観光立国を目指す日本だが、これまでの成果が着実に現れているようだ。2016年の訪日外国人数は2400万人を超え、5年連続の増加となった。
特に中国人旅行者はこの数年で激増し、今では年間600万人を突破するまでになった。

 その一方で、中国を旅行で訪れる日本人はそれほど多くなく、ここ数年は減少している。これについて、中国メディアの今日頭条はこのほど、「多くの中国人が日本を旅行で訪れているのに、観光資源の豊富な中国を訪れる日本人が多くないのはおかしい」として、その理由を議論する記事を掲載した。

 寄せられた意見で多かったのが「魅力」の問題という意見だ。日本はきれいで治安も良く、食事もおいしく、整備された娯楽施設も多く、見識を広めるのに役立つ先進国でもある。その日本に行ってみたいと思う中国人が多いのは自然なことだという。


 日本にとって中国は、物価の安さや距離の近さ、日本文化の起源という魅力があったが、日本経済の低迷と中国の物価の上昇、政治的理由などにより魅力がなくなってしまったという意見が多かった。また、「価値観が西洋に近い日本人は中国に興味がない」、「日本人が好きなのはハワイ」という意見もあった。

 しかし、そもそも「訪中日本人は少ない」のだろうか。これに疑問を呈する意見も見られ、日本人は中国人と似ていて目立たないだけで少なくはないという人もいた。実際、2015年に訪中した日本人の数は約250万人と、決して少ない数字ではない。また、中国の人口の10分の1にも満たない日本人と数で比較するのには無理があるという意見もあったが、もっともなことである。


 寄せられた意見を見ると、一部の愛国者を除けば、全体的に冷静な分析と反省の内容が多かった。ここ数年、訪中日本人数は減少しており、これは上記の理由のほかにも、数年前の暴徒化した反日デモや、食品安全の問題、大気汚染問題など、中国に対するマイナスイメージが多いことと関係があるに違いない。

 日本は2020年までに訪日外国人数を4000万人にまで増やすことを目標に掲げており、そのための環境整備やプロモーション活動を精力的に行っている。中国も日本人観光客を呼び込みたいなら、まずは反日的な政策や環境整備を見直すのが先決ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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