【ヒューストン(米国)30日=金川誉】

北中米W杯決勝トーナメント1回戦でブラジル代表(FIFAランク6位)に1―2で敗れ、32強で姿を消した日本代表が、激闘から一夜明け、滞在先のヒューストンで選手たちが取材に応じた。アーセナル時代の2024年5月20日以来、2年ぶりのフル出場を果たした冨安健洋は、すでに試合映像をチェック。

後半アディショナルタイムに喫した決勝失点シーンを振り返り、悔しさをにじませた。

「ゲーム勘のところ、本当に研ぎ澄まして、究極のビッグゲーム、ビッグモーメントのところで、力を出しきれなかったのは、この2年間のツケがあそこで来たんだろうなっていう感じですかね」

失点の端緒は自陣でのボールロストだった。中央でMFギマランイスにボールが渡った際、対峙したのは冨安。そこからFWマルチネリにラストパスを通され、勝負を決する一撃を許した。

「いい時であれば、あれも確実に対処できた。あのワンシーンだけを切り取ってみても、本当に駆け引き負けしたというか、力不足を感じた。でも自分の判断であのプレー選択をして、間に合わなかったんで。ただ力不足。もし日常が違って、ああいうシーンが毎日毎日あるような環境であれば。実際、アーセナルの時はそこにいたと思っています。であれば、問題なく対処できたシーンだったと思うので」

冨安は中央でギマランイスと対峙した際、シュートコースを消す選択をした。しかし、ラストパスのコースまでは封じきれなかった。

「本当に(調子が)いい時は、どうせパスするでしょって思っている。だから、こう(シュートブロックに)行きながらも、こっち(パスコースを切る方向に体重を)に乗せているんですよ」

右膝の度重なる負傷により、25年7月にアーセナルを退団。半年間の無所属期間を経てアヤックスへ加入し、今大会で約2年ぶりの代表復帰を果たした。1次リーグのチュニジア戦、そしてこのブラジル戦と先発でピッチに立った。苦難を乗り越えて迎えた今大会だった。

「結果がついてきていないので、出し切ったっていう言い方はちょっと避けたいんですけど、自分の意志で全力でプレーした。その中でシンプルに力不足を感じることができた。(負傷で)1年半ぐらいサッカーやってなかったので、サッカーできる喜びを感じてました。サッカーができていることが当たり前じゃないっていう、キャリアの中で第2章が始まるタイミング。なんでそういう意味では未来を見てるかなと思います」

敗戦の現実を受け入れ、冨安の心には「より厳しい環境に自分を」という強烈な渇望が芽生えた。

「現代サッカーで、群を抜いて、レベルが高いのはプレミアリーグ。実際そこにいたこともあって、厳しさっていうのはもちろん知っている。

まだチャンスがあるかわからないですけど、考えうる中で一番厳しい環境っていうのは、そこなんだろうなっていうのは、試合後に思いましたね」

昨季限りでのアヤックス退団が決定している。32強という結果に終わった今、冨安は再び世界最高峰のプレミアリーグ復帰を視界に入れ、新たな戦いへと足を踏み出す。

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