中国では、冷房機器を主力とする家電メーカー「格力(Gree、グリー)」の空調機の爆発事故が相次いでいることが問題になっている。同社はこれまで、自社製品の「品質」を強調してきたが、過去約2年間で、少なくとも5回の爆発が発生していることが分かった。


 格力の広告で最もよく知られているのは「よい空調は、格力が作る」だ。その他、「信用・責任・奉仕・赤字覚悟」や、「消費者を、実験台にはいたしません」などのフレーズも有名だ。

 2009年1月27日には、河北省滄州市の住宅で室外機が爆発。同社は、交換の条件として、使用者に「空調機の品質問題で発生した爆発ではなかった」との文面に署名させた。

 同年7月3日には広東省河源市で、同社製空調機を修理していたところ爆発。作業員2人が負傷した。2010年6月29日にも、重慶市内で修理中の同社空調機の室外機が爆発。作業員1人が負傷した。

 同年7月11日には、山東省済南市の住宅で、買ったばかりの同社製空調機をつけたところ、「冷房」にセットしているのに熱風が吹き出し、しばらくして爆発した。

 同年7月30日には、四川省綿陽市内の住宅で、同社製空調機が爆発し、1家3人が負傷した。

 爆発した空調機が「ほとんど鉄枠しか残らない」状態になり、原因解明もできないケースもある。

 消費者団体のまとめでも、空調機部門での「格力」に対するクレームは第1位。
メディアでも「末路の状態か」、「消費者を実験台にしていた」などと同社を批判する記事が増えた。

 チャイナネットによると、格力は3月1日「購入して1年以内に品質問題が発生した場合には無料交換、10年以内の場合には無料修理」との新方針を発表した。信用失墜という「非常事態」の打開策とみられる。

 中国における空調機の購入後1年内の故障発生率は60%以上とされている。(編集担当:如月隼人)

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