナス21%などが低パフォーマーでした。


NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは…「いざ『TOPIX』へ」

 今年は日本列島で猛暑日が続出していますが、株式市場も8月は「夏枯れ」と呼ばれる現象でお疲れモードになりがち。これは、決算発表が8月5~14日に集中しラッシュとなりますが、ここで発表前に様子見ムードが広がることが原因といえます。


 そして決算発表が一巡すると、すぐに日本はお盆休みシーズンに入ります。また、8月は欧米の機関投資家が長期休暇に入っている時期です。決算発表シーズンかつ参加者が少ない…これにより、売買が減少することを「夏枯れ相場」と呼びます。


NISAで中小型株 8月末に入れ替え判定!次期TOPIX新規採用候補で株価上昇余地ありの銘柄11選
スタンダード市場+グロース市場売買代金(過去3カ月)

 そもそも、中小型市場であるスタンダード市場やグロース市場の売買代金は減少傾向にあります。2026年の個別株に関する市場の関心は、キオクシアHDなど半導体・AI株に集中。結果、個人の短期マネーも半導体・AI株に吸い取られました。


 大人気だった半導体・AI株も7月は急落となりましたが、その間は極度に出遅れていた(不条理に売られていた)非AI株の買戻しも強烈に発生。リターン・リバーサルという現象そのものですが、その間も個人の短期マネーが集中していたのは、「押し目の半導体・AI株」でした。


 ちなみに、スタンダード市場の上場銘柄数は1,561、グロース市場は同598銘柄で、合わせて両市場で2,159銘柄が上場しています。その合計の売買代金は、7月の1日当たり平均で約3,000億円。それに対し、プライム市場で人気ナンバーワンのキオクシアHDは約3兆円…。


 信じられない流動性の格差がありますが、キオクシアHDから抜けた資金が低流動性の中小型株市場に降りてこないという問題は非常に厄介だと思います。


 蚊帳の外にある中小型株市場ですが…8月末の株価の終値で判定し、その株価次第ではポジティブなカタリストが発生する話題があります。それは、東京証券取引所による「TOPIX改革」です。東証では10月にTOPIXの新たな枠組みによる見直し(第2弾)を予定しています。


 これまでのTOPIXは、かつての東証一部銘柄、現在のプライム市場銘柄だけが組み入れられるという絶対的な前提条件がありました。ただ、これが革新的な変更点なのですが、今回からプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の全市場の銘柄が採用対象になるのです。今まで採用されていなかったスタンダード市場、グロース市場の銘柄に注目です!


 では、新しく入るための基準は?というと…市場に流通する株式を「浮動株」と言いますが、この浮動株に株価を乗じた「浮動株時価総額の合計で上位96%以内」に入れるかどうかです。


 今回は、TOPIXの新たな枠組みへの見直しで、この10月にもスタンダード市場やグロース市場からTOPIX銘柄に採用されそうな銘柄をピックアップします。「浮動株時価総額の合計で上位96%以内」に入る銘柄は、筆者推計では浮動株時価総額で「約830億円」程度です(かなりハードル高い)。


 TOPIXに新規採用になる場合、TOPIXの値動きに連動することだけを目指すパッシブファンド(TOPIX型ETFがメイン)は当該銘柄を好き嫌いにかかわらず買わないといけません。当該銘柄に関しては、実需の買いが入ることになるため、株価にとって基本プラスです。その場合にさらに株価インパクトが強く出やすいのは、「普段の売買高が少ない(流動性が低い)株」です。


次期TOPIX採用有力な強インパクト銘柄

【条件】
(1)スタンダードorグロース銘柄
(2)浮動株時価総額830億円以上
(3)浮動株時価総額÷売買代金25日平均で売買インパクトポイントを暫定試算
※7月31日終値時点、(3)のスコア高い順


コード 銘柄名 浮動株
時価総額
(億円) 売買
インパクト 8066 三谷商事 1,055 ★★★★★ 9436 沖縄セルラー電話 1,429 ★★★★ 6960 フクダ電子 1,497 ★★★★ 7287 日本精機 999 ★★★★ 2805 エスビー食品 899 ★★★★ 7716 ナカニシ 1,679 ★★★★ 2782 セリア 1,606 ★★★ 1723 日本電技 830 ★★★ 4816 東映アニメーション 1,542 ★★★ 2702 日本マクドナルドHD 6,983 ★★★ 7906 ヨネックス 1,209 ★★★

 7月末終値時点ですが、浮動株時価総額が830億円を上回るのは全20銘柄でした。

その中で、普段の売買高が少ないことで、TOPIX採用時のパッシブファンド買いインパクトが大きくなる銘柄のみ残しました。


 暫定的に、浮動株時価総額を売買代金25日移動平均で割った際の数値が大きい銘柄を売買インパクトが高いと認識。ダントツ高いと試算されるのが三谷商事(8066)で、そのほか、沖縄セルラー(9436)、フクダ電子(6960)など…上位は全てスタンダード銘柄でした。


 繰り返しになりますが、初回入れ替えの判定基準日は今月8月末。あと1カ月を切ったこともあり、そろそろ株式市場で話題にされそうなテーマです。


(岡村 友哉)

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