就職をしてから案外困ることのひとつとして、ドレスコードが「オフィスカジュアル」、という件がある。

この春に就職した人たちも、そろそろ研修期間も終わるころ。

各部署に配置されたり本格的な仕事が始まる頃に、「じゃあ明日からはオフィスカジュアルで」と言われて困惑したことはないだろうか。

さてさてそのオフィスカジュアルっていったい何物? と、まず洋服屋さんに尋ねてみると、「スーツほどかっちりとした格好ではなく、かといってカジュアル過ぎない服装ですね」と、何とも曖昧な返答だった。

男性はオフィスカジュアルといいつつもスーツで通せるが、女性の場合「スーツだとカタすぎて嫌われる場合もありますので、もう少しカジュアルさを取りいれて」と、言われる始末。
特に難しいのはこれから訪れる夏。薄着になりがちな夏はどうしたらいいのだろうか。

そこでオフィスで働く女性に、各会社の服装規定について聞いてみたところ……

・サンダル、ミュール、スニーカー不可
・シャツは襟付き
・ジーンズ不可
・露出の多い服装は不可
・もちろん動きやすく仕事のしやすい服装

という規定が、おおむねスタンダードのよう。

では実際に、どんな格好で仕事に行っているのか伺うと、淡い色合いのブラウスや薄手のニットにタイトスカートがメイン。夏でも「薄い格好はできませんので……」と、社内で羽織れるよう地味目なカーディガンを持参する人が多いそうだ。

服を考えるのが面倒くさい場合、「薄手のジャケットやカーディガンを数着と中に着るブラウスを数着用意し、それをローテーションで着まわして」と、洋服屋さんのアドバイス。
「自分の中で会社に着ていく制服、というものを作ってしまうんです」
そうすることで服を選ぶ時間を短縮することができるとのこと。

しかし女性ばかりではない。最近は男性でもスーツが暑くて嫌だ、という声が多い。
クールビズの流れもある。毎年毎年暑くなり、亜熱帯に近づく日本だ。毎日のスーツはいかにも暑い。
とはいえ男性のカジュアルには限度があり、ノーネクタイにジャケット、シャツにズボン……がぎりぎりのライン。
毎朝服装のことを考えるのが面倒になり、結局オフィスカジュアルOKの会社でも結局スーツに戻ってしまうことも。そう考えると、ひとつだけで完成形となっているスーツは、少し暑いものの季節を問わない万能選手だ。
そんなスーツでは「カタすぎる」と言われてしまう女性にとっては、ジャケットなどでごまかしのきかなくなるこれからの時期、悩む季節到来である。

とはいえ会社によって雰囲気も規定も異なる。ジーンズもミュールも派手な服もまとめてOKという会社もある。
周囲の様子をチェックしたり、先輩、上司にそれとなく聞いたりしつつ、本格的な夏が来る前に自分なりのオフィスカジュアルを模索してみましょう。
(のなかなおみ)
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