人生には様々な時期があり、中身も容姿も刻々と変わっていく……そんな事は分かっているつもりでも、ついつい大人になっても、今現在目の前に存在する“カタチ”のイメージで人を見てしまいがちだったりしませんか?
特に、その姿をTVを通して見るだけで直接対面することの無い芸能人はその傾向が顕著になり、着物姿の落ち着いた老婦人や、濃いお化粧の大御所女優を見るに付け、もちろん若い頃は美少女だったとは思いつつ、それなりに貫禄のある女の子だったのでは? と想像してしまいがちです。
■1955年公開のカラー映画『緑はるかに』浅丘ルリ子14歳
現在は、濃いアイラインとリップラインがヴィヴィッドな大女優浅丘ルリ子。彼女の若い頃というとつい『男はつらいよ』のリリーを思い浮かべがちですが、役柄もあり、あの頃はすでに派手で強い女性のイメージになっていましたよね。
一方で、14歳の浅丘ルリ子のプックリとしたほっぺたが生まれたての赤ちゃんのように愛らしく、現在の彼女の似顔絵を書くと必ず入ってくる、特徴的な高い頬骨の片鱗すらまだ見えません。色鮮やかで幻想的な世界観の映像ですが、1955年公開の映画『緑はるかに』は61年前の作品! 浅丘ルリ子のあどけない美貌もさることながら、クラシカルでガーリーな丸襟ワンピースのおしゃれさも必見です。
■おしとやかな吉永小百合もJK時代はお転婆風?
着物の似合う気品溢れる大御所女優、吉永小百合。
■あの逞しい冒険家に可憐な美女時代が
現在は冒険家として、逞しい山男風のご婦人になっておられる和泉雅子。正統派美少女と誉れ高かった時代と、日本女性初の北極点到達し、男性のように雄々しい姿になった現在では、ある意味ギャップがかっこいいとすら思ってしまいます。そんな彼女が、お人形のようなクールビューティーだった時代の貴重な映像が残されています。
■まだ毒気の無い杉田かおるが愛らしい
1973年から1974年に放送だれたホームドラマ『雑居時代』では、その柔らかそうな白い肌と大きな瞳から淡い色気が滲む、天女のような故・大原麗子もさることながら、2分15秒から登場する杉田かおるの可憐な美少女ぶりに驚愕します。現在の毒のあるキャラクターの片鱗はまだ見えず、お雛様のような着物姿で、コロコロと変わる表情がいかにも“乙女”といった愛らしさです、
■貫禄の熟女林寛子は、むしろ娘の黒沢優より美少女だった?
今では貫禄ある佇まいの熟女・林寛子は、あまりに正統派美少女すぎて、どこで動画をとめても、可愛く画像キャプチャーをとることができまてしまいました。林寛子と言うと、元モデルで、2002年にミュージシャンの松岡充と結婚して芸能界を引退した娘の黒澤優の美少女ぶりも有名ですが、こうして、10代の映像を見てみると、むしろ娘は個性派美少女寄りで、正統派美少女だったのはお母さんのほうではないかと思ってしまいます。
■想像以上に天使だった天地真里を目の当たりにした衝撃…
かつて本当に白雪姫・天地真里は存在したんだ、と心から実感する映像です。天地真里と言えば、体重増加を始めとする容姿の変化もさることながら、支離滅裂な天然発言などを繰り返し、お笑い芸人のような立ち位置の仕事をこなす姿が記憶に新しいですが……。
また、常々いわゆる短い髪にパーマをあてる「おばさんパーマ」はどこから流行り始めたのか? と不思議に思っていましたが、天地真里のような天使系美少女がショートヘアでパーマをかけると、フンワリとしたエンジェリックな可愛らしさで、しかも髪型的に中年女性でも扱いやすいとなれば、流行したことも頷けてしまいます。
貫禄たっぷりのおばさまや、上品な初老の婦人も素敵ですが、やはり誰にとっても、少女時代は特別な輝きを放つ時代ですね。どの方も花の蕾のように可憐で初々しく、永遠に年をとらない妖精のようにすら見えます。多くの一般人にはTV画面の向こうでしか見ることがかなわない著名人揃いですが、もし実際にお会いすることができたら、今でもふとした表情の中に美少女時代の姿が垣間見えて、ドキッとしてしまいそうです。
(星野小春)