そしてこの前、こんな講義を受けに行ってきた。その名も「キッコーマン『容器』おもしろゼミナール」。
これは、言わずと知れたメジャー企業・キッコーマンが、報道関係者を対象に様々なテーマで不定期(年1~2回)に講義を行っているもので、9月9日には食品の「容器」に焦点を当てた講義を開催。それに、せんえつながら私も参加してきました。
場所は、キッコーマン東京本社。教室に入ると、前にはキッコーマンの社員の方々が。今回、講師を務めてくれるのは購買部・商品開発本部の桑垣傳美さん。入社以来、“容器一筋”で開発をしているという、完全に専門家! プロフェッショナルから、滅多にない貴重なお話を伺いしました。
ちなみに、日本で初めてペットボトルを導入したのはキッコーマン。その後、ジュースなどの飲料にペットボトルが利用されるようになったというから驚き!
そして突入した講義だったが、内容が盛りだくさん。その中でも印象に残った個所をいくつかご紹介。
まず1枚の紙を渡された。
またペットボトルの口に、白いものと透明なものがあるのを覚えているだろうか? この2種類のペットボトルに熱湯をかける実験。すると、口が白い方にお湯をかけても変化は無しだったが、口が透明な方にお湯をかけて押しつぶすと簡単に変形。要するに、口が白い方は比較的高温で充填する食品や飲料が詰められており、一方、口が透明な方には70℃位より低い温度で充填するものが詰められている。口が白い方が熱に強く、透明な口は熱に弱いのだ。
最も印象深かった実験は、ペットボトルの再利用法。ペットボトルをバーナーで溶かし、溶けた部分を鉄棒に付けて引っ張ると細長い糸ができ、これが面白いように伸びる! 水飴みたいに、教室の端から端まで伸びっぱなし。なんと、この糸でカーペットや服、マンホールのふたなどが作られているという。
こんな情報を教えてもらったら、我々のリサイクル熱も上がる。
実は、今回のような報道関係者向けのゼミナールは数年前から行われており、今までに開かれた講義のテーマは「国産ワイン」、「食中毒」、「植物性乳酸菌」……などなど、その時の旬な話題が取り上げられている。今回のようにキッコーマン社員が講師を務めることもあれば、社外の専門家が講師を務めることも。
では、一般の方々がこのような講義を受ける機会がないのかと言えば、そんなことはない。キッコーマンでは「キッコーマン・アカデミー」と題して、10名以上が参加する団体にキッコーマンの社員が交通費のみで訪問し、講座形式で「食の世界」をわかりやすく教えてくれる。
また、小学生向けに「しょうゆ塾」という活動も実施。キッコーマン社員が扮するしょうゆ博士とアシスタントが楽しく学習を進める、オリジナルのプログラム。小学校の授業そのまま、1コマ45分で醤油についての出前授業を行ってくれている。こちらも、受講料は無料。
キッコーマン株式会社では、食に関する情報・知識・体験を我々に届けてくれる「食育宣言」を2005年5月に行っており、これらの活動に全社をあげて取り組んでいる。
その活動内容も、今回のセミナールの様に手抜きナシの非常に濃いものばかり。「社会に還元することが企業のつとめ」なんて口で言う人はいるが、それをここまで見せつけられると、“醤油の国”の日本人としては心強いことこの上なしです。
(寺西ジャジューカ)