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小学生の少女に監禁されて幸せになれるか。西尾維新10年間の集大成『少女不十分』

2011年9月13日 11時00分 ライター情報:たまごまご

『少女不十分』西尾維新/講談社
ロリコンホイホイもいいところの表紙が目印の、西尾維新の新作「少女不十分」。「この本を書くのに、10年かかった」と目を惹くキャッチコピーがついてますが、それは大げさでも何でもない、実に10年の西尾維新の歩みを、まさかの少女による監禁物語で描いたフィクション私小説風作品なのです。

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こんにちは、エキレビのロリコン担当たまごまごです。
「化物語」で一番好きなのは八九寺真宵です。
かみまみた!

さて、強烈に煮詰めたいい意味の中二病的な物語と、落語を彷彿とさせる語り口調が特徴の西尾維新の新作が出ました。
タイトルと表紙が最高に素晴らしいですね。
少女不十分
ぼくはもうこのべっぴんさんな少女を見た瞬間ワンクリックでしたよ。
黒髪にうつろな目、そしてしなやかな脚……。
おそらく繰り広げられるであろう不穏な匂いも大好物ですもの。買った! 読んだ!

内容について早速触れていきたいのですが、その前に重要なこととして、作者西尾維新が今年で30歳になるということを触れて置かなければいけません。
1981年生まれ。若くして『クビキリサイクル』が大ヒット。現在まで恐ろしいスピードで執筆・刊行し、ヒットを飛ばしている作家です。
戯言シリーズ物語シリーズなど、シリーズ化された小説はバリバリ売れています。
ラノベのようでラノベじゃない、不思議なラインを走る作家さん。
ぼくも好きでちょくちょく読んでいる作家さんですが、ぼんやりとこんなことも思っていました。
「うまくなったなあ」と。
色々な思いです。文章や展開のエンタテインメント性は増し、安定してきているという意味で実に巧みになったと思います。と同時に、攻撃的で爆発するような小中学生男子の鬱屈や「俺って道外れてるんだよ」という思いを凝縮したような感覚は少し整理整頓されたなあ、とも。
そこにきて、まさに30歳の節目となる注目作『少女不十分』。
帯には「この本を書くのに、10年かかった。」と書かれています。
大げさだなあ、とも思いましたが、読み終わって感じました。
ああ、この作品は西尾維新という作家の10年間の集大成なんだと。

物語の主人公は作家の男性、三十路。
最初延々と自分語りが入るので、えっ、これ西尾維新の自伝?と思わされます。
しかし、作家の回想シーンに入ってからある程度読み進んだところで、とある度派手な事件が起きるので、それが本人ではないことがわかります。何がどう度派手かは読んでみてください。
興味深いのは、この事件に対して主人公がさほど興味を示さないことです。普通の人間であれば洒落にならないくらい心に傷を負うであろうに、やけに冷静なんです。唐突に酷い事件が起きてるのに、淡々と描いているんだもんなあ。
それもそのはず、このあと起きる事件がどうしようもなく彼の人生と思考を狂わせていくからです。

ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

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