今世紀に入ってから、ジャニーズ事務所は新グループを乱発している。タッキー&翼から始まり昨年のジャニーズWESTまで、実に10組以上がメジャーデビューしている。

テレビ局関係者が話す。

「たしかにジャニーズ所属のタレントが番組に出ると、視聴率は上がる傾向にあります。グループにもよりますが、10代と40~50代の数字がグンと跳ねるのです。昨年の『第65回 NHK紅白歌合戦』や『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)はジャニーズグループばかり出演したことが批判を呼びましたが、ジャニーズが出ていなかったら確実にもっと低い数字になっていたでしょう。テレビ局にとって、ジャニーズは欠かせない存在なのは間違いありません」

 ただし、あまりにグループが増え過ぎたため、各局とも悩みを抱え出しているという。

「当然ながら、バーター取引のようなものはあるわけです。
となると、あまり売れていないタレントを当てられる場合も出てくる。バラエティやドラマに少しずつ出ながら、ポジションを見極めて行くようですが、SMAPや嵐のようにメインを張れるようなグループが育っているとは言い難いです」(同)

 昨年、ジャニーズ事務所所属タレントの主演ドラマの全話平均視聴率を見てみると、木村拓哉(SMAP)の『HERO』(フジテレビ系)が21.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)を獲得している。だが、それ以外で2ケタに乗ったのは3作のみ(NHK大河ドラマは除く)。関ジャニ∞の錦戸亮が主演を務め、『あまちゃん』(NHK)以来となる宮藤官九郎が脚本を担当した『ごめんね青春!』(TBS系)は期待されながらも7.7%に終わった。

「関東地区において関ジャニ∞は厳しい状況です。錦戸のほかにも、昨年は大倉忠義が『Dr.DMAT』(TBS系)、丸山隆平が『地獄先生ぬ~べ~』(日本テレビ系)と、メンバー7人中3人がドラマ主演を務めました。
しかし、前者は6.9%、後者は10.2%と振るわなかった。『地獄先生~』の数字は昨今の連ドラを考えればそこまで悪くはないですが、原作の浸透度や日テレの土曜夜9時台という事情を鑑みれば、もっと獲らないといけない。そもそも、日テレの同枠は“ジャニーズドラマ枠”という側面が強いため、丸山にお鉢が回ってきたのです」(別のテレビ局関係者)

 ドラマに限らず、バラエティでも関ジャニ∞は関東地区で苦戦している。

「土曜ゴールデン帯の『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系)も、最近は1ケタが目立っており、6%台まで落ちた日もありました。カラオケ対決の企画もマンネリ化しつつあるし、今春には抜本的な改革が必須でしょう。昨年12月には、関ジャニ∞が数字を獲れないと印象付けた出来事がありました。
毎週MCが替わる日曜夜のジャニーズ番組『トーキョーライブ22時』(テレビ東京系)で、関ジャニ∞の安田章大が担当した12月21日に、1.3%を記録してしまった。いつもよりかなり低いです。同時間帯の『科捜研の女』(テレビ朝日系)が14.8%を獲っていますが、そこまで突出した数字なわけではないので、裏番組を原因にもできない。そもそも、昨年9月までの『ソロモン流』は4~6%台でしたから、毎週3%くらいでは失敗でしょう。テレ東としては、ジャニーズとの結びつきを強くしたいがための新番組ですから、そこまで数字は気にしていないでしょうけれど……。この番組を始めることで、特番などにジャニタレが出てくれるというプラス材料がありますからね」(同)

 いくらジャニーズが視聴率を獲れるからといっても、あくまで一部のタレントだけ。
あからさまなバーターは視聴者離れを起こすだけだろう。
(文=編集部)