高橋優 向き合うべき曲と音楽が誕生、ニューアルバム『来し方行く末』/インタビュー1
撮影/田中純一

■高橋優/New Album『来し方行く末』インタビュー(1/4)

聴き手一人ずつに強烈に作用する、最高傑作

高橋優がメジャー5作目となるアルバム『来し方行く末』を11月16日に発表する。実は取材したのは10月上旬で、その時点ではまだ未完成で曲順も確定していない状況。当初の予定では完成してなきゃおかしいわけで、つまり、難産なアルバムだったと言えるだろう。曲も、自分否定のような歌から始まって、隠しておきたかったようなところもブチ撒ける。いい人そうな高橋優が、自身の裏側にまで踏み込みながらエグり出しているような側面もあり、そのメッセージは聴き手一人ずつにも強烈に作用するはずだ。それが曲を重ねていくと、また違った思いにもさらされる。しっかりと向き合うべき曲と音楽が、ここに誕生した。
(取材・文/長谷川幸信)

自分に逃げ道を作るのは簡単で、おっかない

――ニューアルバム『来し方行く末』を、まだ未完成状態で聴かせていただきましたが。

高橋:すいませんね、曲順がまだバラバラで。今、最終打ち合わせ中で、間もなく正式曲順が決まるはずです。

――つまりギリギリの状況です。曲自体も難産だったんですか?

高橋:難産でした。みんなに迷惑をメッチャ掛けました。

――でも一時期、1日1曲作るぞキャンペーンを個人展開中だったじゃないですか。わりと多作なのかなと思ってました。

高橋:「BEAUTIFUL」はその頃に作った曲です。だから1日1曲キャンペーンも無駄じゃなかったんですけど、今回、自分でかなりハードルを上げたんですね。前回のオリジナルアルバム『今、そこにある明滅と群生』を2014年にリリースするとき、僕は最高傑作が出来た、と言いまくったんですね。で、今回、アルバムの前にシングル『光の破片』をリリースしたんだけど、カップリングの「TOKYO DREAM」はアルバムの表題曲でもいいじゃないかってぐらい、スタッフから言われたんですよ。でも僕は違うんだ、とわがままを言わせてもらって。「光の破片」を最高のシングルにするためには、「TOKYO DREAM」のようにドスの利いた曲も入れるんだ、と。だから最高傑作のシングルが出来た、と前回のインタビューで言ったと思うんです。もう、ハードルはダダ上がりですよね。何を作っていいんだか全然分らなくなっちゃって、悩みに悩んで、一人で何度枕を濡らしたことか(笑)。

――前のシングル『光の破片』は今年夏だったじゃないですか。あまり時間が経ってないですよ。

高橋:アルバムの収録曲のうち3曲ぐらいは、さっき録り終わったみたいな(笑)。
高橋優 向き合うべき曲と音楽が誕生、ニューアルバム『来し方行く末』/インタビュー1
撮影/田中純一

――自分でハードルをどんどん上げていったのは、自分の中で何か裏付けされた理由もあったからですか?

高橋:いや、自信なんて何もないです。今も自信なんて、これっぽっちもないです。ただ、自分に逃げ道を作るのは簡単だって思ったんですね、何でも。アルバイトでも何でも“まあ、これぐらいでいっか”で生きていけちゃうのは、人生において一番おっかないと思うんです。ラクするほうを選んで、ヒョウヒョウと生きていける人もいますけど。でも僕の場合、中途半端にやると、ホントに中途半端なものになっちゃって、人にもバレるんですよね(笑)。今回「Mr.Complex Man」という曲を作ったんですけど、自分自身にもコンプレックスがたくさんある中で、音楽にしがみついてやっているのに、音楽も中途半端にやってしまったら、人生を恐ろしいことにしてしまう気がして。だから曲のアイデアも自信もないけど、とにかく自分が頑張るようにしちゃうっていうか。追い込んだんです。最高傑作が出来たと言い続けていたことも、それより凄いのを作らなきゃいけないんだよって、自分への心がけというか布石だったかもしれないです。

――そうなったとき、自分と真剣に対峙することになりますね。自分の中から最初に湧き上がってきたものは? 言葉とかコード進行など、わりと具体的なものでした?

高橋:順を追って話すと、「象」は楽曲提供させてもらったもので昨年作って、あと「拒む君の手を握る」も昨年書いたんですよ。それ以外は全部、今年に入って書いた曲なんですね。1日1曲キャンペーンをやっていたとき、メロディだけ出来ていた曲が幾つかあって……。いや、ほとんどのメロディは、そのころに録音していたやつです。録り溜めていたメロディだけで言えば、30~40曲分あった。それで何をテーマや切り口に書いていこうかって、秋口に悩んだんです。

――インタビュー2へ




≪リリース情報≫
5th Album
『来し方行く末』
2016.11.16リリース

【期間生産限定盤】CD+DVD
WPZL-31246~47 / ¥3,900(税抜)

【通常盤】CD
WPCL-12461 / ¥3,000(税抜)

※その他、ファンクラブ限定盤<WPZL-31248~49 / ¥4,700(税抜)>あり

≪ライブ情報≫
【高橋優 全国ホール&アリーナツアー 2016-2017「来し方行く末」】
2016年12月3日(土)埼玉・狭山市市民会館(※FC限定販売公演)
2016年12月11日(日)石川・本多の森ホール
2016年12月17日(土)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2016年12月18日(日)新潟・新潟県民会館
2016年12月20日(火)長野・ホクト文化ホール 中ホール
2016年12月21日(水)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2016年12月25日(日)沖縄・沖縄市民会館 大ホール
2017年1月7日(土)宮城・仙台サンプラザホール
2017年1月8日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2017年1月14日(土)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2017年1月15日(日)鹿児島・鹿児島市民文化ホール第一
2017年1月21日(土)香川・レクザムホール
2017年1月22日(日)高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
2017年2月3日(金)広島・広島文化学園HBGホール
2017年2月4日(土)山口・周南市文化会館
2017年2月10日(金)秋田・秋田県民会館
2017年2月12日(日)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2017年2月19日(日)熊本・荒尾総合文化センター
2017年2月20日(月)大分・ホルトホール大分
2017年2月26日(日)岡山・岡山市民会館
2017年3月11日(土)愛知・名古屋センチュリーホール
2017年3月12日(日)愛知・名古屋センチュリーホール
2017年3月18日(土)北海道・わくわくホリデーホール
2017年3月19日(日)北海道・わくわくホリデーホール
2017年4月1日(土)神奈川・横浜アリーナ
2017年4月2日(日)神奈川・横浜アリーナ
2017年4月16日(日)大阪・大阪城ホール

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