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21世紀の小学生がタイムスリップ!「藤子・F・不二雄物語」の奇跡

2011年8月11日 10時00分 ライター情報:近藤正高

「GAKUMAN plus(ガクマンプラス)」9/10月号/小学館
「GAKUMAN plus」(隔月刊)は「小学五年生」「小学六年生」の後継誌で、小学校高学年から中学生を読者対象としている。最新号には「藤子・F・不二雄物語」のほか、「宇宙飛行士 若田光一物語」「登山家・野口健が建てる希望の学舎」などといった実録ものを掲載。「学研まんが」などで育った筆者がいま子供だったら、喜んで読みそうだと思った。

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9月3日(ドラえもんの誕生日!)、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」がいよいよオープンする。入館は完全予約制で、すでに7月30日よりローソンのLoppiでの予約受付がはじまっている。ちなみに、藤子・F・不二雄は長らく川崎市に住み、新宿にある仕事場との通勤にはずっと小田急電車を利用していたという。その小田急でも、藤子ミュージアムの開館を記念して藤子キャラを描いたラッピング電車が走り出した。

7月にはまた小学館の「藤子・F・不二雄大全集」の第2期が完結、9月からは第3期の刊行が始まろうとしている。この全集、各作品を発表順に並べたり、できるかぎり初出時に近い状態で(たとえば単行本化のさいカラーから白黒に変更されたページも、再度カラーにするなどして)掲載したりと、その力の入れ方には並々ならぬものがある。長らく諸事情(これについては安藤健二『封印作品の闇』あたりを参照されたい)で単行本が入手困難になっていた『オバケのQ太郎』や『ジャングル黒べえ』といった作品が収録されたこともファンとしてはうれしい。

さて、同じく小学館発行の学習マンガ雑誌「GAKUMAN plus(ガクマンプラス)」の9/10月号にも、藤子ミュージアムの開館にあわせて姫野よしかず「藤子・F・不二雄物語 ~まんがの王様の挑戦~」という読み切りマンガが掲載されている。なお作者の姫野は、もともと『釣りバカ日誌』などで知られる北見けんいちのアシスタント出身だとか。北見が赤塚不二夫に師事したことを考えると、赤塚や藤子不二雄らトキワ荘グループの流れを汲んでいるともいえる(なお、エキレビ!では原則として敬称を略しているのだが、フルネーム以外で呼ぶ場合、「藤子」ではA先生との区別がつかないし、かといって「藤子F」とするのもどうもしっくりこないので、本記事では「F先生」で統一させていただく)。

「藤子・F・不二雄物語」は、東京・西新宿の藤子・F・不二雄プロダクションを訪れた男子小学生・飛田ヒロシ(飛田はのび太とかかっているのだろう)が、いまも残るF先生の仕事部屋にこっそり忍びこんだところ、42年前の1969年にタイムスリップしてしまうところから物語がはじまる。

1969年のある夜(季節は秋から冬にかけてだろうか)、仕事場に籠もって、小学館の学年誌で翌年の1月号から始まる新連載のアイデアを練っていたF先生。すでに予告は誌面に出ていたものの、そこにはメガネをかけた男の子の机の引き出しから何かが飛び出すということが描かれているだけで、その正体が何なのかは伏せられていた。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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