■Remix Album『GACKTRACKS-ULTRA DJ ReMIX-』インタビュー
(※画像15点)

5月下旬の某日、GACKTに久しぶりのインタビュー取材をする機会に恵まれた。世界的に活躍する日本人DJたちが顔を揃えたリミックス・アルバム『GACKTRACKS-ULTRA DJ ReMIX-』が、誕生日(7月4日)の直前となる7月1日にリリースされるためだ。今思えば傷んだ身体のためだったのか、なんと、バランスボールに腰掛けたままの状態で、素知らぬ顔で穏やかにインタビューに応じ始めたGACKT。どんな短い時間でも“無為に過ごす”という選択肢はきっと、彼にはないのだろう。数年前、とある書籍の撮影現場でも、セットチェンジを待つ寸暇を惜しみ、外国語の単語暗唱を黙々と繰り返していたGACKTの姿をふと想い出し、2015年の彼に重ね合わせていた。
表現の細部にまでとことんこだわる全身全霊タイプのクリエイターで完璧主義者であるはずのGACKTが、今作では、DJの人選も選曲もすべてが「お任せ」だった、と明かしたのだが、意外なことに思えて驚いた。その真意を知りたくて、このインタビューでは率直に尋ねている。また、ライブと映像表現を高次に融合させたGACKTならではのライフワーク的ステージ作品“VISUALIVE”が、【LAST VISUALIVE TOUR】として一旦区切りをつけることも予告されている。そんな中、多面的な表現者・GACKTは今、どんな想いで日々を生きているのだろうか? 近況を問い、心情に迫った。
(取材・文/大前多恵、撮影/平野タカシ、スタイリング/Rockey)
※衣装協力:ベスト(SHELLAC)、カットソー・デニム・ベルト・ブーツ(VILLAGE)、アクセサリー一式(GEMCEREY)


みんな予想を超えてきてくれたから、「やってよかったな」と思うし、随分とインスパイアされた

――GACKTさんの楽曲が、バラードも含めてこんなにもダンスのビートに合うのだな、という思いがけない発見があり、とても楽しく聴かせていただきました。そもそも、なぜこういったコンセプトの作品を作ろうと思われたのですか?

GACKT:前提として、もうすぐ始まる【LAST VISUALIVE TOUR】に向けて、ここからさらに加速して盛り上げていこう、という流れがあった。そこで、今までの楽曲も含めたGACKTというアーティストが作る作品を、「ボクのファンだけではなくて、まだボクに触れていない人たちも届けられたら……」という想いから企画がスタートした。今の日本を代表するDJの人たちが「どのぐらい参加してくれるのかな?」と思いながらみんなに声を掛けたら、思った以上に快く受けてくれて。先着で締め切らせてもらったんだけど、この作品の噂を聴きつけて、「自分にもやらせてほしい」という声が他にも上がってきたほど。だから、おそらく次もやるんじゃないかな?と確信してる。ありがたい話だよ。

――例えば、どの方にどの曲をリミックスしてほしい、ですとか、GACKTさんのディレクションはどんな感じだったのですか?

GACKT:ないないない! もう、「好きなようにやってくれ!」って。今回ボクは一切オーダーをしなかった。ボク自身、最初は「自分の声がDJリミックスに合うのか?」という不安は少しあったけど、予想を遥かに裏切る結果でびっくりした。声を楽器として聴いた時に、「ああ、こんなに合うんだな」と感じて、それが一番の驚きだったかな。

――作業の途中の段階では聴かれましたか? それとも、完成版をいきなり聴かれたのですか?

GACKT:途中の作業でも聴いたよ。それで、ボクは途中で「NO」を出すこともあるかもしれないと思ってたんだけど、結局はそれも全然なくて、「すごいね!」と感嘆しながら進んでいったよ。「この曲をリミックスするのか!?」という意味で驚いたのは、例えば「WHITE LOVERS -幸せなトキ-(DAICHI YOKOTA ReMIX)」とか「キミに逢いたくて(Janzzin'park D&B Remix)」とか。あとは、「暁月夜 -DAY BREAKERS-(el poco maro ReMIX)」や「キミのためにできること(TJO&YUSUKE from BLU-SWING ReMIX)」も。「小悪魔ヘヴン(FMP EURODISCO MIX)」にも驚いたね。

――「小悪魔ヘヴン」はちょっとニューウェーブっぽさもあって新鮮でした。

GACKT:そうだよね。しかも、マイナー調でずっと進んでいくだろ? ボクはそこにかなり感動して、「これ、すごい! 同じ曲がここまで変わるんだな」と思った。自分の予想を超えてきてくれるとやっぱり、かなり楽しいよ。ボクの曲は基本的にヘヴィなものが多いから、ギューッと集中して聴くことが多い。だけど、今回の作品はいい意味で全体を流して聴ける、というか。今回のアルバムには、そうやって聴いている時に、ふと「これカッコいいよね!」と言える曲がたくさんある。全体的に、すべてのDJのアプローチが本当にカッコいいんだけど、「WHITE LOVERS~」や「JESUS(TeddyLoid ReMIX)」、「OASIS(MITOMI TOKOTO ReMIX)」なんかは、「すごいな!」と思ったね。DJ KOOさんによる「CLAYMORE(ULTRA DJ ReMIX/DJ KOO)」は、聴いた時に鳥肌が立ったし。

