【5月M&Aサマリー】前年同月比21件増の121件、取引総額は1.4兆円超え カカクコム非公開化が牽引

2026年5月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比21件増の121件となった。取引総額は1兆4135億円に上り、スウェーデンの投資ファンドによるカカクコムの非公開化案件(約5509億円)が全体を大きく牽引した。

上場企業の適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)についてM&A Online編集部が集計した。

【5月M&Aサマリー】前年同月比21件増の121件、取引総額は1.4兆円超え カカクコム非公開化が牽引
M&Aの件数と金額の推移
M&Aの件数と金額の推移

5月のM&A件数は121件、取引総額は1兆4135億円に

2026年のM&Aは件数は、過去最多をマークした2025年の1344件を上回るハイペースで推移している。今年は1月から毎月100件超えとなっており、3ケタのM&Aが年初から連続するのは、2008年の統計調査開始以来初めて。1-5月累計は622件と前年同期を72件上回っており、単純計算で年間1500件も視野に入ってきた。企業が資本効率の向上やコア事業への集中を図る中で、非中核事業の切り離しや成長分野への積極的な投資が加速している。

こうした中、5月は海外の投資ファンドによる日本企業の非公開化(TOB)や、国内大手企業による海外事業の買収など、グローバルな資本移動を伴う案件が目立った。

金額トップはカカクコムの非公開化、5500億円超え

5月の取引金額トップは、カカクコム<2371>がスウェーデンの投資ファンドEQTによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、株式を非公開化する案件だった。買収金額は約5509億円に上る。

カカクコムは購買支援サイト「価格.com」や飲食店情報サイト「食べログ」などを運営し、国内のインターネットサービス市場で確固たる地位を築いてきた。しかし、急速に変化するデジタル市場において、中長期的な成長戦略を機動的に実行するためには、短期的な業績変動にとらわれない非公開化が最善と判断した。EQTのグローバルな知見やネットワークを活用し、新たな事業展開やサービスの拡充を目指す。

ENEOSの海外展開やきんでんのグループ再編など大型案件が続く

金額2位は、ENEOSホールディングス<5020>が米エネルギー大手Chevron傘下の東南アジア・豪州における燃料油販売事業を取得する案件で約3360億円。国内の石油需要が減少傾向にある中、ENEOSは成長が見込まれるアジア・オセアニア地域での事業基盤強化を図る。海外での収益源を多角化し、グローバル競争力を高める。

3位には、きんでん<1944>が三菱電機<6503>傘下の弘電社<1948>を約850億円で子会社化する案件。

きんでんは総合設備エンジニアリング企業として、インフラ整備や再生可能エネルギー関連の需要を取り込んでいる。同業の弘電社をグループに迎えることで、施工体制の強化や技術力の向上を図り、さらなる事業拡大を目指す。

そのほか、ALSOK<2331>による日本ドライケミカル<1909>のTOB(約835億円)や、大日本印刷<7912>によるオーストリアの決済ICカードメーカーAUSTRIACARD HOLDINGSの子会社化(約677億円)など、競争力強化に向けた戦略的なM&Aが相次いだ。

2026年4月のM&A上位10社

順位 社名 内容 金額(億円) 1 カカクコム
スウェーデンの投資ファンドEQTによるTOBを受け入れ、株式を非公開化
5,509
2
ENEOSホールディングス
Chevron Corporation傘下の東南アジア・豪州燃料油販売事業を取得
3,360
3
きんでん
三菱電機傘下の弘電社を子会社化
850
4
ALSOK
日本ドライケミカルをTOBで子会社化
835
5
大日本印刷
決済ICカード・ID印刷のオーストリアAUSTRIACARD HOLDINGSを子会社化
677
6
加賀電子
同業エレクトロニクス商社の新光商事をTOBで子会社化
459
7
オリンパス
イスラエルの医療機器メーカーBioProtectを子会社化
433
8
TDK
リチウムイオン電池メーカーのマレーシアLinergy Powerを子会社化
383
9
芝浦機械
超精密工作機械メーカーの米国Moore Nanotechnology Systemsを子会社化
238
10
大同特殊鋼
東北特殊鋼をTOBで子会社化
198

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