猫の表情から気持ちを読み取れる“キャットウィスパラー”は約10人に1人存在する※簡易チェックテスト付き

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 一般的に、猫は表情から気持ちが読み取りにくいと言われている。しかし、カナダの最近の大学研究では、猫の表情の微妙な違いから機嫌のよさや不機嫌さを解読することができる“キャットウィスパラー”が存在することがわかった。


 同大学の研究チームが、各国から集めた6300人以上の被験者に簡単な映像実験を行ったところ、猫好きに関係なく、猫の表情を認識することに長けている人が13%の確率でいたという。
【猫の表情をどの程度読み取れるかを映像で実験】

 インターネット情報誌『Animal Welfare』の11月号に掲載された調査を行ったのは、カナダのオンタリオ州にあるゲルフ大学で行動生物学を教えているジョージア・メイソン教授とリー・ニール教授だ。

 彼らは、85か国からランダムに集めた6329人の被験者に、主にYouTubeから収集されたビデオコレクションを短く編集した20本ほどの映像をオンラインアンケートの中で視聴してもらい、猫の機嫌が良いか悪いかという感情状態を回答するよう求めた。

 各映像の猫は、歯をむき出しにしたり耳を平らにしたりするなどの怯えや怒りの表情を見せてはおらず、いずれも微妙な表情をしている。

 被験者は、その猫の表情から「ポジティブ(機嫌が良い)」「ネガティブ(機嫌が悪い)」「わからない」を選ばなければならず、ほとんどの被験者は猫の表情から感情を読み取ることを困難に感じたようだ。

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【全体の13%が“キャットウィスパラー”であることが判明】

 結果として、20点満点のスコアのうち、被験者のスコアは平均11.85点となった。


 しかし、15点以上のスコアを出した13%の被験者は、猫の感情を表情から読み取ることが非常に優れている“キャットウィスパラー”であることが判明した。

 皮肉なことに、この結果は猫好きには限られなかった。特に猫に愛着がない人でも、女性や獣医師の経験を持つ被験者は、猫の表情を認識することに長けていた。更に、高齢者よりも若者の方が確率的に高いという結果にもなった。

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【猫のケアと福祉改善、飼い主との絆を育むことに役立つ】

 猫の表情の読み取りに関するこれまでの唯一の研究は、痛みの表現に焦点をあてたものだったという。

 しかし今回の研究では、恐怖や欲求不満など猫のネガティブな感情状態とポジティブな感情状態の評価を広範囲で検討したものとなり、その結果は国内外のメディアで取り上げられるほどの反響を呼んだようだ。


 メイソン教授とニール教授は、今回の調査結果を次のように説いている。

一般的に、女性が男性よりもスコアが高いという事実は、過去の人間と犬の研究において女性が感情の非言語的表示の解読に優れているように見えることを示した結果と一致しています。

必ずしも、猫好きな人が高スコアを得られるとは限らないところが驚くべき点ですが、猫の表情を読むことに優れている人がいるという発見は、他の人も訓練でそうなれる可能性があるということを示唆しています。

これは、猫と飼い主の絆を深めるだけでなく、猫のケアと福祉を改善することにも役立つ非常に重要なことです、


【自分がキャットウィスパラーかどうか判断できる簡易テスト】

 ちなみに、自分がキャットウィスパラーなのかどうかを判断できる簡易版のチェックテストが公開されている。

 猫飼いの人はやってみるといいだろう。

Cat Faces Quiz | catfaces
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 上の画面が出てきたら赤茶色の矢印アイコンをクリックすると問題に入る。
問題は猫の映像付きで、猫の表情を見ながらそれが「Positive(機嫌が良い) Negative(機嫌が悪い) I don’t know(わからない)なのかを判断しクリックする。

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 クリックすると映像の左下に正解が表示され、理由がその下に表示される。簡単な英語なので気軽な気持ちでやってみよう!

References:news.uoguelph.caなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:猫の表情から気持ちを読み取れる“キャットウィスパラー”は約10人に1人存在する※簡易チェックテスト付き http://karapaia.com/archives/52285442.html