永谷園が2020年から推進している「めざまし茶づけ企画」をご存じでしょうか。これは、「子どもがグズグズして朝ごはんを食べてくれない…」という子育て中の社員たちの声から始まった企画で、朝が苦手なお子さまでもササっと手軽に食べられる食事として、お茶づけを提案しています。


しかし、なにも私たちは「お茶づけは朝ごはんに最適!」ということを伝えたいわけではありません。手軽なお茶づけで朝ごはんを食べること自体のハードルを下げ、元気に1日をスタートしてほしいという思いが原点となっています。

「めざまし茶づけ企画」発足以降、これまでたくさんの子どもたちや子育て中の方々と直接お話しする機会を多く設けてきました。

そうした中で、「子どもたちがより楽しく、おいしく食べられるお茶づけを開発したい」「親御さんも安心して子どもに食べさせられる商品でありたい」という思いから、2024年春に新しいお茶づけの素を発売いたします。 

今回は「めざまし茶づけ企画」始動の背景や社内横断型チーム「子育てプロジェクト」にも触れながら、新商品開発の裏側を開発責任者の福田 聖衣が語ります。

“朝が苦手なお子さまに...“朝ごはん提案「さけ青菜茶づけ」「たらこわかめ茶づけ」「クリーミーカレー茶づけ」新発売PR TIMES×

「めざまし茶づけ企画」始まりのきっかけ

昨今、ライフスタイルや働き方の多様化も拡がり、朝ごはんのあり方も変化しています。

昔のような、焼き魚とおみそ汁と白米…といった定番は出番が少なくなり、家族の生活スタイルに合わせて、それぞれが選んだものを、それぞれの時間で食べることが当たり前になってきました。


加えて、共働き世帯も増えたことで、時間と手間をかけて朝ごはんを準備することがそもそも難しいケースも多くあります。

しかし昔も今も変わらず、子どもはなかなか朝ごはんを食べてくれません。弊社の中でも、子育て真っ盛りのママパパ社員と、子どもが大きくなったベテラン社員の中でも「あるある」の悩みとしてよく話していました。

子どもが朝ごはんを食べない理由として、例えば食べたいものが毎日ころころ変わったり、朝起きられず時間がなかったり、そもそも朝は食欲がなかったり、子どもによっても三者三様。

しかし子どもにとって、朝ごはんを食べないことによる影響は身体的にも精神的にも良くないということは、誰もが知っています。

長年「食」に携わってきた永谷園としても、こうした課題解決に向けてなにかできないかと考え、「めざまし茶づけ企画」が始まりました。


「めざまし茶づけ企画」から生まれた、子育て社員が集まるチーム

先ほどの「子育て真っ盛りのママパパ社員と、子どもが大きくなったベテラン社員」の会話は、実は雑談の中で生まれたものではなく、社内の特別チームの中ででてきた話です。

このチームこそが、「めざまし茶づけ企画」から生まれた社内横断型のチームで、私たちは「子育てプロジェクト」と呼んでいます。

このチームは、子育て中の社員総勢15名※で構成されており、部署を横断した全社的な取り組みです。活動内容としては、子育て中ならではの気づき―たとえば「商品をスーパーで選ぶときに、親目線でどこに注目しているのか」「子どもの好き、嫌いな食材」「苦手な食材を食べるようになったきっかけ」「みそ汁をどのようなシーンで、どの程度の頻度でだしているか」などを共有しあっています。より具体的で詳細な食卓事情がみえることで、商品開発や販売戦略などあらゆる施策のヒントに繋げられるよう試みています。

他にも永谷園を応援してくださっている、子育て中のお客様と交流し、生活者と直接意見交換できるようなファンミーティングを開催しています。

実は私もメンバーの一員なのですが、子育て中のメンバーが集まっていることもあり、近しい悩みを抱える社員同士のコミュニケーションの場にもなっているなと感じています。


※2024年 1月時点

「子どもが朝ごはんをなかなか食べてくれない…」子育て中の社員の声から始まった、「めざまし茶づけ企画」が3周年。食欲がなくても食べやすい、子ども向けの「お茶づけの素」誕生の裏側とは


子育てプロジェクト 一部メンバー

「めざまし茶づけ企画」の裏側の思いと、活動の歴史

子どもが朝ごはんを食べない理由はさまざまですが、私たちがまずできることは、子どもが食べたくなるような朝ごはん用の商品を開発するのではなく、そもそも「食欲がわかない」子どもたちに向けて、「朝ごはんにお茶づけを」という提案をすることから始めました。

「食欲がわかない」というのは、料理の好き嫌い以前の問題。

「朝はパンが食べたい!」と思うことができていれば、パンを食べていただいて問題ありません。しかし、そもそも「食欲がわかない」ときには、せめてなにかお腹に入れてほしい。

そこで、サラサラと食べやすく、準備も手軽なアイテムの一つとして「お茶づけ」を提案しよう、という思いから「めざまし茶づけ企画」が発足しました。

■「めざまし茶づけ企画」の年間スケジュール

<時期・活動内容>

3月

全国47都道府県の年長園児向けにお茶づけのサンプリングを実施。翌月4月から新1年生となり、生活リズムや生活環境が大きく変化し期待と不安を抱える中、朝からお茶づけで元気に過ごしてほしいという思いから始まりました。


  • 3月・8月
春休みと夏休みには、「子育てプロジェクト」による親子でめざましファンミーティングを実施。親子でお茶づけに触れ合うイベントとして、オンラインで全国の親子に楽しんでもらっています。

