今クール(10~12月期)の連続テレビドラマで、石原さとみが主演を務める“フジ月9”の『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)が12日にスタートしたが、その第1話が早くも“話題”を呼んでいる。

 「Cheese!」(小学館)で連載中の人気漫画『5時から9時まで』(相原実貴)を原作とする同ドラマは、いつか米ニューヨークで働くことを夢見て英会話学校講師として働く桜庭潤子(石原)が、家族にダマされ大きな寺のお坊さん、星川高嶺(山下智久)と見合いをさせられるところからスタートする。

桜庭に一目惚れした星川は彼女につきまとうが、実は星川には寺を継ぎ住職になるため、祖母から“政略結婚”を迫られていた。第1話では、誕生日にもかかわらず仕事のトラブル対応で遠方を訪れ最悪の状態にある桜庭を、雨の中星川が車で迎えに行き、そのまま桜庭を寺に“監禁”してしまうところまでが放送された。

 そんな『5→9』をめぐり一部で話題を呼んでいるのが、桜庭の生徒で男子高生の蜂屋蓮司(長妻怜央)がラスト間際で流れたパーティーのシーンで、多くの参加女性の中から指名した子の手を引いて部屋に連れ込む際に、それまで劇中では恋人役と思われた女子高生からコンドームを受け取る場面である。テレビ局関係者は語る。

「画面にはコンドームの実物がはっきり映っていましたが、見ていて『えっ』と一瞬驚きました。基本的に夜9時台の番組は子供から高齢の方まで幅広い層の視聴者が想定され、特にフジ月九は10代もメインターゲットとしています。
特に最近では『わいせつさ』を喚起するような内容を流すとすぐに視聴者からクレームがきたりインターネット上で叩かれますので、この番組内でコンドームの実物を画面に映すというのは、通常であれば避ける演出です。以前であれば特に問題視されるようなシーンではなかったと思いますが、制作陣の中から指摘が上がらなかったのか、気になるところです。見方によっては、放送事故とも受け取られかねませんからね」

●フジの配慮?

 また、別のテレビ局関係者も語る。

「1992年大みそかの『NHK紅白歌合戦』で本木雅弘がコンドームを身にまとって出演し、視聴者からクレームが殺到したことがありましたが、コンドームを画面上に映すという演出は基本的にはどこのテレビ局でも避けられます。もっとも、青少年の教育上、避妊具に関するテーマは非常に重要視されている昨今、それを過剰に自主規制するのはどうかと思いますが。今回問題とされている『5→9』も、未成年男女のカップルがこれから部屋に入って行為に至ることが予測されるシーンなので、フジとしては避妊の大切さを喚起するという意図だったのかもしれません。
もしくは、逆に視聴率アップのための話題づくりを狙って、批判覚悟でコンドームの実物を映す演出をしていたのだとしたら、『視聴率のためにそこまで捨て身になるのか』と感じてしまいます。しかし、前クールの月9では低視聴率が話題になってしまうなど苦戦中のフジには、それぐらい挑戦的な姿勢が必要だと思いますよ」

 第1話の平均視聴率は12.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)とますまずの滑り出しとなった『5→9』。今後さらに話題を振りまいて視聴率をアップさせていくのか、注目したい。
(文=編集部)