スポーツマンのイメージが強いタレントの照英さん(52歳)が、初の子育てエッセイ『Family First 子どもに泣かれた戦隊ヒーローがたどり着いた「家族」と「育児」のかたち』(双葉社)を上梓した。

良かれと思って何でもこなしてきたはずが、ある日、妻の口から放たれたのは「家にママは2人もいらない!」の一言だった。


照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの...の画像はこちら >>
1998年に「スーパー戦隊シリーズ」にて俳優デビュー。2005年に結婚し、3児のパパとなった照英さんに、父としての実感が最初に湧いた瞬間、立ち会い出産時の衝撃、そして妻の一言で気づかされた夫婦の距離感を振り返ってもらった。

「預金は?」「今の家で?」正直めちゃくちゃ怖かった

――照英さんは3人の子のパパですが、男性は父親になる実感が最初はわかない人も多いと聞きます。

照英:第1子は初めての子育てですから、妊娠が分かって嬉しかったのはもちろんですが、正直、めちゃくちゃ怖かったです。「預金いくらあったかな」とか「今の家で子育てできるのか」とか考えて、気持ちが悪くなるくらい不安が押し寄せてきました。でもそれを妻の前では出したくないという思いがあり、葛藤していました。

――不安が消えたきっかけはありましたか?

照英:エコー写真で実際の姿を見た瞬間です。それまでは、特にこの業界では、とにかく働いて人気者にならなきゃと必死でした。でも子どもが出来て、やる気が違う方向に切り替わった感覚がありました。

積極的に出産準備。それでも感じた無力さ

照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの“一言”で気づかされたこと
照英さん
――出産準備のための母親学級にも一緒に参加されていたとか。

照英:はい。仕事を休んだり、早く切り上げて向かったり。
自治体がやっている、重りを付けての妊婦体験とか、そういうのも一通りやりました。

――実際に奥さまが陣痛で苦しんでいた時は、力になれましたか?

照英:それが、できないんですよ。手を握ってあげたくても妻の握り返す力が強すぎて、ベッドの取っ手を掴んでもらいました。2人目の時は勝手が分かっていたので、顔が見える場所にいるようにしていました。少しでも安心できるように長男の姿も見せて。

立ち会い出産で衝撃。「これ、命を落とすんじゃ?」

照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの“一言”で気づかされたこと
照英さん
――立ち会い出産はお子さんも一緒だったんですか?

照英:そうです。3人目の時は自分と長男、長女、みんなで立ち会って。大泣きでした。

――改めて、立ち会い出産の際を振り返ると。

照英:衝撃ですね。妻の苦しんでいる姿を見て、「これ、命を落とすんじゃないかな?」って本気で思いました。
それから「このお腹の中に本当に命がいるんだ」とも。男性にはどんなことをしても味わえない感覚を共有できた瞬間でした。おこがましいですけどね。誕生した瞬間に妻が言った「ほっとした」って一言も忘れられないです。自分は一生わからない感覚ですから、「ほっとするんだ」と。

――出産は奥さまのご実家のほうで?

照英:そうです。妻の故郷の福島に里帰りして。向こうにいた産前3ヶ月、産後1ヶ月くらいの間、居ても立ってもいられず、家中を掃除して消毒して綺麗にしていました。予定よりいいベビーベッドを買ってセッティングしたりして。帰ってきた時に完璧な状態にしておいてあげなきゃと思いながら過ごしていたら、あっという間でした。

「命」を実感。小さな靴下を見て泣いた

照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの“一言”で気づかされたこと
照英さん
――最初の出産後、奥さまとご長男が帰ってきたときは。


照英:高速道路を使って迎えに行ったんですが、今までこんなにゆっくり走ったことないってくらい丁寧に運転をして帰ってきました。新しいもう一人の命が車に乗ってるって実感して。

今まで妻と一緒に2人で生活していたのに、こんなちっちゃい子を連れて帰ってきたんだって。靴下が本当に小さくて…一生懸命生まれてきて、一生懸命生きてるんだなと思ったら、感動して涙が出ました。

――照英さんには涙もろいイメージがありますが、ご家庭でもひとつひとつのことに感動されてるんですね。

照英:ずっとそうですね。子育ては、飽きる瞬間がないんです。他の趣味って大体飽きるんですけど、これだけは20年間、長男、長女、次女と全く変わらないです。

家事の手伝いが裏目に…妻から衝撃の一言

――奥さまから「ママは2人もいらない」と言われたことがあると。

照英:自分は妻のことを愛してるから、助けてあげてるつもりだったんです。ゴミ捨てから茶碗洗い、料理、お散歩、お買い物、全部俺がやるよって。俺だって30歳まで一人暮らししてきているわけだから。でも妻は「私を馬鹿にしてんの?」っていう気持ちになったみたいで。


照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの“一言”で気づかされたこと
照英さん
――良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまった。

照英:そうなんです。机のホコリを取ったティッシュを置きっぱなしにするとか、飲みかけのコップをそのまま置いておくとか。妻が癖でやっていることを片付けようとすると「嫌味ですか」みたいな空気になって。俺は優しさのつもりだったのに、「あなたは仕事をしてください」と。そして、すっごい剣幕で「家にママは2人もいらない!」と。

「ママは2人もいらない」という言葉に気づいたこと

照英「これ、命を落とすんじゃ?」立ち会い出産に衝撃。妻からの“一言”で気づかされたこと
照英さん
照英:そこから何が必要で何が要らないのかを考えていって。離乳食も作る必要ないのかとか、料理をやめようとか。今の自分の役割は、ゴミ捨てと家の前の掃除、植木の手入れ、たまに茶碗洗いや洗濯、あとはPTAや三者面談とか。妻の様子を見ながら選別してます。

それでも、たとえば「風呂洗っておいたよ」と伝えると、妻に「ありがとう」と言われつつ、「頼んでないけど。私はいつもやってますけど」みたいな雰囲気も感じるので、感覚を掴むのがいまだに難しいんですけどね(笑)。


<取材・文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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