赤ニキビができる原因と予防|医療機関での治療方法についても解説

痛みを伴う赤ニキビ。赤ニキビができてしまうと、化粧品がしみたりメイクで隠せなかったりするため、精神的ストレスも増えます。この記事では、赤ニキビができる原因と予防方法を解説していきます。

正しくニキビケアができるように、以下の内容についてもまとめました。

  • ニキビの種類
  • 赤ニキビができやすい箇所
  • 赤ニキビができる原因

赤ニキビができてしまったら、ニキビ跡にならないように正しくお手入れをすることが大切です。赤ニキビの種類やできる原因についてを知ることで、ニキビを悪化させずにケアすることができるはずです。繰り返す赤ニキビに悩んでいる人は、最後まで読んでみてくださいね。

まずは、ニキビの種類について解説します。

【監修】STスキンクリニック青山院長 田澤しおり

アラガン・ジャパン株式会社認定 ボトックスビスタ®認定医
アラガン・ジャパン株式会社認定 ジュビダームビスタ®認定医

田澤しおりのプロフィール

美容ライター kanakoをフォローする

1.ニキビの種類

「赤ニキビ」は、ニキビが成長していく段階をさしたもの。実はニキビは、症状ごとに名前が変わっていきます。

ニキビは、大きく分けて4つの段階に分かれています。

  1. 白ニキビ
  2. 黒ニキビ
  3. 赤ニキビ
  4. 黄ニキビ

ニキビのでき始めは、プクッと白い塊が出てくる白ニキビ。毛穴に油分や皮脂が溜まっている状態です。その後にニキビが酸化していくと、黒ニキビになります。

赤ニキビは、強い炎症が始まる段階。痛みや痒みがあるのも赤ニキビの特徴です。その後、膿が溜まってきて黄色ニキビへと進行していきます。

ニキビは初期段階で治ることがあり、その場合は赤ニキビまで進行しません。しかし、顔のパーツの中には、「赤ニキビ」になりやすい箇所というのが存在します。赤ニキビができやすい箇所がどこなのか、詳しく解説していきます。

田澤先生
田澤先生

ニキビは状態によって、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビと分類されます。ニキビの種類によって、お手入れの方法や予防法が変わりますので、どのようなタイプのニキビができやすいのが知っておくと便利でしょう。

2.赤ニキビができやすい箇所

赤ニキビができやすい箇所は、3つあります。できやすい箇所を知っておくことで、ニキビの予防対策ができるはずです。一箇所ずつご紹介していきますね。

1-1.Tゾーン

Tゾーンは、赤ニキビができやすい場所です。Tゾーンとは、額から眉間、そこから鼻にかけてのゾーンを表します。Tゾーンの特徴は、皮脂が分泌される「皮脂腺」が多くあるということ。そのため、顔の中でも皮脂量が多いパーツなのです。

ニキビの原因は毛穴に詰まった皮脂や油分。皮脂が多く出る箇所は、その分ニキビができやすくなるため、赤ニキビに進行していってしまうのです。

顔の中心でニキビが目立ちやすい

Tゾーンにニキビができてしまうと目立ちやすい、という特徴があります。特に、鼻周りは顔の中心です。ニキビが気になり触ってしまったり、無理に隠そうとしてしまったりします。すると、でき始めのニキビが悪化しやすくなります。すぐに赤ニキビへと進行してしまうのです。

1-2.Uゾーン

Uゾーンと呼ばれる場所も、赤ニキビができやすいです。Uゾーンは、口周りから頬、首などのエリアも含まれます。Uゾーンにニキビができてしまうと、症状が悪化して赤ニキビに進行しやすいです。Uゾーンは、洋服やマスクなどが触れているパーツなので、外部からの刺激を受けやすいのが原因

特に、口や顎周辺は、摩擦が繰り返されてしまいます。刺激を受けるとニキビの炎症が進行してしまうため、赤ニキビになってしまいます。

1-3.頬

あまり知られていませんが、頬も赤ニキビができやすい箇所です。最近では、マスクをつけるのが習慣化しています。頬もUゾーンと似ていて、マスクなどで刺激を受けやすい箇所。小さなでき始めのニキビでも、摩擦や刺激により赤ニキビへと進行していってしまうのです。

頬はマスク以外に、髪の毛に触れる機会も多くあるパーツです。髪の毛についている汚れや皮脂が頬につくことで、ニキビの症状が進行してしまうこともあります。頬は無意識に刺激や摩擦を受けやすいので、赤ニキビに進行しやすいパーツなのです。

