5月13日、警視庁は、芸能プロダクション、センディング元社長の田代仁ことベレン・オリバー・オリベッティ容疑者(37、フィリピン国籍)を児童福祉法違反(自己淫行)容疑で逮捕した。

「じゅんな~!」

 女性の名前らしき声を上げながらおどけるオリベッティ容疑者――。

別の映像では、カメラの前で奇妙なポーズを取り能天気な表情をみせる。同容疑者が動画アプリ「Vine」に投稿した動画だ。「田代仁」と名乗り、Vine上のプロフィールでは「東京ファッションコレクション(TFC)の総合プロデューサーです。最近ではフジテレビドラマ『ファーストクラス』の監修もしました」などとアピールしている。

 警視庁によると、オリベッティ容疑者は昨年9月、東京・目黒区のマンションで当時中学3年生の女子生徒に「モデルになるためにみんなしている」などと迫り、わいせつな行為に及んだという。

「女性向けファッション誌やファッションイベントを手掛ける自らの立場を利用し、同様の枕営業 まがいの犯行を繰り返していた可能性が高い。今後の捜査の中で、余罪を追及していく」(捜査関係者)

 オリベッティ容疑者が手掛けたファッション誌には、モデルでタレントのSも登場しており、一部メディアが2人の親密ぶりを伝えている。

「もともとはスカウトの世界から芸能界に入ってきたようだ。一度、大きなトラブルを起こして業界から姿を消したが、いつの間にか舞い戻ってきていた」(同容疑者を知る芸能関係者)

●地元では有名なワル

 世田谷区の高級マンションでモデルと同棲するなど羽振りのいい生活を送っていたというオリベッティ容疑者。いかにして芸能界に入り込んだのか、その経歴には謎が多いが、一部では存在がよく知られた有名人だったという。

「ニュースであいつの顔と名前を聞いてピンときましたよ。『あのオリバーだ』って」

こう語るのは都内に住む会社員男性だ。
約20年前、男性の地元である岐阜県では、オリベッティ容疑者の悪名が轟いていたという。

「オリバーは高校生のとき、岐阜でチーマー軍団を率いていました。『ノース』というチーム名で、岐阜駅前のパルコにいつも4~5人でたむろしていた。目立つ格好をしたやつを見つけると、誰彼かまわず絡んでいたので、『キレたら何をするかわからない』といわれ、同世代の人間なら知らないやつはいないほどでした。テレビのオーディション番組でデビューし、今は個性派俳優として活躍するOも、オリバーの被害に遭ったと噂されています」

「タンクトップにバンダナがお決まりのスタイルだった」(同会社員)というオリベッティ容疑者は、当時ブームになるほどの人気を集めたスニーカー「エアマックス」を狙った「エアマックス狩り」に勤しんだり、武器を持って通行人に殴りかかるなど、悪行三昧だったという。

「犬猿の仲だったバンドマンを潰すために、オリバーたちがライブ会場に乗り込んできたことがありました。客席の真ん中に陣取ってステージにゴミを投げ込んだり、ライブは大荒れでした」(同)

 オリベッティ容疑者によるこうした悪行の被害に遭った人々の中には、彼の存在がトラウマになった者も少なくないという。

「7~8年前、仲間内で『オリバーが東京にいるらしい』という噂が一気に広まったことがありましたが、10年以上経ってもいまだに『あいつの顔だけは見たくない』と思っている人は多いです」(同)

 現在、Twitter上には「田代仁(田代オリバー)被害者の会」なるアカウントが登場し、被害にあったと思しき女性らの書き込みが相次いでいる。卑劣漢の原点は、荒れた10代の頃にまで遡るようだ。
(文=編集部)

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