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その作品とは2002年公開・北野武監督作品の「Dolls」。
元婚約者役の菅野美穂と西島秀俊が1本の赤い紐で結ばれ、日本の四季折々の風景の中をひたすら彷徨い歩く…。中でもDVDパッケージにもなっている秋の「紅葉」の色鮮やかさとともに作品を記憶している方も多いのでは。
この紅葉の聖地(=ロケ地)を調べてみると埼玉県飯能市の「白雲山 鳥居観音」という場所だそう。
飯能というと、やはり“聖地巡礼”が流行っている漫画&アニメ作品「ヤマノススメ」の舞台になっている街でもあります。
主人公の女子高生が地元・飯能の山や数々の山に登るうちに登山の面白さに目覚めていくストーリーですが、第5巻「三十四合目:山頂で見えるもの」で登る「棒ノ嶺(別名:棒ノ折山)」が、実は「Dolls」の紅葉の聖地と徒歩15分という超ご近所同士!
※元記事に地図あり
棒ノ嶺も紅葉の名所「有間ダム&名栗湖」を愛でつつ、

登山道を登る(地図中の赤線)途中では埼玉とは思えない巨岩ゴロゴロの大自然と沢登りの冒険を初心者でも楽しめ、

山頂には絶景パノラマが待っている人気の山。せっかくなんで両方とも聖地巡礼決定!さっそく元気があるうちに「棒ノ嶺」へ向かいます。
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◎「ヤマノススメ」の聖地、棒ノ嶺(標高969m)
飯能駅(または経由地である東飯能駅でも可)からバスで約45分、START地点の「さわらびの湯」バス停に到着。バス停から少しくだっていくと、ここも聖地の1つ「日帰り天然温泉さわらびの湯」があるので帰りにオススメです。
棒ノ嶺へは道をくだらず、バスが通って来た車道をさらに奥へと歩いていきます。道沿いの紅葉を見ながら7分ほど歩けば有間ダムと名栗湖が目の前に。 湖面に山や紅葉が鏡のように映り込んで絶景!ひとしきり堪能して左手の方向に進みましょう。
※元記事に画像あり
行く手の道沿いや斜面にも紅葉が鮮やか。
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しばらくは暗い樹林の中。沢は遥か下だけど道は湿っていて狭く、木の根や岩も多く露出しているので滑落しないよう十分ご注意を。登山口から25分ほど登り続けると沢が目線の高さに。と思ったら小さな滝が出現。
これがコース中3つあるうちの第1の滝「藤懸の滝」。いよいよ見どころと冒険気分が続く沢歩きがここから始まります!足元はこんな感じ…
※元記事に画像あり
防水シューズを履いて、歩く地点を選べばほとんど濡れることはないでしょう。ただし、増水している日は立入禁止ですね、潔く他の山へ行こう。藤懸の滝から5分ほどで「牢門」と呼ばれる絶景ポイントに到着。
※元記事に画像あり
ゴルジュ!!!
何それ呪文!?通過する人たちが口々に言っていたこの言葉、調べてみたら…
ゴルジュとは地形を表す用語で「切り立った大きな岩壁にはさまれた狭い谷」のこと。もとはフランス語で「のど」の意味だそう。
ここ白谷沢の木々は、紅ではなく「黄葉」がほとんどだけどとても綺麗。深い峡谷の様相を呈してきた両岸とも相まって、ここホントに埼玉?という風景に。トドメはこの鎖場。天狗の滝から10分ほどで現れる一番ワイルド、だけど危険な地点です。
※元記事に画像あり
悩ましいことに鎖場に並行して左側をほぼ垂直に滑り落ちている滝が第3の「白孔雀の滝」の一部。登りきると道標が立っていました。こうして見ると鎖場の上がクジャクの羽と体で、垂直部分が尾なのかな?でも鎖場では登ることに集中していたのでもちろんじっくり鑑賞して想像している余裕はナシ。
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滝の後、25分くらいは沢歩きが続きますが、唐突に林道に出て楽しい時間は終了…。林道を横切りベンチの先の登山道から樹林帯が再開。しかも急坂!沢と滝でテンション上がって歩いていた40分間、全然感じていなかった疲れにドっと襲われることに。
※元記事に画像あり
でも、木立の間からチラ見えする紅葉には癒されつつ、林道から約15分ほどで巨大な「岩茸石」に到着。割れ目を掴みながら上に登れる~!
