今年のバレーボール・ネーションズリーグ(VNL)で注目を集めるふたつの強豪、日本とイタリアが対決の時を迎える。VNL予選ラウンド第3週は7月15日から大阪で始まる。

その初戦で、いきなり両者が相まみえるのだ(その後、イタリアはベルギー、アルゼンチン、キューバと、日本はカナダ、ベルギー、アルゼンチンと対戦する)。

 ただし、今大会に臨む両チームの心境は大きく異なるかもしれない。かたや2022年、2025年と世界選手権を連覇しているイタリア。もう一方は昨年の世界選手権で1次リーグ敗退という大きな失望を味わった日本だ。

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 イタリアのここまでの予選ラウンドの成績は5勝3敗。総合順位では6位についている。今大会でイタリアが掲げる目標はふたつ。ひとつは男子ではいまだ獲得したことのないVNLでの初優勝(2025年のVNLでは決勝でポーランドに敗れ準優勝だった)というタイトルを勝ち取ること。そしてもうひとつは若手選手の育成と強化をさらに推し進めることである。

 イタリアはいま、アウトサイドヒッターのダニエレ・ラビアとアレッサンドロ・ミキエレットというふたりの主力の完全復活待ちの状態でもある。

 ラビアは昨夏、右手に大ケガを負い、フィリピンで行なわれた世界選手権を欠場。2月に戦列に復帰したものの、長期離脱の影響もあって、本来のコンディションには戻っていない。

ただ、それでもここ数週間、フェルディナンド・デ・ジョルジ監督は彼をチームに帯同させている。

 一方のミキエレットは今年の1月末に腰椎の疲労骨折に見舞われ、現在も慎重にリハビリを続けているが、VNL中の復帰は難しそうだ。

 彼らの不在のため、デ・ジョルジ監督はVNL予選第1週と第2週、若手を積極的に起用している。アウトサイドヒッターにマッティア・ボットロとルカ・ポッロ、フランチェスコ・サニを起用し、そのパフォーマンスを試した。また、ミドルブロッカーのポジションでは若手のパルド・マティを起用したところ、これが功を奏した。マティは2006年生まれの19歳で、身長206センチという将来有望な逸材だ。

【日本はベストメンバーを投入】

 だが、大阪ラウンドからは、チームの顔ぶれもこれまでとは大きく変わるだろう。短い休養を与えられていた昨年の世界選手権優勝メンバーの多くが、このタイミングでチームに合流するからだ。主将でセッターのシモーネ・ジャネッリ、昨シーズン、ロシアリーグでプレーしたオポジットのユーリ・ロマノ、ミドルブロッカーのロベルト・ルッソ、リベロのファビオ・バラーソらだ。ここからファイナルラウンドに向けて、イタリアにとってギアを上げる戦いが始まる。

 一方、フランス人のローラン・ティリ監督体制で2年目となる日本は、まずは昨年の世界選手権での1次リーグ敗退という失意を払拭することが最大のテーマとだ。その成果はVNLの序盤戦ですでに表れている。

日本はここまで8戦全勝の快進撃で現在総合順位は1位。2位アメリカ、3位ポーランド、4位スロベニアは6勝2敗なので、頭ひとつ抜け出している。

 特に直近の第2週ラスト3試合では、イラン、アメリカ、フランスをいずれもフルセット&タイブレークの末に破っており、勢いにも乗っている。多くの国が若手中心で大会に臨んでいるのに対し、日本は開幕当初からベストメンバーを投入してきた。特にアウトサイドヒッター陣は強力だ。

 髙橋藍はここまでチーム最多の159得点を記録し、大会全体でもブルガリアのアレクサンダー・ニコロフ(194点)、ベルギーのフェレ・レッガーズ(193点)に次ぐ3位につけている。昨年より攻撃力が増した印象だ。そして石川祐希と大塚達宣。この3人のスパイカーは、いずれもヨーロッパでの新シーズンに向けても準備万端なように見える。髙橋はポーランドのルブリン、石川はトルコのジラートに新天地を求め、大塚はイタリア・ミラノで3シーズン目を迎える。

 彼らとともにプレーするのはセッターの深津英臣。そして左利きのオポジット宮浦健人も安定した働きを見せており、そこに昨年の世界選手権は欠場した主力の西田有志が加わる。

また、イタリアはリベロ小川智大の存在も忘れてはならないだろう。彼のレシーブと守備の安定感は日本の大きな武器であり、来季は髙橋と同じくポーランドのルブリンでプレーする予定だ。

 とにかく7月15日からの1週間は、イタリアにとっても日本にとっても重要なものとなるだろう。今大会の主役と目される両チームが、この最終週でどのような戦いぶりを見せるのか。そしてチームの真の実力がどれほどのものなのか。その答えが少しずつ見えてくるはずだ。

 世界ランキングでは現在、イタリアがポーランドに次いで2位。日本は3位のアメリカに続く4位につけている。現段階の世界トップクラス同士の対決に、大きな注目が集まっている。そしてそのあとには7月29日から8月2日にかけて、中国の寧波で行なわれるファイナルラウンド(予選ラウンドの上位7チームと開催国・中国が出場)が待っている。

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