F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPレビュー(前編)

「決勝2台リタイア」という結果以上に、バルセロナ・カタルーニャGPのアストンマーティン・ホンダには厳しい現実が突きつけられた。

 予選Q1でトップのルイス・ハミルトン(フェラーリ)から3.133秒差は「104.142%」。

走り始めの金曜のFP2ではトップから3.860秒差で、実に「105.117%」もの大差。

 まともにレースすらできず、実戦をテストにあてるしかない絶望的な状況だった開幕戦のオーストラリアGPでも、トップとの差は「103.096%」だった。

「107%」が予選不通過のカットオフラインであることを考えれば、これがいかに厳しい現実かがわかる。

【F1】アストンマーティン・ホンダ「ライバルとの差」は拡大し...の画像はこちら >>
 アストンマーティン・ホンダは、着実に改善を遂げてきてはいる。しかしライバルとの差は、むしろ拡大してしまった。

「ダウンシフトの問題によるリアのロックアップと、エンジンからプッシュされるような感触がひどかった。ランス(・ストロール)のクルマがどうだったかはわからない。だけど、僕らのクルマはエンジンとギアボックスの挙動に一貫性がなくて、特にリアロックがひどかった。

 あるコーナーのブレーキングではロックしたり、あるコーナーでは逆にスロットルが半分開いているかのようにプッシュされたり......。週末を通してドライブするのが簡単な状態ではなかったよ」

 母国での予選で22位に終わったフェルナンド・アロンソは、怒りを通り越してあきれたように語った。

 ひさびさにアロンソを予選で打ち負かしたランス・ストロールも、そのことに喜びなどなかった。あまりに低い次元の争いであり、実力勝負というレベルではなかったからだ。

 アロンソはこう続けた。

「問題はいろいろあるよ。まずダウンフォースが十分じゃないのが最大の問題。バルセロナのようなサーキットでは特に厳しい。それにパワーとドライバビリティでも後れを取っている。アップグレードパッケージの完成を待つしかないよ」

【モナコは荒れた展開に助けられた】

 バルセロナは中速・高速コーナーが多く、空力性能が問われる。それと同時に、パワーユニット性能も問われる。

 つまり、マシンの総合力が試されるサーキットだ。だからこそ、トップとの差は拡大した。

 ライバルたちは開幕戦からいくつものアップグレードを投入し、マシン自体を進化させてきた。一方のアストンマーティン・ホンダはアップグレード投入を断念し、現状の問題解決とマシン性能を引き出すことに集中せざるを得なかった。その差が、そこにあった。

 春休み(中断期間)明けのマイアミやカナダ、モナコといった特殊なサーキットでは、マシン本来のポテンシャルをフルに発揮できないからこそ覆い隠されていた部分があり、アストンマーティン・ホンダもなんとかライバルと渡り合うことができていた。モナコでは荒れた展開にも助けられて、入賞を果たすこともできた。

 しかしバルセロナでライバルたちは、着々と改善を進めてきたマシン性能をフルに発揮した。その結果、アストンマーティン・ホンダのマシンパッケージ自体の改善がいかに停滞していたかが、白日の下にさらされてしまった。

 アストンマーティン・ホンダは自分たちの問題点を改善し、成長し続けてはきたものの、それはあくまで開幕時点で本来解決しておくべきことを少しずつ対策してきたにすぎなかった。マシンのポテンシャルを引き出しただけで、ポテンシャル自体を高めたわけではない。

 それがバルセロナ・カタルーニャ・サーキットというマシンに厳しい場所で、克明に浮き彫りにされただけのことだ。

◆つづく>>

編集部おすすめ