2012年の夏は、ロンドンが熱い! オリンピック、ずっと待望していました。
そして、その直前はお台場が熱かった! 皆さんご存知でしょうか? 7月16日に「やきとリンピック」が開催された事を。


これは「全国やきとり連絡協議会」(以下「全や連」)主催により、お台場の「東京カルチャーカルチャー」にて開催されたイベント。福島市(福島県)や東松山市(埼玉県)、室蘭市(北海道)など、同協議会が認定する焼き鳥の全国7大聖地から7つの名店の味が集結し、しかも各店の焼き鳥を盛り合わせで体験できるという試み。
これは、行くしかないでしょう。食べ比べたい! 夏本番に差し掛かろうかというこの時期、焼き鳥で精をつけるため私はお台場へと向かいました。

席に着くと、いきなり差し出された7種類の焼き鳥。これが、今回の精鋭たちだ。
では、1本1本解説していこう。まずは、北海道は室蘭からやって来た「やきとりの一平」による“豚精肉串”。豚肉ロース串と玉ネギを串に刺したものをタレで焼き上げている。これは、「洋がらし」を付けて食べるのがオススメだ。
続いては、北海道の美唄からやって来た「焼き鳥 たつみ」の“モツ串”。頭には肉、真ん中に内蔵(きんかん、肝臓、ハツ、砂肝、玉道等)、根元には皮を刺し、各部位の間には玉ねぎを挟み込んでいる。
それを塩とコショウで味付け、備長炭で焼き上げた。
福島の「鶏料理 鳥安」による“伊達赤鶏もも串”は、極めてオーソドックス。炭によって焼き上げた、王道の焼き鳥である。
埼玉は東松山にある「やきとり ひびき」から提供された“彩の国黒豚特上やきトン串”は、埼玉のブランド豚「彩の国黒豚」の肩ロースと長ネギを刺した串。東松山やきとりには欠かせない「みそだれ」をたっぷり塗っていただく一品である。
山口・長門にある「焼きとりや ちくぜん」による“長州鶏もも串”は、ハーブを食べて育った鶏に長門特産の「ゆずきち胡椒」を付けて食べるのが良い。
福岡は久留米の「鉄砲」から来た“ダルム(豚の小腸)”は、変わり種。久留米の焼き鳥は牛肉・バラ肉を中心に豚肉・鶏肉が混在したスタイルが特徴で、馬肉を使った焼き鳥まであるそうだ。
愛媛・今治にある「世渡」の“鶏皮”は、沢山のバーナーで熱した20ミリ以上もある分厚い鉄板に鶏肉を乗せ、数キロもある重し(プレス)で圧する。短時間で“焼く・蒸す・揚げる”を完了させるため肉に早く火が通り、ジューシーに仕上がる。串に刺さないスタイルでいただくのが、今治流である。

以上の7本、もちろん私はお酒を飲みながらいただきました。
午後3時スタートにもかかわらず。
そうそう。当日のイベントは、なんとハイサワーが飲み放題! しかも博水社の田中社長が、それぞれの焼き鳥に合うハイサワーを提案してくれていたのだ。
・“豚精肉串”は北海道・室蘭という北国にふさわしい「ハイサワー青リンゴ」を
・“モツ串”は塩コショウで味付けされているので、コクのある「ハイサワーグレープフルーツ」を
・“伊達赤鶏もも串”は、日本酒との相性が抜群の「ハイサワー梅」を
・“彩の国黒豚特上やきトン串”は、みそだれにコクがあるので「ハイサワーレモン」を
・“長州鶏もも串”は、ガーリックや唐辛子によってピリッとした味付けとなっている。それと一緒にスカッとしていただくために「ハイサワーレモン」を
・“鶏皮”は、レモンビアー・テイストの「ハイサワーライム」を
・“ダルム(豚の小腸)は、「ハイサワーハイッピー」を
飲んで、食べての宴で、我々は段々と正気を失っていくな……。いい意味のグダグダ状態で、イベントは進んで行きました。

そんな状況に、なんとトークショーが挟み込まれてしまう。正直、誰も聞きやしないんじゃないか? ……と思いきや、へべれけの変なテンションで妙に盛り上がってしまうから不思議だ。ゲストで登場したのは、博水社の田中社長とだいたひかる氏。
「東松山出身なんで、子供の頃から『ひびき』の焼き鳥を食べてたんですよ!」(だいた氏)
夕食のおかずとして「ひびき」の焼き鳥が出されたり、クリスマスパーティのオードブルに「ひびき」のお肉が採用される、かつてのだいた家。同店に心強い応援団が出現したぞ! しかもだいた氏、トークの合間もスキを見つけては焼き鳥をパクついたり、ハイサワーをグイッとやるからたまらない。芸人だ。


そしてイベントのクライマックスとして開催されたのは、商品争奪のジャンケン大会。ここでは焼き鳥の詰め合わせセット(5000円相当)や、博水社の“美尻ポスター”が出品されている。そういや、以前に同社の“美尻カレンダー”を取材したっけ。あれは、ヨカッタ……。
ここら辺りになると、会場のノリは完全に酔いどれ集団。だいた氏が壇上から、お客さと飲み屋のテンションで会話を交わしてしまうのだ。ガード下か、ここは。

結果、当日は焼き鳥1500本が完食。「全や連」理事の音頭による「焼き鳥、チャ、チャ、チャ!」の3本締めで、この夏の「やきとリンピック」は幕を閉じました。
8月10日は「や(8)きと(10)り」で、「やきとりの日」だそうですよ!
(寺西ジャジューカ)
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