老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、68歳から70歳まで厚生年金に加入して働いた場合、年金額がどのくらい増えるのかについての質問です。

■Q:68歳、年金をもらいながらパートで働いています。70歳まで厚生年金保険料を払うと、年金はいくら増えますか?
「現在、年金を受け取りながらパートで働いており、毎月の給与は15万円ほどです。給与から厚生年金保険料が引かれていますが、70歳までは今の仕事を続けたいと思っています。あと2年間、厚生年金保険料を払い続けると、将来もらえる年金はいくら増えるのでしょうか?」(68歳男性)

■A:標準報酬月額15万円、賞与なしで2年間加入した場合、老齢厚生年金は年額約1万9700円、月額約1640円増える計算です
厚生年金は原則として70歳になるまで加入でき、65歳以降も加入して働くことで、老齢厚生年金の額が増えていきます。

老齢厚生年金の増額分は、給与などを基に決まる「標準報酬月額」と、厚生年金の加入月数などによって計算されます。

相談者の給与は月15万円ほどとのことですので、ここでは標準報酬月額15万円、賞与なしで、68歳から70歳になるまでの24カ月間加入した場合を考えてみましょう。※経過的加算は考慮せず

老齢厚生年金の増額分を簡易的に計算すると、次のようになります。

15万円×5.481/1000×24カ月=約1万9732円(年額)

月額に換算すると、約1644円です。

つまり、2年間の加入によって、老齢厚生年金が年額約1万9700円、月額約1640円増える計算になります。なお、実際の増額分は標準報酬月額や年金額の改定などによって異なります。


また、65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取っている人は、「在職定時改定」により、毎年9月1日時点の加入状況を基に年金額が見直されます。前年9月から当年8月までの加入期間が反映され、10月分(12月振込分)から増額される仕組みです。

そのため、70歳まで働いた分が全て70歳になってからまとめて反映されるわけではなく、働いている間も少しずつ年金額が増えていきます。70歳になった際には、まだ反映されていない加入期間を含めて再計算されます。

厚生年金保険料の負担はありますが、加入期間に応じて将来受け取る老齢厚生年金が増えることになります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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