汚れた枕も赤ニキビになる原因

顔を横にして寝る人は、枕に頬が擦れていることで刺激になります。また、枕に皮脂や雑菌がついていると、ニキビの原因菌を増殖させることに繋がってしまいます。汚れた枕も赤ニキビになる原因のひとつ。毎日使う寝具は、清潔に保つようにしましょう。

次は、赤ニキビができる原因を解説していきます。

田澤先生
田澤先生

赤ニキビは皮脂の多いTゾーンや摩擦が起きるUゾーンにできやすいです。さらに、これらのパーツは無意識に触ってしまう場所でもあり、赤ニキビへ進行しやすいです。できるだけ触らないようにし、清潔な状態を保ちましょう。

2.赤ニキビができる原因

赤ニキビができる原因は、6つあります。

  1. 肌への直接的な刺激
  2. ホルモンバランスの乱れ
  3. 乾燥
  4. 紫外線
  5. 生活習慣の乱れ
  6. 食生活の乱れ

赤ニキビは、肌への直接的な刺激やホルモンバランスの乱れ、さらには乾燥が原因でもできてしまいます。赤ニキビができると、ニキビ跡ができやすくなったり痛みが伴ったりします。原因をしっかり理解することで、ニキビ対策ができるようになります。

赤ニキビができる6つの原因を、詳しく解説していきますね。

2-1.肌への直接的な刺激

赤ニキビは、肌への直接的な刺激が原因でできてしまいます。赤ニキビができやすいのは、外部からの刺激を受けやすいパーツです。ニキビができた部分に摩擦が起きることで、炎症が悪化してしまうのです。

刺激を受けやすい箇所は、摩擦や刺激から肌を守ろうとして「角層」を厚くします。厚くなった角層が原因で毛穴が詰まったり、皮脂が外に出られなくなったりします。

毛穴内で皮脂や汚れが詰まってしまうと、ニキビの原因菌「アクネ菌」が繁殖。その結果、ニキビが進行していって赤ニキビになってしまいます。

2-2.ホルモンバランスの乱れ

赤ニキビは、ホルモンバランスの乱れでもできやすくなります。ホルモンバランスが乱れているときは、体も肌も不調になりやすいです。特に生理前などは、ホルモンバランスの乱れが原因のニキビができやすい時期。女性ホルモンである黄体ホルモンが増えることで、皮脂の分泌を促進します。

また、ホルモンバランスが乱れると、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」も比例して乱れます。ターンオーバーとは、肌の古い角質が剥がれて新しい角質へ生まれ変わる働きのことです。

ターンオーバーの周期が乱れてしまうと、古い角質がそのまま肌に停滞し毛穴を詰まらせてしまいます。ニキビの原因であるアクネ菌を繁殖させてしまい、赤ニキビへと進行させてしまうのです。

2-3.乾燥

肌が乾燥していると、赤ニキビができやすくなります。私たちの肌は、汗などの「水分」と皮脂などの「油分」のバランスをとって、肌が乾燥しないようにする機能があります。しかし、いろいろな原因から、肌がもともと持っている潤いバランスが乱れてしまうことがあります。

肌が乾燥して水分不足になると、皮脂腺で皮脂が過剰に作られてしまいます。潤いのバランスが乱れて油分が多くなるため、毛穴が詰まったりニキビの原因菌の繁殖を促進させてしまったりします。このように、肌が乾燥すると、油分過多になり赤ニキビができてしまうのです。

田澤先生
田澤先生

赤ニキビができやすい方は化粧水や乳液でべたつくのを恐れて、しっかりと保湿ができていないケースがあります。ニキビ用の基礎化粧品はさっぱりとした使い心地のものが多く、そのようなアイテムを使って乾燥を防ぐことが大切です。

2-4.紫外線

赤ニキビは、紫外線が原因でもできてしまいます。私たちの肌が紫外線を浴びると、皮膚はダメージを受けます。皮膚のバリア機能を低下させたり、炎症を起こしたりします。

肌のバリア機能が低下した場合、肌内部を外的刺激から守るために肌が厚くなります。毛穴が詰まりやすくなるので、ニキビができてしまいます。

また、紫外線ダメージによる「肌の乾燥」にも注意が必要です。日焼けしたり強い紫外線を浴びたりすると、肌は水分を奪われて乾燥状態になります。乾燥は皮脂の過剰分泌を引き起こし、結果としてニキビを作ってしまいます。

