秋が深まりつつある今日このごろ。空気が澄み、星々が美しく瞬くこれからの季節は、天体観測にも最適だ。

天体観測といえば、街の灯りが届かないスポットで行うのが一般的ではあるが、なかには“天体観測ドーム”なるものを家の中に建てるツワモノもいる。そうまでして観測するほど、宇宙には果てしないロマンが詰まっているわけだが、気になるのは天体観測ドームのお値段だ。一体いくら掛かるのだろう?

そこで今回は天体観測ドームの製作・販売を手がける協栄産業さんに値段や建てる為の条件などを聞いてみた。

「天体観測ドームの値段は、大きさなどによってかなり違ってきます。個人住宅の場合は直径2.6m程度のドームが一般的かと思いますが、その大きさの場合、ドームだけで約170万円、ドーム下の観測所部分が50~60万円でしょうか。加えて、天体望遠鏡などの設備費が必要です。天体望遠鏡だけでも、やはり皆様こだわりがあるようで、100万円以上の高額なものを購入されています」

なるほど、お話の通りだと予算は300万円を優に超える。欲しいとは思っても、なかなか手が出ない金額だ。ちなみに注文してからの納期、そしてメンテナンスについてはいかがだろう。

「納期は、繁忙期でなければ3カ月ほどです。設置後のメンテナンスはそれほど必要ありませんが、例えばドームの回転する部分や屋根が開閉する部分など、モーター・チェーン駆動の箇所に関しては、数年に1回、点検したほうがいいでしょう」

さらに注意したいのが、そもそも法律上設置できるかどうかという点。建築基準法に準拠させる必要があるのだという。

「ドームの設置場所は、視界が遮られない所ということで、住宅の屋根を選ばれる方が多数です。その場合、建築基準法を考慮する必要があります。簡単にご説明すると、屋上の『物置』であると認められれば、比較的すんなり申請が通るんですが、『住宅の一部である』とされる場合は、難しいようです。例えば、家の最上階の一部をドームと繋げたい、という場合はこれにあたるかと思います。あらかじめ確認されることをお勧めしますよ」

また、実際に天体観測ドームを建てた人の動機としては「自分だけの城を持ちたかったから」が圧倒的に多い。

「天体観測所まで行くのが大変だし、その日晴れるかどうかが分かりません。また、その場所に合わせて、都度望遠鏡の設定をしないといけないのが煩わしかったですね」(岡山県・Fさん)

もちろん、住宅地に設置するため“北側の空が見えない”“低位置の空が木々で見えにくい”など、立地条件によっては360度満天の空、というわけにはいかないケースも多い。それでも、自分のペースで好きなときに好きなだけ星空を観察できるというのはなんとも贅沢! 天体観測にロマンを描く人にとっては、まさに「あこがれの設備」だと言えそうだ。

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