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なぜ彼女はAV女優になったのか?『裸心』で明かされたそれぞれの理由

2011年6月24日 10時00分

ライター情報:とみさわ昭仁

『裸心』黒羽幸宏/集英社
この本を読んでから、彼女たちのAVを借りてくると、また違った味わいが楽しめるかもしれない!(情が移ってヌケなくなっても保証はできません)

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本書『裸心』は、サブタイトルに「なぜ彼女たちはAV女優という生き方を選んだのか?」とあることからわかるように、人気AV女優8人に、その生い立ちから、業界入りした理由、そして引退後の生き方までをじっくりと聞き出した、たいへんに読みごたえのあるインタビュー集だ。

AV女優のインタビューというと、「今日の下着の色は~?」とか「初体験はいくつ~?」とか「オナニーは週に何回~?」とか、そういう鶴光的なものだと相場が決まっている。ビデオの中では、前も、後ろも、汗も、汁も、全部さらけ出している女の子に、いまさらそんなウブなこと聞いてどうすんだ、とも思うが、まあ、そういうものだから仕方がない。
本書の著者も、15年にわたって「週刊プレイボーイ」誌上でAV女優にインタビューしてきた人物だが、そこに満たされないものもあったという。

インタビューの場で、彼女たちの多くは、フィクションとしての自分を語る。雑誌の性質上、それは正しいことなのだが、フィクションとしてのAV女優にどれだけ話を聞いても、その女の子たちの真実は見えてこない。けれど、アダルトビデオに出ているからといって、その女の子が最初から特別な存在であったはずはない。
普通の女の子として生まれた女性たちが、どんな理由でこの特殊な世界に飛び込むことになったのか? その秘密を知りたいと思った著者は、とくに気になる8人の女の子を選び出し、それぞれ長時間にわたるインタビューをおこなった。

著者はこのインタビュー集を企画した動機を序文で述べているが、その動機というのがあまりにもストレート過ぎて笑ってしまった。
曰く「女が好きだ」である。
「女が好きだ。その気持ちは13歳、童貞の頃からずっと変わらない。女が好きだから、女をもっと知りたい。とてつもなくシンプルな思考のもとで私は生きてきた」
わたしもたいがい女の人が好きだけど、自分の著書の最初の一文に、ここまでストレートに「女が好きだ」って書く勇気はない。まずこれだけで「この著者は信用できる!」と思ったね。

本書には、大塚咲、かすみ果穂、藤井シェリー、範田紗々、佐伯奈々、水野つかさ、滝沢優奈、星月まゆら……という8人のAV女優が登場する。どの子も人並みはずれた美貌と、まさに身体を張った作品で、世の男性諸氏をよろこばせてきた女神たちだ。
でも、共通するのはそこまでだ。彼女たちが生まれ育った境遇や、この世界に飛び込むにいたった背景、そして、AV女優という仕事をどのようにとらえているかは、ひとりひとり違っている。
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ライター情報

とみさわ昭仁

ゲームのシナリオ執筆から映画評論まで手広く手掛けるエキレビの最年長ライター。自身のコレクションをまとめた『底抜け!大リーグカードの世界』(彩流社)、『人喰い映画祭』(辰巳出版)など著書多数。近刊は名作映画の名セリフから強引に人生の教訓を学び取ろうとする『人生のサバイバルを生き抜く映画の言葉』(4月21日発売/美術出版社)。

ツイッター/@hitoqui_ponko
公式サイト/akihito tomisawa index

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