2-5.生活習慣の乱れ

赤ニキビは、生活習慣の乱れが原因でもできてしまいます。不規則な生活や睡眠不足が続いていると、体の機能が乱れやすくなってしまうからです。寝不足状態が続いた場合、自律神経やホルモンバランスが乱れます。ターンオーバーも崩れて、毛穴が詰まりやすくなってしまうのです。

生活習慣の乱れは体の不調を招き、結果として赤ニキビを作ってしまいます。

2-6.食生活の乱れ

赤ニキビは、食生活の乱れが原因でもできてしまいます。私たちの体や肌は、食べているものの栄養素からできています。そのため、必要な栄養が不足するような偏った食事ばかりだと、肌の不調サインも出やすくなります。また、油分の多い食事は、皮脂の過剰分泌を引き起こす可能性が高くなることも知られています。

このように、食事の栄養バランスが乱れていると、赤ニキビができやすくなってしまうのです。

赤ニキビができてしまう原因は知ることができましたね。次の章では、赤ニキビを作らない方法を解説していきます。正しい対策方法を知って、ニキビ予防をしていきましょう。

3.赤ニキビを作らない方法

赤ニキビを作らない方法は、5つあります。

  1. 正しいスキンケア
  2. 紫外線対策の徹底
  3. 生活習慣を正す
  4. メイクをしっかり落とす
  5. バランスの良い食事

正しいスキンケアをすることは赤ニキビを作らないためにも重要ですが、生活習慣を正したりバランスの良い食事を摂るようにしたりすることも大切です。一つ一つ解説していくので、理解を深めていきましょう。

3-1.正しいスキンケア

赤ニキビを作らないために最も重要なのが、正しいスキンケアでお手入れを続けることです。ニキビ対策として一番先に取り組むべきなのは、「洗顔」です。お顔は、想像以上に汚れています。汚れを毎日正しく取り除くことで、毛穴詰まりの予防となります。

洗顔をするときは、余分な力を入れないようにするのがコツです。摩擦を起こさないように、力の加減をしながら顔を洗いましょう。また、赤ニキビができているときは、刺激の少ない洗顔料を使うようにしてください。ニキビ部分への摩擦を防ぐために、よく泡立ててきめ細かい泡を使って洗うことを心掛けてくださいね。

保湿ケアも忘れずに

赤ニキビの予防は、洗顔だけではなく適度な「保湿ケア」をすることも重要なポイントです。肌が乾燥することで、赤ニキビはできやすくなります。自分の肌タイプにあった保湿製品を選んで、洗顔後に保湿ケアをするようにしてみてください。

乾燥肌の方であれば濃厚なクリーム、脂性肌の方であれば浸透感の良いジェルクリームなどがおすすめです。

3-2.紫外線対策の徹底

赤ニキビを作らないために、紫外線対策の徹底をしてください。紫外線は、一年を通して対策をする必要があります。外に出かけるときは日焼け止めを塗る、日陰で過ごすようにするなど、基本的な紫外線対策ならすぐに実践できます。

夏場は、帽子を被ったり日傘を利用したりするのが良いでしょう。紫外線が直接肌に当たるのを防ぐことで、赤ニキビの予防に繋がります。

3-3.生活習慣を正す

生活習慣を正すことは、赤ニキビを作らないために重要です。健康な体は、規則正しい生活リズムから生まれます。元々の肌の機能を高めるためにも、夜更かしをしないなど生活習慣を整えましょう

毎日同じ時間に寝るようにすると、体内時計が整って良質な睡眠をとりやすいです。また、肌ダメージの修復機能や改善機能が高まることにも繋がります。生活習慣を正すことで、赤ニキビの予防になるのです。

3-4.メイクをしっかり落とす

赤ニキビを作らないために、メイクをしっかり落とすようにしてください。

赤ニキビ対策の基本は、肌を清潔に保つことです。メイク汚れが残っていると、毛穴に入り込んで詰まってしまいます。メイク製品には油分も含まれているため、アクネ菌の繁殖を促進させてしまいます。

毎日のクレンジングには、自分のメイクに合わせた洗浄力のあるクレンジングアイテムを使うようにしてみてください。濃いめのメイクの場合はオイルタイプのクレンジング。薄めのメイクの場合は、ジェルや拭き取りタイプのものがおすすめです。

週に数回は、角質ケアや毛穴汚れの除去ができるスペシャルクレンジングを取り入れるのも、赤ニキビの予防に繋がりますよ。

田澤先生
田澤先生

赤ニキビを作らないためには毛穴を常に清潔な状態にすることが大切です。毎日のメイク落としに使用するアイテムは自分のメイクの濃さに合わせて選択しましょう。また、しっかりとすすぐこともポイントです。

