面倒くさいと思うことは、誰もがもったことのある感情であるはず。しかし、これが趣味以外のことは全て面倒くさい。このように考えるようになってしまうと「めんどくさい・かったるい症候群」の恐れがあるのだ。
『現代型うつ病予備軍「滅公奉私」な人々』(牟田武生/著、ワニブックス/刊)では、「めんどくさい」「かったるい」若者たちの心理の本質に迫る。
ゲームなどのかなり特定された趣味以外のことは全て面倒くさい、かったるい。
学校も仕事も面倒くさいし、友達づきあいもめんどくさい。恋愛もかったるい、食事するのも面倒くさい。
このようなメンタリティになんら危機感を抱かない。あらゆることに対して「私事化優先」。このような若者のことを著者の牟田氏は「めんどくさい・かったるい症候群」と名付けた。「めんどくさい・かったるい症候群」は、自分の存在を社会の中で示す必要性を感じず、そもそも人生の生きる価値観をそこに置いていない。個と社会の間にある概念をもたないのだ。
このような「めんどくさい・かったるい症候群」の傾向がある人は意外に多いのかもしれない。
・自分の部屋が乱雑でしばらく掃除をしていなく、掃除をしなければと思うけれど体が動かない。
・休みの日に特にやりたいこともなく、ダラダラ過ごしてしまう。
・会社の人と仕事以外でつきあう気にならない。
・異性とのつきあいにあまり興味が持てず、本音で言えば自分しか愛せない。
・自分の好きなことや趣味をひとりでやっていることが一番楽しい。
思い当たる節はないだろうか。ただし、もし当てはまっても悲観する必要はないという。自分に多少なりとも危機感を感じ、自分を変えたいと思えるのであれば、病状は決して重くはなく、変わるチャンスは十分にある。まずは、自分をとりまく身近な環境を変えてみること。例えば先延ばしにしないで、自分の納得いくまで掃除をしてみる。
「めんどくさい・かったるい症候群」は私事化優先社会の中で、今や誰でも陥る可能性のある症状だ。普段の自分を振り返ってみて、思い当たるふしのある人は、今日からでも意識を変えて生活することが大事だろう。
(新刊JP編集部)