第4回は、1989年発売の「AIR JORDAN 4」。
前作AJ3は様々な面で革新的ではあったが、シンプルなデザインゆえに思うようにセールスが伸びなかった。そこで第4弾、AJ4では、ある意味「シリーズの存亡をかけて」大胆なモデルチェンジが敢行されたわけだがーー。
大胆なモデルチェンジを敢行し
AJを真の人気モデルへと導く写真を拡大 奥がオリジナル、手前が2006年に発売された、スパイク・リーの功績をリスペクトして復刻されたモデル“マーズ”。派手めのアッパーデザインが新しモノ好きの心をくすぐった
それまで3つのモデルを市場に投入したAJだが、セールス面では苦戦を強いられていた。機能的には通をうならせるモデルに仕上がっていたが、より広いユーザー層にアピールするにはデザイン的なインパクトが足りなかったようだ。
その打開策としてナイキは、’89年に新設されたスピードプレーヤー向けのバッシュカテゴリー「フライト」にAJを一時的に組み入れることを考えた。さらに、デザイナーのティンカー・ハットフィールドに見た目のインパクトを重視したデザインを要請したのである。
そこで、彼は次のモデルのデザイン要素として、バスケットボールを連想させるパーツを使ってみようと考える。こうして“バスケをモチーフにした初めてのバッシュ”AJ4が誕生したのだ。
アッパーには通気性をアップさせるためにメッシュパネルを使ったが、これをフープ(バスケットゴール)のようなイメージに。プラスチック製のアイレットは、フープをそのまま縮小したようなデザインにした。そして、その下にはゴールの支柱をモチーフにした三角形のスタビライザーが付いている。さらに、ヒールプロテクターもフープ型に仕上げた。
結果的にアッパーには多くのプラバーツが使われることになったが、こうした仕様が黒人を中心にした“新しいモノ好き”に受け、AJ4は一躍人気モデルの仲間入りを果たした。新作がコケたら、シリーズが消滅するかもしれないという危機を、AJは土壇場で回避したのだ。
デザインと機能の融合。そうしたAJの
DNAはこのモデルから本格化する
プラパーツの多用はこのモデルの見た目をハデにしたが、それらは機能性のアップにも貢献している。アッパーサイドのスタビライザーは、シューズを履いた時に足が左右にブレるのを防ぎ、安定感を高める働きをする。また、タンとサイドに使われたメッシュパネルは、通気性の確保とともにシューズの軽量化にも貢献。
シリーズ史上、初の人工皮革モデルとしての側面も
AJ4は、アッパーに初めてデュラパック(人工皮革)を使ったモデルとして知られている。
*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)
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