そばどころ・長野では、家庭でもそばを食べることがけっこう多いが、長野の実家に来た夫・友人などに「冷たいそばに、七味唐辛子を入れるの?」と驚かれたことがある。
確かに、そばの薬味といえば、「わさび」や「刻みネギ」「大根おろし」などという人が多いだろう。
また、「七味唐辛子は香りが強いから、そばの香りを消してしまう」とか「温かいそばには、唐辛子が入っていて血行を良くし、体をあたためる七味唐辛子が合うけれど、冷たいそばにはわさびでないと」なんて人もいる。
だが、我が家では昔から、冷たいそばにも七味唐辛子が欠かせない存在だったし、親戚・友人・知人宅でも、冷たいそばに七味唐辛子をかけている家が多かった。
そば屋さんにも、テーブルの上にはたいてい七味唐辛子が置いてあり、温かいそばだけでなく、冷たいそばにもかけている人をよく目にする。
これって、珍しいことなの? 七味唐辛子の老舗、長野の八幡屋礒五郎・広報担当者に聞いた。
「確かに信州では、いつの日からかはわかりませんが、温かいおそばはもちろん、冷たいおそばにも普通に七味をかけますよね。私自身、ここに勤める前から、ずっと冷たいそばに七味をかけていましたし。おそば屋さんに行くと、たいていテーブルの上に七味唐辛子があり、わさびと両方使う人も多いですよ」
七味をつゆに入れる人のほか、そばに直接かける人などもいるが、
「それはわさびをとくか、とかないかと同じで、お好みによっての違いですよね?」とのこと。
ちなみに、信州そばは、そば粉を多く配合した香りの強いそばのため、七味の香りに負けないという理由もあるのかと思ったが、
「今は東京のおそば屋さんにも七味を置いているところが多いですよね? そばの違いではないと思います」
という。
ところで、一般的には、テーブルの上に七味唐辛子が置いてあり、わさびはそばに添えられてくるという店が多いが、長野市周辺の一部の店では、「まず塩で、希望でテーブルの七味を加えて」「薬味は、大根おろしと刻みネギのみで、わさびは、希望者のみに出してくれる」なんて店もあるほど。…
