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『名探偵コナン』には『機動戦士ガンダム』へのオマージュがたっぷり。赤井は、“赤い彗星”シャアを、安室はアムロを想起させるキャラクターだ。それをシャア役の池田、アムロ役の古谷が演じてしまうのだから、ニヤリとせずにはいられない。テレビ版への登場は赤井が先だったが、池田はこう振り返る。「赤井秀一として15年くらい前から作品に出させてもらっていて。最初はね、どこかで聞いた名前だなと思ったんです。でも偶然なのかなと、深くは詮索しなかった。やっていくうちに薄々わかったんですが、安室くんまで出てくるとは思わなかったのでね。僕としては懐かしいというか、お友達ができたみたいな感じがしてうれしかったです」。
古谷は「赤井秀一が出ているのは知っていましたから、いつか来るだろうという思いはあって。いただいた役名が安室透ですからね!」と大きな笑顔。両作品の繋がりについては、「めちゃくちゃうれしいです」とコメント。「赤井と安室の名前にしたってそうですし、2人は確執があって対立している間柄。青山剛昌先生がガンダムファンだというのはわかっていたんですが、鳥取にある先生の記念館に行ったら、学生時代の先生がシャアのコスプレをしている写真が飾ってあって。ここまで好きだったのか!と。アムロじゃなくて、シャアなのでちょっと嫉妬しました(笑)」。
37年前から伝説的キャラとしてライバル関係を演じてきた2人。本作での赤井と安室の格闘シーンのアフレコでは、「ずっとライバル関係として対峙させてもらっていますから、もう気心もしれていて。どんなパンチも受けてくれると分かっているのでやりやすいですよ。赤井に右ストレートを出すときに思わず“シャアー!”って言っちゃいました」と古谷。一方の池田も「パンチが当たるとね、なんかイラっとしちゃうところがあって。
すると池田は「アムロとシャアの距離感を演じる上ではそれもちょうどよかったんです。それから15年、20年と経ってから一緒に飲むようになって色々な話もできるようになった。2人にとっても新たな時期を迎えているときだったので、今回の対決は“よし、やっちゃうぞ。このやろう!”ってね」と、まさに機が熟した時だったと話す。古谷は「『ガンダム』から派生して、こうしてまた共演できたことに感謝しています。『ガンダム』はまだ続いていて業界でも稀有な作品になっているし、声優界の中でも僕たちの関係が唯一のものになりつつある」と心を込める。
古谷が「僕たちは強運なんです」というと、池田は「“私はよくよく運のある男だと思います”という感じがします。切磋琢磨していきたいですよ」とシャアの名台詞をもじりつつ、同意。穏やかな微笑みが絶えない姿からも、築いてきた絆がひしひしと伝わるインタビューだった。(取材・文・写真:成田おり枝)
『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』は4月16日(土)より公開。