My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

■MY LITTLE LOVER/【MY LITTLE LOVER 20th ANNIVERSARY LIVE ~acoakko & evergreen~】ライブレポート
2016.04.15(FRI)at 東京国際フォーラム ホールC
(※画像10点)

20年前の名作と、新作を完全再現

My Little Lover は昨年デビュー20周年を迎え、新作『re:evergreen』を発表した。その際、300万枚のセールスを記録した衝撃のデビュー・アルバム『evergreen』を『evergreen+』としてリニューアル(打ち込みを生のドラムに変更etc……)し、新作にコンパイルした上で2枚組としてファンへ届けた。
そして今日、その2作が完全再現されるという、実に貴重なライブが行われるのだった。

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

ステージには20個の星形のオブジェ。ボーカルのakkoが星の形が大好きということで、アニバーサリーに相応しい数だけ用意されたらしい。そして登場した彼女のロング・スカートにも星の柄が……。オープニングは『re:evergreen』の1曲目「winter song が聴こえる」。小林武史がまとめ役の(マニュピレーターを含む)6人編成のバンドは名うてのミュージシャン揃い。
いきなり生命力溢れる音像が広がって、期待は一気に膨らみ、そして最後まで萎むことはなかった。

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

MCは挟まずサクサクとプログラムは進む。アルバムを聴き込んでいる人なら、1曲終われば次のイントロが自動的に頭の中で鳴ったことだろう。「夏からの手紙」からはakkoが積極的に客席を鼓舞し、熱いステージへ。しっとり聞かせた「送る想い」のあとには、一段と大きな拍手が湧いたが、今日のライブのコンセプトは、鳴り止むのを待たず、曲間も空けずに演奏していくことだったようだ。全10曲が終了。
ここで15分間の休憩に。

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

二部はより活動的なミニのワンピースで登場したakko。「Magic Time」からは、いよいよあの伝説のアルバム『evergreen』の世界へ。モータウン的なキャッチィさの「Free」が、沼澤尚と沖山優司のリズム隊によりグルーブ満点の演奏に。衝動と抑制がギリギリでせめぎ合うかのような西川進のギターに鳥肌が立つ。そしてあの名曲のイントロが流れる。
そう。「Hello, Again ~昔からある場所~」。この歌の有名なフレーズ、“自分の限界”がどこまでかを“知るために”生きているわけではないという、ここに差し掛かったとき、ふと客席にいて感情を抑えきれなくなった。おそらくこの歌を聞くと、己の魂がもともと在った場所を訪ねていくかのような、深遠なる懐かしさに包まれ、じーんとしてしまうのだろう。

デビュー曲「Man & Woman」ではステージをアクティブに動き回るakko。そして最後は「evergreen」。
印象的な“ヤーイラオー”というスキャットを、観客と分かち合い、歌う。それはさらに続き、永遠に終わらないこのライブのエンドロールであるかのように、今日演奏された様々な楽曲の様々な場面を引き連れ、遂に大団円。

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

鳴り止まない拍手。再登場した彼らがアンコールに応えて歌ったのは、「YES ~free flower~」。シンプルな曲だが、“YES YES”という繰り返しが、徐々に螺旋を描き胸の奥へと降りてくような不思議な曲なのだ。結局、この日akkoが放った言葉はメンバー紹介の時とアンコールの「楽しんでいただけましたか?」という簡単な呼び掛けのみだった。
その以外は演奏で、歌で勝負した。

My Little Lover akkoと小林武史が共演し、名曲を完全再現/ライブレポート・セトリ
撮影/笹原清明

オルタナティブなものから大衆的なものまでを把握した上で音楽をクリエイトできる小林武史が、両端を知るからこそ感じ取ることが出来た“中庸”が、つまりはMy Little Loverだったのだろう。他にも「白いカイト」や「めぐり遭う世界」など、記憶に残る名作は多い。次は25周年といわず、今日のような編成で近いうちにぜひ。見逃した人も放送があるみたいなので、チェックして欲しい。
(取材・文/小貫信昭)

≪セットリスト≫
1. winter songが聴こえる
2. pastel
3. 星空の軌道
4. 今日が雨降りでも
5. バランス
6. 夏からの手紙
7. 舞台芝居
8. 送る想い
9. ターミナル
10. re:evergreen
11. Magic Time
12. Free
13. 白いカイト
14. めぐり遭う世界
15. Hello, Again ~昔からある場所~
16. My Painting
17. 暮れゆく街で
18. Delicacy
19. Man & Woman
20. evergreen
<アンコール>
1. YES ~free flower~

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