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塩麹ブームの火付け役、粋な料理マンガ「おせん」

2012年7月27日 09時50分 ライター情報:杉村啓

2012年7月23日発売の「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ」最新6巻(作者:きくち正太)
帯には「これがホントの、塩糀!!!!!!」と書かれています。後半のおでんのお話もとても面白いのでオススメです!

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2011年からブームになっている調味料と言えば、「塩麹」でしょう。野菜や魚、お肉を付けてもよし。お塩の代わりにそのままかけて使ってもよし。隠し味に使ってもよし。場合によってはそのままお酒のつまみに食べちゃう人もいるとか(それは私です)。まさに万能調味料とも言えるものです。

この塩麹ブームがどこからきたのか。様々な説がありますが、現在もイブニング誌で連載中の「おせん」が火付け役になったと考えるのがいいでしょう。

ここで「おせん」を知らない方のためにちょっと解説をしましょう。「おせん」は1999年に「モーニング」で連載が開始された、きくち正太先生の料理漫画です(現在は掲載誌を「イブニング」に移しています)。

老舗の料亭「一升庵(いっしょうあん)」を舞台に、呑んべえで食い意地の張った天然若女将と、それを補佐するムチャクチャイケメン帳場の若者が主人公のお話です。うそです。いまのはその帳場の若者が最新刊で言った台詞を拝借しました。正確には、呑んべえで天然だけれども天才的な美的感覚で料理でも陶芸でも書でもなんでもこなしてしまう若女将「半田仙」(はんだせん)、通称「おせん」さんが主人公の漫画です。物語の語り部として、一升庵に修行に来ている「江崎ヨシ夫」、通称「グリコ」さんが、先ほど出てきた帳場の若者でもう一人の主人公というわけです。

この漫画のテーマは、ずばり「和」や「粋」といった、日本の伝統文化と言えます。下町の粋でいなせな文化や、伝統的な和食の話などが中心で、さらには器の話やそれらに伴う人情話などが出てくる漫画なのですね。

もちろん料亭が舞台であり、料理漫画であるわけで、出てくる料理がとても美味しそうなのです。料理はほとんどきくち正太先生が実際に食べたり作ったりして美味しいと思ったものが描かれているとのこと。一見、普通の作り方じゃないようなレシピで作られていても、これが本当に美味しそうであり、また実際に作った人がみんな口をそろえて美味しいと言うのです。

例えば、「おせん3巻」に出てきた親子丼のレシピはこんな感じです。

1.丼を煮立たせた鍋の中に入れて熱々にしておく
2.中火にかけた割り下に、うすくそぎ切りにした地鶏のもも肉を重ならないようにいれる
3.鶏が煮える間に丼をとりだし、炊きたての熱々のご飯を入れる
4.鶏の鍋に細切りにしたネギを入れる。このときの鶏は火が八分ぐらい通ったのが目安
5.溶き卵は黄身と白身をさっと切り裂く感じにして、鶏の鍋に回し入れる
6.この鶏をすぐに丼の上に入れる。

ライター情報

杉村啓

醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。なんでも超丁寧に解説します。近著に『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)ほか。

URL:醤油手帖

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