……っていうか、皆さん「ミドリムシ」って御存知ですか? これは藻類の一種であり、ビタミン類や必須アミノなど59種類の栄養素が備わったスグレもの。名前からして“ムシ”に思われがちだけど、ムシではありません。
そんなミドリムシにまつわる、新たな情報をキャッチ! 10月から「自由が丘×ユーグレナ」なる企画がスタートしているそうなんです。
これは、自由が丘が街ぐるみで取り組んでいる期間限定(~12月31日)の試み。食用ミドリムシの屋外大量培養に成功している「株式会社ユーグレナ」と自由が丘が手を組み、同地域内9店舗による“ミドリムシメニュー”が展開されていくとのこと。
例えば自由が丘の精肉店「稲毛屋」では“ミドリムシ入り特性唐揚げ”が、イタリアンレストラン「パスタビル Mikiya’s」からは“ミドリムシ入りクリームパスタ”が、タイ料理店「クルン・サイアム×アティック×」からは“ミドリムシ入りグリーンカレー”が、今回の企画による新メニューとして登場するらしく。
そして今回、私はスイーツのテーマパーク「自由が丘スイーツフォレスト」内店舗「パティスリーアンファンス」が提供する『ユーグレナ抹茶チーズケーキ』(ホール:1,500円、カット:400円)にスポットを当ててみたいと思います。
しっとりとしたスポンジにふんわりした食感の石垣産のミドリムシ入り抹茶のスフレチーズを重ね、焼き上げたというこのチーズケーキ。どんなケミストリーが起こったのか、興味深いです。
……というわけで同施設にお伺いし、実際にケーキをいただいてきました。その前に! 同施設による今回の企画への思い、非常に深かったみたいで。
「将来的にこの食材(ミドリムシ)の知名度が上がっていけば、食糧問題だけでなくエネルギー問題の解決にも繋がると思うんです。地球規模で考えると、すごく将来性がありますよね」(「自由が丘スイーツフォレスト」担当者)
だからこそ、より多くの人にミドリムシの存在を知ってもらいたい。「プリン」、「ショートケーキ」と並び、ファンの多いスイーツ「チーズケーキ」とミドリムシの融合には、そんな理由があったそうだ。
そしてミドリムシの知名度アップ達成には、味の構成に気を使う必要もあった。
「今回の目的は、ミドリムシを知ってもらうことでした。よって『ミドリムシの味をどこまで出すか』を最も考えました。“隠す”のではなく、活かしたのです」(担当者)
ただ、やはりミドリムシの味にはクセがある。そこで、良くない部分は抹茶でカバー。結果、どんな味となったのだろう?
それを確認するには、食べるしかないでしょう! じゃあ、いただきます。……うん、美味しい。抹茶のチーズケーキだ。
……と思いきや、後味が普通じゃない。
「最初から未体験の味が主張を始めちゃうと、『何だ、これ!?』ってなっちゃいますよね。後から『これ、何!?』となれば、次の一口を食べてもらえると考えました」(担当者)
この未体験の違和感、意外に悪くないのだ。きっと、普通のチーズケーキそのままじゃ面白くなかったかもしれない。このケーキは、ミドリムシを含んだからこその新鮮な美味しさがある。ミドリムシがプラスに作用した!
事実、お客さんのリアクションはすこぶる良好のよう。狙い通り、ミドリムシの間口を広げる役目を果たしているみたいだ。
「ミドリムシが入っていると知らずに注文される方も多く、『すごく食べやすかったので、言われなかったら何の味かわからなかった!』という声を頻繁にいただいております」(担当者)
また今回の試みには、違った角度からの意義もある。
「今回使用したミドリムシは、当然ながらカフェインレスなんですね。カフェインを摂ってはいけない妊婦さんや、スイーツを止められている方もいらっしゃると思いますが、そのような方々へ新たな提案ができるかも……と、期待しております」(担当者)
ミドリムシの特性を活かした、新たな可能である。
そんな『ユーグレナ抹茶チーズケーキ』、カット(400円)には1250万匹の、ホール(1,500円)には5000万匹のミドリムシが含まれているとのこと。「理論上ではミドリムシだけでヒトが生きていくのに必要な栄養素をまかなえる」と言われているが、今回のこのチーズケーキにはかなりの栄養素が含まれていた。
ミドリムシが含まれているからこそ美味しくなった、この抹茶チーズケーキ。味も栄養素も将来性も、買いです。
(寺西ジャジューカ)