NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンのシグニチャーモデルとして生まれた〈AIR JORDAN〉。誕生から30年を超え、その背景や物語を知らずにファッションアイテムの一つとして楽しむ世代も増えてきた。
そんな「マイケル・ジョーダンを知らない世代」のためのエアジョーダン基礎講座として、今なお続くナンバリングを順に振り返りながら、歴史を紐解いていきたい。

第4回は、1989年発売の「AIR JORDAN 4」。
前作AJ3は様々な面で革新的ではあったが、シンプルなデザインゆえに思うようにセールスが伸びなかった。そこで第4弾、AJ4では、ある意味「シリーズの存亡をかけて」大胆なモデルチェンジが敢行されたわけだがーー。

 

大胆なモデルチェンジを敢行し
AJを真の人気モデルへと導く
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写真を拡大 奥がオリジナル、手前が2006年に発売された、スパイク・リーの功績をリスペクトして復刻されたモデル“マーズ”。派手めのアッパーデザインが新しモノ好きの心をくすぐった

 それまで3つのモデルを市場に投入したAJだが、セールス面では苦戦を強いられていた。機能的には通をうならせるモデルに仕上がっていたが、より広いユーザー層にアピールするにはデザイン的なインパクトが足りなかったようだ。
 その打開策としてナイキは、’89年に新設されたスピードプレーヤー向けのバッシュカテゴリー「フライト」にAJを一時的に組み入れることを考えた。さらに、デザイナーのティンカー・ハットフィールドに見た目のインパクトを重視したデザインを要請したのである。
 そこで、彼は次のモデルのデザイン要素として、バスケットボールを連想させるパーツを使ってみようと考える。こうして“バスケをモチーフにした初めてのバッシュ”AJ4が誕生したのだ。

 

 アッパーには通気性をアップさせるためにメッシュパネルを使ったが、これをフープ(バスケットゴール)のようなイメージに。プラスチック製のアイレットは、フープをそのまま縮小したようなデザインにした。そして、その下にはゴールの支柱をモチーフにした三角形のスタビライザーが付いている。さらに、ヒールプロテクターもフープ型に仕上げた。
 結果的にアッパーには多くのプラバーツが使われることになったが、こうした仕様が黒人を中心にした“新しいモノ好き”に受け、AJ4は一躍人気モデルの仲間入りを果たした。新作がコケたら、シリーズが消滅するかもしれないという危機を、AJは土壇場で回避したのだ。

 

デザインと機能の融合。そうしたAJの
DNAはこのモデルから本格化する
①ボール②ゴール③コート…AJ4のデザインモチーフになったのは?【エアジョーダン秘史(4)】
写真を拡大 外観こそAJ3から劇的に変化しているが、中身、つまり内部のテクノロジーはAJ3とほぼ同じ。

 プラパーツの多用はこのモデルの見た目をハデにしたが、それらは機能性のアップにも貢献している。アッパーサイドのスタビライザーは、シューズを履いた時に足が左右にブレるのを防ぎ、安定感を高める働きをする。また、タンとサイドに使われたメッシュパネルは、通気性の確保とともにシューズの軽量化にも貢献。

大型のヒールプロテクターも、フィット感と安定性をアップさせるパーツとして機能している。

①ボール②ゴール③コート…AJ4のデザインモチーフになったのは?【エアジョーダン秘史(4)】
写真を拡大 AJ4の黒箱はジャンプマンの下にフライトロゴが入る。このモデルでAJの人気が回復したため、以降のモデルではジャンプマンのみのデザインに戻された。
①ボール②ゴール③コート…AJ4のデザインモチーフになったのは?【エアジョーダン秘史(4)】
写真を拡大 長らく「別注ができないモデル」だったAJだが、2005年に発売されたアンディフィーテッド別注のAJ4から解禁された。 

 

シリーズ史上、初の人工皮革モデルとしての側面も
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写真を拡大 オリジナルカラーは計4色。最初に復刻されたのは1999年のブラック。

 AJ4は、アッパーに初めてデュラパック(人工皮革)を使ったモデルとして知られている。

オリジナルカラーは白×赤、白×グレー、黒×グレー、白×青の4色だが、白×青以外はすべてデュラパック製のアッパーだ。このオリジナル4色のアッパーだ。このオリジナル4色の中では、黒が圧倒的に高い人気を誇っていた。ちなみに、’99年は最もニーズの高かった黒から復刻が始まり、続いて白×グレー(『ドゥー・ザ・ライト・シング』でスパイク・リーが履いたカラー)が発売された。さらに、この時期に一部のパーツをレザー製を変え、シューレスをオーバルタイプにしたレトロプラスがデビューしている。以降、レトロシリーズでの復刻が続いていく。

*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)

 
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