――DJ KOOさんは相当な熱量で今作に関わられた、と伝え聞いています。

GACKT:うん、相当研究してくれたみたいで。うれしいし、ありがたいよ。今までKOOさんとは、テレビで会うぐらいしか関わりがなかった。今回参加してくれたDJの中で、直接会って話したり一緒に酒飲んだりするプライベートな繋がりがあるのは、マーク(「CUBE(DanceFloorExperience MiX/MARK PANTHER)ぐらいなんだよ。でも、本当にみんな予想を超えてきてくれたから、「やってよかったな」と思うし、随分とインスパイアされた。自分がやろうとしている方向性だけだと煮詰まってしまうことがあるんだけど、こういう風に広げてくれると、「あぁ、こういうのもアリなんだな」と思わせてくれる。そういうのはうれしいよ。曲順やミュージックビデオも含め、全部お任せで“オーダーしない”ということ自体、ボクにとって初めてだったわけだけど、みんなの才能をすごく感じることができた。オーダーをしてしまうと、どうしてもその人の持っている良さが閉じてしまうことになるからさ。最初から「こうじゃなきゃダメだ」「ああじゃなきゃダメだ」と言うのは面白くない。彼らにはもうすでに自分のテイストがあるわけだし、並んでいる他のDJの人たちもみんな名前のある人たちばっかりだから、それぞれに絶対気合いが入ったはず。「負けたくない」というのもきっとあったろうし。。

――そうですよね。でも、“お任せしよう”という気持ちにGACKTさんがなられたこともすごいですよね。相手に対するリスペクトがないとできないことだと思うので。

GACKT:世界で活躍している日本を代表する人たちだし、リスペクトはもちろんしてるよ。ただ、それでも、ひとたび作業になるとそれが別次元の話になってしまうことが多い。「彼らの良さを発揮してもらうためには……?」と考えると、「今回はとにかく、ボクは何もしないほうがいい」という結論に落ち着いた(笑)。

――インタビュー2へ

≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
Remix Album
『GACKTRACKS -ULTRA DJ ReMIX-』
2015.07.01リリース

【GACKT STORE限定盤】CD+DVD
GLCD-00012/B / ¥5,800(税抜)
※LPサイズ特別仕様ジャケット
※ポスター型歌詞カード収容
【通常盤】CD
GLCD-00013 / ¥2,800(税抜)

[収録曲]
1.ANOTHER WORLD(☆Taku Takahashi ReMIX)
2.JESUS(TeddyLoid ReMIX)
3.キミのためにできること(TJO & YOSUKE from BLU-SWING Re-MIX)
4.REDEMPTION(STUDIO APARTMENT ReMIX)
5.CUBE(DanceFloorExperience MiX / MARC PANTHER)
6.WHITE LOVERS -幸せなトキ-(DAICHI YOKOTA ReMIX)
7.LU:NA(DJ OMKT ReMIX)
8.OASIS(MITOMI TOKOTO ReMIX)
9.CLAYMORE(ULTRA DJ ReMIX / DJ KOO)
10.小悪魔へヴン(FPM EURODISCO MIX)
11.SECRET GARDEN(Jazztronik ReMIX)
12.キミに逢いたくて(Jazzin'park D&B ReMIX)
13.暁月夜 -DAY BREAKERS-(el poco maro ReMIX)
14.忘れないから(ROCKETMAN ReMIX)
<DVD> ※GACKT STORE限定盤のみ収録
GACKTRACKS MEGA MIX Music Clip

≪ライヴ情報≫
【GACKTRACKS -ULTRA DJ ReMIX-』Release Party】
2015年7月3日(金)シャングリ・ラ 東京 27F ボールルーム
※オールナイトイベント
詳細:https://www.gackt.com/page/GACKTracks/

【GACKT's 42nd BIRTHDAY PARTY ~2016年 LAST VISUALIVE始まるらしいよ。みんなの気愛はどんな感じ?もう逝ける??メンバーは気愛十分で今回のバースデーイベントも、かなり意気込んでます。でも、一番気になるのは、LAST VISUALIVEだよね。このツアーどんな感じになるんだろうね?もうこうなったら、みんなで考えちゃう?えっ、まじで!!でも、そうなったら、今回、絶対来たら、歴史的瞬間目撃できるかもね!!~】
2015年7月4日(土)シェラトン グランデ トーキョーベイ・ホテル THE CLUB Fuji
詳細:https://www.gackt.com/news/

【氣志團万博2015】
2015年9月19日(土)千葉県・袖ケ浦海浜公園
※「GACKT presents 神威♂楽園」として出演
詳細:http://www.kishidanbanpaku.com

≪関連リンク≫
GACKT オフィシャルサイト