俳優の藤原竜也と女優の鈴木京香が、森村誠一原作『人間の証明』のドラマ化で共演することがわかった。本作は、孤高の刑事・棟居という名キャラクターを生み出し、最も有名な森村氏の代表作として、松本清張の『砂の器』(1961年)と双璧をなす“昭和を代表する名作ミステリー”。
41年前にベストセラーとなり、現在までに単行本・文庫本で累計770万冊以上を売り上げている。

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 『人間の証明』の舞台は、昭和49年の東京。ある日、ホテルの最上階に向かうエレベーターの中で1人の黒人青年が息絶え、頬には一筋の涙が伝っていた。同じ日、最上階では、高名な美容家の八杉恭子(鈴木京香)によるパーティーが開かれていた。現場に駆け付けた麹町東署の棟居弘一良(藤原)は、本庁捜査一課の横渡伸介(緒形直人)とともに捜査を開始。その後、青年の名前がジョニーであることが分かり、ジョニーが死に間際「ストウハ」という謎の言葉を残していたことが分かるが…。


 母親に捨てられた過去を持ち「母性」に対する不信を抱く棟居刑事役に藤原。家庭や地位、名声を守るために「母性」を捨てた美容家の八杉恭子役を鈴木が務める。2人の共演はNHK大河ドラマ『新選組!』(2004年)以来13年ぶり。藤原は「台本を読んでいるときから、京香さんが演じる八杉恭子に会えるんだと、ずっとうれしかった」と喜び、鈴木は「この13年で藤原君はどういうところが変わったのか、お相撲のがっぷり四つのように、しっかり向き合ってお芝居したい」と、久しぶりの共演に意欲を見せている。

 また、藤原は「大変失礼な話ですが、僕は『人間の証明』の映画を観たことがなかったんです。その話を監督にしたら、「俺はこの先、一切観ずにこの作品を撮る。
だから藤原も観るんじゃない」と言われました」と笑顔で明かし、鈴木は「私が小学生の時に『人間の証明』の映画が大ヒットしました。映画では岡田茉莉子さんのお母さんぶりが強烈で、印象に残っています。今回はその役をやらせてもらうということでとても感慨深いですし、すごく楽しみにしております」と語っている。

 ほかにも棟居と行動を共にするベテラン刑事に緒形直人、昔の恭子を知る老女役に草笛光子、捜査の全権を握る捜査一課キャップ役に宅麻伸など、重厚な作品にふさわしい実力派の役者が顔をそろえる。

 テレビ朝日系ドラマスペシャル『人間の証明』は2017年春放送。