海洋研究開発機構の研究グループは2010年9月、深海探査船を用いて、沖縄本島から北西150キロの中部沖縄トラフの水深1000メートルに存在する深海底熱水活動域で、直径50センチ、深さ45メートルの人工熱水噴出孔を4カ所作った。
噴出孔からは熱水が湧き出ており、付近にはマグマに含まれる鉱物資源が堆積していた。ある噴出孔では16カ月間で堆積物が11メートルに達したが、自然界でこれほどの高さの堆積物を作り出すには数十年から数千年もかかるという。
研究グループは無人探査機を使用し、堆積物を採取・分析した結果、堆積物には閃亜鉛鉱、方鉛鉱、ウルツ鉱、黄銅鉱などの鉱物資源が含まれていることが分かった。
研究グループによれば、海底下の熱水だまりを掘削し、人工熱水噴出孔を作り出すことによって、極めて低いコストで鉱物資源の回収が実現可能だ。(編集担当:及川源十郎)