  • 9月
生活リズムが切り替わる新学期に、全国47都道府県の小学校で「朝食の大切さを学ぶ授業」を実施。朝ごはんに対する悩みが多い小学校低学年(1~2年生)に向けて、朝が苦手な子どもたちにも朝ごはんを楽しみながら食べてもらうきっかけづくりをしています。

このように、子どもたちに食体験だけでなく、「食育」の観点から朝食の大切さを伝える授業まで幅広く活動を続け、これまでに約52万人の子どもたちとコミュニケーションをとることができました。(2024年3月時点)

子どもたちからは、「朝ごはんの大切さを知れてよかった。」「お茶づけを食べたくなった!」といった声や、ママパパからも「小学校入学直後、緊張からか朝食が進まなくなっていたが、お茶づけなら子供も食べやすいようでしっかりと食べてくれて安心しました。」「偏食で大変な下の子ももりもり食べてくれてビックリしました!」などのお声を多くいただきました。


新商品 「朝専用 子ども向けお茶づけの素」開発の背景

「子どもが朝ごはんをなかなか食べてくれない…」子育て中の社員の声から始まった、「めざまし茶づけ企画」が3周年。食欲がなくても食べやすい、子ども向けの「お茶づけの素」誕生の裏側とは


「めざまし茶づけ企画」は今年で4年目をむかえます。この企画を進める中で、私は子どもたちがより楽しく、おいしく食べられるお茶づけを作りたい、もっとお茶づけを身近に感じてもらいたいと考えるようになりました。

「子どもが食べたくなるような朝ごはん用」の商品を開発するフェーズに移行したとも言えます。

開発にあたっては、社内の「子育てプロジェクト」チームと、メンバーの子どもたちにも協力してもらい、ママパパ目線と子どもたちの目線両方を取り入れた商品を目指しました。この商品のポイントは、大きく分けて3つあります。

①子どもが食べたい!と思える味わい

子どもの好みは子どもに聞くしかない!ということで、実際に子どもたちに試食をしてもらいながら、率直な意見を集めました。

例えば、「この具材は苦いからちょっと苦手…」「普通のお茶づけとあまり変わらない」などの意見もあり、開発者である私もうなる鋭い指摘もありました。


また、お茶づけでは珍しいカレー味のメニューは、お客さまからも人気が高かった、お茶づけにカレー粉を入れるアレンジレシピをヒントに作りました。カレー味の方向性を決めるにあたり、カレーうどんのような「出汁」を効かせた味わいか、「クリーム」を効かせたまろやかな味わいか迷いました。そんなときも実際に子どもたちに食べ比べしてもらい、より好評であったクリームを効かせた「クリーミーカレー」に決まりました。子どもたちから1番人気のメニューです。

②「今日はどれにしようかな」と選ぶことが楽しくなる仕掛け

お茶づけの小袋に迷路やクイズなどを描き、楽しく選べるような仕掛けを作りました。これはママパパ社員の意見を参考に、子どもたちに喜んでもらえるようなコンテンツを12種類準備しました。漢字クイズや回文などの具体的な内容は、実際に社員メンバーの提案を採用しています。キャラクターも可愛く、朝から気分があがるようなデザインです。

「子どもが朝ごはんをなかなか食べてくれない…」子育て中の社員の声から始まった、「めざまし茶づけ企画」が3周年。食欲がなくても食べやすい、子ども向けの「お茶づけの素」誕生の裏側とは


③ママパパも安心して食べさせられる、素材や配合

ママパパ社員たちから「少しでもいいから野菜が入っていると嬉しい」「子供に合った塩分量だと安心」などの声もあがり、商品には青菜やわかめ、オニオンをそれぞれ入れ、塩分はお子さまが1日3食このお茶づけを食べても問題ない量を基準に、おいしい品質を目指しました。

「子どもが朝ごはんをなかなか食べてくれない…」子育て中の社員の声から始まった、「めざまし茶づけ企画」が3周年。食欲がなくても食べやすい、子ども向けの「お茶づけの素」誕生の裏側とは


「めざまし茶づけ企画」の今後

「めざまし茶づけ企画」は、小学校での朝食授業や年長園児向けサンプリングなどの体験施策を続けることで、子どもたちに朝ごはんの大切さを伝えていきたいと考えています。

また子育て中ならではの視点を、お客様とも直接意見交換できるよう、「ファンミーティング」開催にも一層力を入れてまいります。そうした活動を通して、子どもたちがさらに「お茶づけ」を楽しくおいしく、食べてもらえる機会を創出して増やしていきたいと考えております。

 

改めてではありますが、私たちは「朝ごはんにお茶づけが最適!」ということを伝えたいわけではありません。グズグズして朝ごはんをなかなか食べてくれないお子さまに、「お茶づけなら食べてくれるかも!?」くらいの気持ちで、まずは取り入れてもらえたらと考えています。

食欲があって、他のものが食べたいときは、それをもりもり食べて元気に学校に行ってほしい。もしくは食欲もあって、この子ども用のお茶づけが食べたいと思ってくれたときは、好きな味や、気に入ったパッケージを選んで、楽しくおいしく食べてもらえたらと思っています。

そしてママパパにとっても、手が込んだ料理でなくても、「お子さまが朝ごはんをちゃんと食べてくれただけで、素晴らしい!」と伝えたいです。野菜や海藻も入っているので、安心して与えてもらえたらと思います。

子どもたちにとっても、ママパパにとっても、無理なく、負担なく続けてもらえるような選択肢として「お茶づけ」がそばにいられるように、「めざまし茶づけ企画」はこれからも邁進してまいります。