“かぎしっぽ”の猫、どうして生まれる?
かぎしっぽの猫、最近見かけることが少なくなったような
昔近所で、かぎしっぽ(豚のしっぽのようにねじれたり、曲がっているしっぽ)の猫をよく見かけた。今ではあまり見かけることは少なくなったが、何かに引っかかっているような不自然なしっぽの形が印象的で、とても愛嬌があった。


ところでこの“かぎしっぽ”、どうして起こるのだろう? 日本にいる雑種の猫だけではなく、他の国の猫にもいるのだろうか? 高円寺アニマルクリニックの高崎一哉先生に話を聞いてみると、
「日本猫の雑種に多いようですが、他種の猫にもいるようですね。僕自身が以前に飼っていたアビシニアンも、しっぽが曲がっていました。
かぎしっぽやしっぽの変形について、そのメカニズムははっきりとわかっていません。ただ一般的には、しっぽが短い猫と長い猫といった、違うしっぽの遺伝子をもった猫がかけあわされることで、しっぽが変形してしまう……という、遺伝子的な問題が原因なのでは、と言われています」

なるほど、やっぱり原因は謎だった……。とはいえ、猫の健康を考えた場合、何か問題や注意するべきことは、あるのだろうか?

「猫の健康に、ほぼ影響はありません。それが原因で起こる病気もなく、かぎしっぽだからといって何か注意しなくてはならないこともありません。
ただ、見栄えがあまりよくないと思う人が多いため、ペットショップ等で、そういった猫が見られる場合は、ほとんどないと思います。かぎしっぽは、猫にとっての個性やパーソナリティのひとつとして見るポイントだといえますね」

日本では昔、化け猫になることを恐れ、しっぽが短い猫が人気があったり、オスの三毛猫は福を招くと重宝されていたりと、時代や風習、土地柄によって愛される猫も違っていた。とはいえ、いつの時代でも“クールで”“思わせぶり”な態度で、人間とともに生活する動物として猫は愛されてきた。そんな姿勢に惚れる“猫好き”のひとりとして、日々路地裏や道端で出会う猫との遭遇にワクワクしている。ちなみに、かぎしっぽの猫に出会えた日は、その珍しさの分だけ“ラッキーデイ”なのかもしれない。
(武田由紀子)

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