7月も中旬となり、いよいよ夏らしくなってきました。暑い時期こそお肉を食べて元気を出したい!という方もいらっしゃると思います。

今回は私たちにとって身近な牛丼チェーン店の吉野家、松屋、すき家のいわゆる牛丼チェーン店のビッグ3を決算データなども使いながら比較してみたいと思います。



■ビッグ3の店舗は全国に約4,000店舗!



2017年6月の時点のビック3の店舗数は、吉野家が1,198店舗(国内)、松屋が943店舗、すき家が1,958店舗となっています。コンビニエンスストアの店舗数ほどではないものの、3社の店舗数を合計すると4,000店舗を超える規模であり、牛丼は私たちの生活に浸透している食べ物だといえるでしょう。また、現時点ではすき家の店舗数が最も多く、松屋の2倍程度の規模だということが分かります。



また、牛丼が好きな方であれば、いずれの店舗も一度は試してみたことがあるという方も多いかと思います。外食企業の店舗数は「消費者の支持が多いゆえ」という見方もできます。

では、それぞれの店舗で食事をしたことがある人はどのような印象を持っているのでしょうか。



■牛丼チェーン・ビッグ3を利用する人はどう見ている?



牛丼は食べ物ですし、味覚や嗜好は人それぞれであることを踏まえた上で見ていきましょう。



「自分が大学生で元気がいい時は(3チェーンの中では)吉野家は味が濃いこともあり、特においしく感じた。ただ、40代の今では吉野家はちょっと味がくどく感じて、もっぱら松屋」(40代男性)



「吉野家が一番うまい。他のチェーン店の牛丼は正直味の好みが合わない」(50代男性)



「もっぱら吉野家。松屋はメニューが豊富でカレーもあり、なぜあの値段でこれだけ提供できるのか不思議。

すき家はいつも忙しそうで人気があるのだろうが、自分にとっては味のインパクトが弱い」(50代男性)



「吉野家はサイドメニューがおいしい。松屋のサラダは個人的には好きになれない」(30代男性)



「どのチェーン店も一人で入るのにはまだ抵抗感がある。あえて言えば周りの女性には松屋が人気。子供にはすき家が人気らしい」(40代女性)



「吉野家は人が会計することもあり、面倒。松屋は自動発券機があり、便利」(30代男性)



味の好みはやはり人それぞれですが、インパクトのある味が好きな人は吉野家派が多く、やや薄味が好みの方や女性は松屋、すき家は子供にも受ける味、というような分類もできそうです。



■チェーン店の人気バロメーターは既存店売上高



では、定性的な評価を一通り見たところで、現在それぞれのチェーン店の動向を見ていきましょう。

外食小売店の売上動向のバロメーターの一つに既存店売上高があります。対前年同月比で売上高がどう変化しているかを見ることができます。



下図は、投信1編集部データ分析室で2012年4月以降の各社牛丼チェーン店の既存店売上高の対前年比の動向をまとめたものです。



あなたは吉野家、松屋、それともすき家派? 牛丼チェーンビッグ3を比較

足元では吉野家が100を割り込んでいる、つまり対前年同月比でマイナス成長となっています。2017年6月の既存店売上高は94.5となっています。



その一方で、松屋、すき家は100を上回っています。

松屋の2017年6月の既存店売上高は102.1、すき家は102.5となっています。



既存店売上高の長期的なトレンドも見ておきましょう。



吉野家は、既存店売上高の振れ幅(ボラティリティ)が高いことが分かります。100を大きく割り込むことがある一方、120近い数値をたたき出す月もあります。



松屋は2014年初めまでは既存店売上高は100を割り込んでいましたが、その後ほとんど100を超えている状況です。



すき家は、吉野家ほどの振れ幅はありませんが、2014年初め以降既存店が100を超えてきましたが、松屋に比べると振れ幅は大きい月が散見されます。



既存店売上高は、主に客数と客単価で構成され、プロモーションやメニュー、また競合店との競争、天候などでも変化します。既存店売上高だけで人気が把握できるわけではありませんが、各チェーン店がどのような施策で顧客に対して商品やサービスを訴求してきているかのヒントにはなります。



■まとめにかえて



いかがでしたか。牛丼チェーンのビッグ3は同じ牛丼を扱っているとはいえ、品揃えや価格レンジも異なります。ただ、時間帯に関係なく、手ごろな価格で温かい牛丼を食べることができるのはこれだけ多くの店舗がある日本ならではといえるのではないでしょうか。