※元記事に画像あり
ちなみに、今回は沢から下山すると滑る&怖いので滝の平尾根コースで下りますが、岩の後ろ側(この写真で人が登っている側)からコースに入ります。分かりづらいけど細~い通路があるんです。
道標に従って棒ノ嶺方面へさらに登ります。左側が針葉樹、右側がキレイに色づいた広葉樹とパッキリ分かれているのが面白い。そして岩茸石から約25分ほど登り、少し開けた場所に着いたらそこが「権次入(ゴンジリ)峠」。ここまで来たら山頂まであと20分。荒れててとても歩きづらい木階段、滑りやすい悪路にも悩まされ…でも何とかそこを越えれば
※元記事に画像あり
着いたーーー!絶景の山頂!
遥か下に出発した名栗湖周辺が見え、棒ノ嶺のシンボルともいえる山名案内板も。ちょっとだけ紅葉もありました。山頂は広々、山メシする場所にも困りません。画面中央左の大きな木は桜で、春には桜目当てのハイカーも来て賑わいます。
※元記事に動画あり
さて、下山です。実は棒の嶺の山頂は埼玉と東京の県境上にあり、山頂にある道標「百軒茶屋・上日向」方面に下るか、権次入峠で「黒山」方面に下れば東京側に下山することもできます。
ただ今回は次の“聖地巡礼”を目指して先述の「岩茸石」まで戻り、道標「河又(バス停)」方向に従って滝の平尾根をくだります。ほぼすべてが樹林の中でちょっと寂しいコースですが、3回横切る林道沿いにはどこも紅葉が色鮮やかに揺れていました。
※元記事に動画あり
林道で途切れても、続きのコース表示が近くにあるので大丈夫。山頂から約1時間50分かけて下山してくると登山道が終わり、眼前に入間川(名栗川)と紅葉の景色が広がります。 道なりに進んで、来た時のバス道路を飯能駅の方向に少し戻り「河又名栗湖入口」バス停方面へ。赤い「有間橋」を渡ります。
※元記事に動画あり
有間橋の上から見える風景もいい感じです。橋を渡り終えたらこの看板の所で左の道に入り、今度は飯能駅とは逆の方向へ北上します。その県道53号線が「Dolls」の紅葉の聖地、「白雲山 鳥居観音」へ通じる道となります。
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◎北野武監督「Dolls」の聖地、「白雲山 鳥居観音」

「棒の嶺」への“聖地巡礼”後なら有間橋から徒歩約10分、飯能駅からのバス便で直接来るなら「連慶橋」バス停で下車すると丁字路の所に「鳥居観音 ケニーズ」と書かれた案内板があるので、矢印の示す方向へ道を入ります。
※元記事に画像あり
ちなみにバス停の少し先から鳥居観音の方角を見ると、白い像や塔らしきものが…離れ離れの山頂に3つ!そう、ここは平地に観音像が立っているだけのお寺などではなく白雲山という堂々たる“山”なのです!その証拠に現地でもらった「散策マップ」も
※元記事に画像あり
山として描かれ、登りに45分、下りは筆者の足で20分。最低でも1時間はみておく必要がありそうです。
※元記事に画像あり
「連慶橋」バス停から道なりに約5分で、マップ左下の駐車場横の門に到着。奥に進み、本堂を経て鳥居文庫の脇を抜け、裏手に回れば「遊歩道」という名の拝観路が出現。映画「Dolls」が撮影されたという「(玄奘)三蔵塔」付近を一路目指すことに。
登り始めると景色が一変!色とりどりの紅葉が目の前に広がってテンション上がります。ここからはちょっとしたハイキング。遊歩道といいながら登山道っぽい所もあるので、間違ってもヒールやビーサンで行かぬようご注意を。
仁王門、恩重堂を経て20分ほど登ってくると、妙に浮いて…いや異彩を放ちまくる像「平和観音」が眼前に。観音像と地球の縮尺がほぼ1:1とかハンパないけど、嫌いじゃないですこのセンス!
