毎年8月2日と3日の2日間、新潟県長岡市では「長岡まつり大花火大会」が開催されます。
2日間で約30万~34万人(有料席のみ)が来場する日本でもトップクラスの大型イベントですが、新潟県出身ではない人は、上越新幹線などで長岡駅に降り立った際、駅前の路面が普段見かけるアスファルトより赤く見えると感じるかもしれません。
実は長岡駅周辺だけではなく、中越地方ではクルマの往来が激しい道路が、このように赤茶けた色をしていることがあります。これは、消雪パイプが設置されている道路であることを示しています。
消雪パイプは、その名の通り、道路に埋設した管から地下水を散水して雪を溶かす仕組みです。センサーが積雪を感知すると、ポンプで地下水をくみ上げ、路面に散水します。この地下水に含まれる鉄分が酸化して路面に付着するため、雪のない季節には赤茶けた路面が現れます。
なお、水をまくとかえって凍結して危険なのではと思われがちですが、地中は真冬でも地上より暖かいため、地下水の水温は13~14度程度あります。そのため、雪を溶かすには十分な温度を保っています。夜間に消雪パイプの近くを通ると、ライトに照らされた散水が湯気を上げている光景を目にすることもあります。また、水が出続けている限り、路面が凍結する可能性も低くなります。
豪雪地帯である長岡市を含む中越地域では、冬場、この消雪パイプによって安全な歩行空間や走行スペースが確保されています。
実は長岡市が発祥の装置!?実は、この消雪パイプ発祥の地は長岡市です。同市によると、当時の長岡市議会議員・今井與三郎さんと長岡市職員の亀川純さんが考案し、1961年に長岡市坂之上町の市道へ設置したのが始まりとされています。
設置当初は懐疑的な見方をする人も多かったようですが、1963年に記録的な豪雪に見舞われた際、消雪パイプは大きな効果を発揮しました。道路の積雪を抑え、クルマが走行できる環境を維持したのです。この豪雪をきっかけに、消雪パイプは県内の市町村だけでなく、全国の豪雪地帯へと普及していきました。
長岡市の赤茶けた路面は、冬でも安全に移動できるよう整備されたインフラが残した「冬の街ならではの風景」といえるでしょう。

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