先週5月23日発売分の週刊少年マガジンの「さよなら絶望先生」がどえらいことになっている。
直接的なネタバレはここでは書きませんが、非常に愕然とする内容、とだけ言っておきます。

今までの絶望先生を追っている人はすぐマガジン買って来てよんでください。
そうじゃない単行本派の人は、覚悟しておいてください。
卒業式なんですが……こんな卒業式見たこと無い。
 
さて、『さよなら絶望先生』第二九集も発売されたばかりです。
「さよなら絶望先生」は絶望ばっかりしている先生と、それに対して反応する個性的な少女たち(一部男子)を描いた、時事ネタ学園ブラックコメディ。アニメ化もいくどもされている人気作です。

几帳面すぎて攻撃的な木津千里、ストーカー少女常月まとい、BL大好き少女藤吉晴美、ひきこもり少女小森霧などなど、アクが強いキャラ続出。
全員かわいくて、面倒くさい。一番面倒くさいのは先生、という、なんとも「面倒くさかわいい」ギャグマンガでした。
多分時事ネタを引っ張りながら、偉大なるマンネリとして今後もだらだらサザエさん形式(いくらたっても年を取らないアレです)で続けてくれるんじゃないか、と信じていた時期もありました。
 
この巻には291話まで収録されているのですが、その次の292話で、みんなの度肝を抜くセリフが飛び出します。
「あと10回です(今回含めて)」
えっ?! 
ちょっと待って、最終回までのカウントダウンするとか、ありなの?
これがマガジンに掲載されたときはいろんな推測が飛び交いました。

「絶望先生のことだから、きっとネタに違いない!」
「いや待てよ、『かってに改蔵』という前例が……」
 
どっちかわからないまま、話は進むに連れてどんどんキナ臭くなっていきます。
29巻を読んだ人はちょっとチェックしてみてください。
・今まで毎話出ていた風浦可符香という超ポジティブ少女が、突然ばったり出なくなっている。
・眼帯をしていた小節あびるがその眼帯を外した時、クラスメイトの女の子が全員風浦可符香に見えた。
・ネタで出ていた「影武者」というキャラが動き出している。
あきらかに、おかしい。

確実に、予告されたカウントダウンどおりラストに向かっている……そんな不安があったところで、まさかの卒業式。
分かっていたけどびっくりですよ。
 
久米田康治は以前『かってに改蔵』で、読者の想像を遥かに超えたラストを描きました。
「改蔵」も時事ネタを引用したギャグマンガでした。パターン化とオチ、新鮮なネタ吸収が魅力的なマンガです。
さすがに最後もネタで終わるだろうと思っていた所、冗談だと思われていた色々な伏線を全部回収してしまったのです。

まさか主人公改蔵達の住むあの町が……あの世界が……。
読んで確認してみてください。
 
そのラストを知っている人だと、今の流れと先週のマガジンのとんでもない展開は、理解できると思います。
気になる方は、是非とも今、この公式にカウントダウンされていく最終回を、リアルタイムで追ってください。
多分「ギャグマンガ」という枠で、今までにない体験ができるはず。
大きな風呂敷がどんどんたたまれて行く様子はゾクっとしますよ。
だって「それ伏線なの!?」っていうのだらけですから。
次の「第三十集」が間違いなく最終巻になるので、是非ともそれまでに追いついてみてください。
また、卒業式回を見た方は是非一巻を読み返しましょう。

今週発売号を入れて、残り三話。
絶望先生は一体何をしていたのか?
突然見えなくなった風浦可符香は何者だったのか?
ハッピーエンドになるのか、タイトル通り「絶望」になるのか全く読めません。
ぶっちゃけ、個人的にはファンとしては、きついです。
覚悟の上で。
でも、このギャグマンガが最終回を迎える瞬間、リアルタイムで見る価値ありそうですよ。
(たまごまご)