3-5.バランスの良い食事

赤ニキビを作らないために、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

赤ニキビを予防するためには、バランスよくビタミンをとっていくことをおすすめします。特に、肌や粘膜を作るために重要な働きをするビタミンAは積極的に摂りたいビタミン。また、皮脂分泌をコントロールする役割があるビタミンBが含まれる野菜も食べるようにしましょう。

偏りの出るような食事を避け栄養バランスを整えることが、赤ニキビを作らないために大切です。

次の章では、赤ニキビの治療法をご紹介します。

4.赤ニキビの治療法

赤ニキビができてしまったら、皮膚科の専門医に相談をして治療をすることができます。赤ニキビの5つの治療法についてご紹介します。

  1. 内服薬
  2. 外用薬
  3. ピーリング
  4. ポテンツァ
  5. ダーマペン

赤ニキビの治療方法は、薬を使った治療からエステ機器を使った治療まで種類も豊富です。自分の肌や赤ニキビの症状に合わせて行うようにしましょう。それぞれの治療法を、詳しく解説していきます。

4-1.内服薬

赤ニキビの治療には、内服薬が使われます。内服薬は、体の中からニキビの炎症を抑える効果が期待できます。また、抗菌作用のある薬を服用する場合もあります。

自分の体質に合わせたり赤ニキビの症状に合わせたりして治療をするため、高い効果も期待できます。どういった内服薬を使用するべきなのかは、皮膚科の専門医に相談をして決めていくようにしましょう。

4-2.外用薬

赤ニキビの治療には、外用薬を使用することができます。外服薬は、赤ニキビの炎症に合わせて使用するものも変わります。

例えば、軽い赤みや腫れであれば非ステロイドの抗炎症薬。反対に、症状が悪化している赤ニキビには、ステロイドを使用します。ニキビ薬の中には、自分で買える薬も存在します。赤ニキビの元になるアクネ菌に対する抗生物質なども市販で購入が可能です。

また外服薬には、「ニキビ予防」のためのスキンケア製品を使用するケースもあります。ニキビ予防に繋がる「保湿剤」などの製品であれば、薬局で購入も可能です。

4-3.ピーリング

赤ニキビの治療には、ピーリング治療が効果的。ニキビの治りを早くするために、よく取り入れられている方法です。

ピーリングと聞くと「エステサロン」などをイメージしますが、皮膚科でもニキビ治療にピーリングを用いる場合があります。特に、ニキビやニキビ跡には「ケミカルピーリング」が使われることがあります。2週間に1度、ケミカルピーリングを行い、肌の再生を促すことでニキビ跡を残さないようにする治療方法です。

ピーリングは、ニキビのでき始めやニキビ跡治療に効果的なのでおすすめです。

4-4.ポテンツァ

赤ニキビの治療には、ポテンツァと呼ばれる最新の美肌治療が用いられることもあります。ポテンツァは、ラジオ波による肌治療のこと。赤ニキビやニキビ跡などを改善するために使用します。

赤みや熱感が残るというリスクがあるものの、効果が高いため美肌を目指したい方に人気の方法です。数週間以上空けて、数回に渡り肌に当てていくため時間がかかる治療方法でもあります。

4-5.ダーマペン

赤ニキビの治療には、ダーマペンを使用する場合もあります。ダーマペンとは、極細の針が高密度についているペン状の医療機器のこと。その針で皮膚を刺激することで、肌の生まれ変わりであるターンオーバーを促進していきます。エステサロンでも使われるダーマペンは、赤ニキビやニキビ跡予防にも効果的。ニキビを綺麗に直したい、という人にぴったりの治療法です。

田澤先生
田澤先生

赤ニキビができてしまった場合は炎症を抑えることが大切です。皮膚科で外用薬や内服薬を処方してもらえますので、早めに受診しましょう。外用薬はたくさんの種類があり、ニキビの状態によって使用する薬が異なるため、必ず皮膚科医の指示のもと使用してください。

5.まとめ

赤ニキビは、ストレスや不規則な生活習慣でもできてしまいます。正しいお手入れと同時に、体のなかから調子を整えることもニキビ予防には重要です。

赤ニキビの症状が辛い時は、専門医に相談して治療をしうてもらう方法もあります。ニキビ跡を残さないためにも、正しい知識をつけてニキビ対策をしていきましょう。