三蔵塔が建っている峰の斜面は一面の紅葉。中腹の山道を抜け、さらに舗装された参道を登ること約15分で到着です。「西遊記で有名な玄奘三蔵法師の霊骨を祀っている」という由縁や塔のフォルムもあってか、ちょっと日本離れした、異国か異世界に辿り着いた感が漂ってます。
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ではここで「Dolls」の予告編から紅葉の撮影ポイントの特定を…。
※元記事に動画あり
1分10秒~が「紅葉の中を歩く二人」のシーンですが、その前に!「湖の土手のような場所を紐で繋がったまま二人が転げ落ちる」という衝撃シーン(15秒~)に注目してください。これって、前ページで紹介した「ヤマノススメ」の聖地「棒ノ嶺」への出発地点となった「有間ダム」ではないでしょうか!?
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ロックフィル式ダムの石垣のような表面、縁石の形・大きさ・間隔がほぼ一致しているように見えます。映像には湖面も映っているので、2人が転がったのは湖側ではないかと思うのですが、気づいたのが帰宅後だったのでこのアングルの写真のみ。我ながら分かりづらいですね…。
白谷沢登山口の先か、あるいは対岸か、さらに湖面の水位がもっと高ければ「Dolls」と同じ絵が撮れるのではないでしょうか(真相をご存じの関係者の方いましたらぜひ情報を!)。
話を「紅葉」に戻しましょう。三蔵塔付近で一番有力なのが手前の舗装された参道ですが、
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ガードレールが邪魔なのと(今なら画像処理で消せそうですが)、この先の突き当りに「大鐘楼」という鐘つき堂があって二人の背景に遠くの山の緑が映り込めないため違うかも。
もっと手前の山道まで戻ってみたら、両側に真っ赤な紅葉がこんもり茂っていて良い感じ。ですが二人はもう少し広いスペースを歩いています。
※元記事に画像あり
三蔵塔の目の前にあるこのアングルは?ここならスペースも広いし、撮影機材も十分入りそう。でも、背景に山の緑はナシ。
結局最も有力に思えたのが、三蔵塔からさらに奥の「救世大観音」に向かって山道に入る場所。看板とか仮設トイレとか人工物丸出しだけど、広さ感や背景の山はすごくよく似てる。でも左側の雰囲気が違いすぎ…。
というわけで、どこもちょっとずつ違っていて残念無念の完全特定ならず!でもこの先にも紅葉が超絶綺麗なポイントがあるので気を取り直して進むことに。
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※元記事に画像あり
複雑で繊細なグラデーションを生み出す自然の力にはただ感嘆するばかり…。そして三蔵塔の向かいの斜面から見た景色がこちら。
※元記事に画像あり
紅葉と対照的な「山の青さ」も目に鮮やか。「Dolls」予告編の冒頭(5秒目~)、二人とも正面を向いて青い山の端をバックに佇むシーンもここで撮影したのでは?と思わされます。
あと少し白雲山を登りつめれば、いよいよ最後の「救世大観音」に到着。ここでは内部に安置された数々の仏像の拝観が個人的にお勧めです。
※元記事に画像あり
というのも、この地の開祖は平沼彌太郎氏という現埼玉りそな銀行の初代頭取や参議院大蔵委員長を務めた政財界人。母の遺言をかなえるために恩重堂を建て、その後みずから雅号を「桐江」と名乗る仏像彫刻家となり、幾多の仏像を一人で彫り上げたらしいのです。
※「鳥居観音の由縁」に詳細があります
由縁だけでも驚愕なのに、まったくの別業界から転身してこれだけの作品を残せる超絶スキルと信仰心、一人で彫り上げたという底知れぬパワーには、もうひたすら脱帽するしかありません。
観音像は後頭部に展望台があって内部の螺旋階段で上がれますが、内部への出入口から眺めるだけでもかなりの絶景!右奥のうっすらした稜線のところに「ヤマノススメ」の聖地「棒ノ嶺」も見ることができました。
「Dolls」の厳密な“聖地”は特定できなかったけれど、全山で紅葉を楽しめるうえに紅葉以外の発見も盛りだくさん。興味のある方、ぜひ足を運んでみてください。
■白雲山 鳥居観音 公式ホームページ
http://www.toriikannon.org/index.html
(スージー小江戸)