プロ野球・阪神タイガースの“ドロ沼”は底なしなのか……。

23日の広島戦。

阪神・岩崎‐広島・黒田という先発予告を見た時点で敗色濃厚と思っていたが、案の定岩崎投手は3回持たず7失点KO。打線も黒田投手の前にいつも通り翻弄され、散発6安打0点。日米通算200勝目を献上した。

これでオールスター明けの後半戦は、勝ちなしの5連敗。首位を快走する広島戦に限っては、手も足も出ない9連敗となる。今季最多の借金15は文句なしの最下位だ。


今や、セ・リーグどころか12球団最弱ともいわれ、かつての暗黒時代を彷彿とさせている阪神タイガース。プロ野球屈指の人気球団であるため、ファンやメディアからの批判も相当激しいものがあるが、その中心的存在となっているのがキャプテンの鳥谷敬選手だ。

2013年から15年までの3年連続を含め、計4度のゴールデングラブ賞を獲得するなど日本を代表する名ショートであり、ベストナイン通算6度と紛れもない阪神の看板となる鳥谷選手。これまで何年にもわたってチームを牽引してきたが、今シーズンに限ってはその面影が全く見られない。

開幕時から極度の打撃不振に陥り、現在も規定打席達成者の中では「下から2番目」という低打率。それでもショートだけに守備さえ安定していれば、そう大きくチームの足を引っ張ることもないのだが、失策数はリーグ2位の10個を記録している。
とても昨年のゴールデングラブ賞&ベストナインを獲得した選手とは思えないほどの低調ぶりだ。

大不振の原因は今年で35歳という年齢的な衰えを始め、金本知憲監督による強引な指導や、周囲のマスコミやファンからのプレッシャーなど様々な見解があるが、ここにきて見逃せないある重要な「疑惑」が持ち上がっているようだ。

実は今シーズンの鳥谷選手は三振数が急増している。昨年1シーズンで77だったのが、今シーズンはすでに61。それも「見逃し三振」が極端に増えているのだ。さらにリーグ2位の失策の中でも、簡単なフライを落とすなど信じられないイージーミスが散見される。


これらの事実から導き出される疑惑は、鳥谷選手の「目」の不調だ。

実際に金本監督も22日の試合後に、鳥谷選手のエラーに対して「目とかの影響があるのか」と視力の心配をしている。このエラーにしても、相手の盗塁を阻止するための何でもない送球を捕り損ねており、とてもプロの選手が犯すような失策のレベルではなかった。

さらに鳥谷選手は今シーズンから何故か練習中だけでなく、試合中もゴーグルを付けているシーンが目立っている。ゴーグルを使用している詳細は定かではないが、少なくとも目の負担を軽減する役割を担っていることは間違いないだろう。

視力低下疑惑の原因は定かではないが、実は鳥谷選手は2007年に視力回復を目的に、角膜屈折矯正手術の一種となるレーシック手術を受けている。


サッカー日本代表の本田圭佑選手など、近年レーシック手術を受けるアスリートは増加傾向にあるが、レーシックは術後間もなく視力が1.5程度まで回復するものの、数年経つと極端に視力が下がってくるケースが多いと言われている。

つまり、今なおレーシック手術には、少なからずギャンブル的な要素が見え隠れしているということだ。

「実際に今は巨人で内野守備走塁コーチをしている井端弘和コーチは、現役時代に手術失敗が原因で、何度も繰り返しレーシックを受けていた経緯があります。プロ野球選手にとって視力は命ですし、鳥谷選手のこれまでからは考えられない急激な成績悪化も、視力低下が原因だとすれば納得がいきます」(記者)

東北楽天ゴールデンイーグルスの元監督・田尾安志氏が「体調が悪いのなら(スタメンから)外れるべき」と提言しているように、誰が見ても何らかの問題を抱えているようにしか見えない今シーズンの鳥谷選手。

金本監督が世界記録を持つ連続フルイニング出場の記録を継続しているだけに、無条件で試合に出続けなければならないことが、この“ドロ沼問題”にますます拍車を掛けているようだが、視力だけはいくら体を鍛えても回復するものではない。

無論、デリケートな問題だけに鳥谷選手の目の不調が表沙汰になることはないだろう。
だが、先日の金本監督の鳥谷の目に対する発言は、極端な「見逃し三振」と「信じられない失策」の増加の原因は本人だけでなく、すでにチーム幹部も把握していることを示唆しているのかもしれない。