老朽化が問題となっている「道路」の補修現場に密着。損傷部分を見つけるのはじつはスマホとAI。

その活用法とは。

(走行中の車)
「車体が上下に揺れています。これは危険です」

突然ドライバーを襲う車道にできた穴。国内の道路は日々老朽化が進み、「穴」や「亀裂」が増え続けています。足元で崩壊の危機にある道路。その対策にAIが投入されています。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をス...の画像はこちら >>

岐阜県岐阜土木事務所 西谷太史さん)
Q.手に持っているのは?
「これは道路パトロールのことし4月に導入した相棒です。スマートフォンで道路の状況を撮影しながらパトロールします」

Q.これだけですか?
「これだけです」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

道路のパトロールはスマホで 専用アプリで人間の目が見落とす箇所も確実に

岐阜土木事務所が今年度から道路の見回りに導入したのは、見たところ普通のスマートフォン。

以前は高性能カメラやレーザーを載せた専用の測定車を使っていましたが、今では作業車のフロントガラスにスマートフォンを設置して、専用アプリで録画を始めます。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

(西谷さん)
「今から行く場所は、瑞穂市と本巣市の方面を回りますが、岐阜市内から順番に回ります」

あとは調査対象の道路を走るだけ。

(西谷さん)
「人間の目では見落とす所も、AIなら確実に捉える」

岐阜県が管理する道路は、総延長4100キロ。日本列島より長い距離ですが、11の土木事務所が1日約130キロを巡回し、くまなく点検しています。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

録画映像をAIが解析→翌日には結果が

パトロール中、車を止めて道路へ…

(西谷さん)
Q.どうしました?
「ごみ拾いです。風とかで車道に出てくるとあぶないので、ごみも撤収します」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

目視がもちろん中心ですが、点検のもう1つの主役がスマートフォンの録画映像。



(西谷さん)
「録画を止めて、今からアップロードします」

翌日には、この映像をAIが解析した結果が出ます。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

道路の損傷個所を色分け表示

「ひび割れがある場所を、赤い点や色で分けた点で示しています」

赤い点や色分け部分は、道路の損傷個所。ただ走っているだけでは人間が気づかないものも、カメラの映像からAIが判別します。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

穴がある場所の損傷具合を見てみると…

「異常がある箇所を四角で囲ってくれる。横幅が16センチ・縦幅が23センチの穴がひとつと、横幅が14センチ・縦幅が22センチの穴があります」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

アスファルト補修材で応急処置 すぐに車が走ってもOK

現場に向かうと…

(西谷さん)
「ひとつ目の穴は、深さが5センチぐらいです。結構危ない、このまま大きくなっていくんです。もうひとつの穴が、これ以上大きくなると普通の車でもパンクとかの恐れがあります」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

AIが示す穴の大きさとの誤差は、ほぼ4センチ以内。施工後すぐに上を通行できる、特殊なアスファルト補修材で応急処置を行います。

(西谷さん)
Q.すぐ車が走っても大丈夫?
「(補修跡を)走っても大丈夫です」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

白線の劣化やガードレールの変形もAIは見逃さない

AIが検出するのは、道路の穴だけではありません。白線の劣化やガードレールの変形にサビも…

(西谷さん)
「ガードレールのサビですけど、ガードレールそのものは交通安全施設として機能しているので、補修する優先順位は低い」

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

そして、路面のひび割れに街路樹などで標識が隠れた箇所まで。

現在、全国300以上の自治体で導入されているこのシステム。大手道路補修会社「ニチレキ」と東大発のベンチャー企業「スマートシティ技術研究所」による共同開発です。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

AIがわずかな路面のひび割れを分析 将来を予測

能登半島地震の被災地でも道路の修復に活用されていて、今ではこんな新しい機能も…

(ニチレキ 中部支店 近藤智史課長)
「ポットホール(穴)の将来予測の機能があります。事前の破損の形状を実際にAIに学習させて、今後ポットホールが発生する場所を検知するというのが、今の新しい取り組みになります」

ポットホールとは、道路にできるすり鉢状の穴。AIが路面のわずかなひび割れなどを分析し、将来そこにポットホールができるかどうかを予測するのです。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

雑草で歩行者が見えにくい所も“要注意箇所”として指摘

(西谷さん)
「前回のパトロールで撮影したAIの写真です。場所は横断歩道がある所です」

夏になると雑草が生い茂り、道路脇の状況が見えなくなる場合も。AIは、ここを要注意箇所として指摘していました。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

(西谷さん)
「この時期は(雑草の)成長が早いので、高くなると横断歩道の所に歩行者がいるかどうか見にくくなるので、対応する必要があります」

AIの指摘を参考に、草刈り機など必要な機材を事前に準備するため、後日出直す手間も省けます。作業は約10分で完了。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

路面のひび割れもAIが数値化 全面的な舗装の打ち替えを判断する材料に

さらに、路面のひび割れが集中している区間。目視では判定が難しかった「全体の何%にひびが広がっているか」をAIが数値化。これを元に、舗装全体の全面的な打ち替えが必要な時期を判断します。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

(岐阜県岐阜土木事務所 尾澤勲副所長)
「傷んだ所を全て補修するのが理想ですが、予算的には無理があります。どこから手を付けるのかをAIの助言を頂いて、有効に判断できたらありがたいと期待を持っています」

生活を支える道路を、限られた人員と予算でどう維持するのか。AIはこうした現場でも、なくてはならない存在となっています。

車で走るだけで“将来の穴”までAIが予測!? 道路の危険をスマホ1台で見抜く 人間の目では見落とす所も確実に 被災地でも活用
CBC

編集部おすすめ