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「タッチ」から「MIX」へ「ダ・ヴィンチ」あだち充大特集

2012年11月13日 11時00分

ライター情報:丸本大輔

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あだち充大特集が掲載されている『ダ・ヴィンチ』12月号。
表紙に描き下ろしイラストが掲載されるのは、『ダ・ヴィンチ』誌上初の試みだとか。赤丸で「[表紙]あだち充描き下ろし」と書いてアピールしているところに、編集部の「あだち充先生の描き下ろし表紙をゲットだぜ!」という喜びの大きさを感じます。特集の中では、もう1枚、特別描き下ろしイラストが描かれているのですが、駅のホームと少女の風景を描いた、その作品も必見。

[拡大写真]

朝、近所のコンビニで『ゲッサン』を買って、あだち充の最新作『MIX』を読む。
今年の5月から始まった、毎月12日の恒例行事です。
最新12月号に掲載された第7話は、主人公である立花投馬が、妹の音美のため、黙々と、苦手なあることに取り組みます。野球の試合もありますが、立花家を中心としたエピソードがメインなので、今回も、世界観を共有する『タッチ』のキャラクターは、登場しませんでした。
まあ、そんな気はしていたんですよね。
先週発売された、『ダ・ヴィンチ』12月号のあだち充特集で、「今のところ、先のことは何も考えてないんだけどね」という、あだち充本人のコメントを読んでいたので。

41ページものボリュームのあだち充大特集。
メインは「あだち充独占2万字インタビュー」です。
しっかり者の母親と、「だらしない、ただの酔っ払い」だった父親の姿を見ながら育った幼少期。
三歳年上の兄・勉の影響で伝説のマンガ雑誌『COM』の常連投稿者となり、マンガ漬けだった高校時代。
19歳でマンガ家デビューしたものの、「自分にはどうしても描きたいものがある……みたいな人ではなかった」ため、編集者に求められるまま、原作付の熱血スポ根や少女マンガを描いていた、約9年間の雌伏の時代。
これら、ブレイク前のエピソードも興味深くはあるけれど、あだち充ファンとして心躍るのは、初オリジナル長編連載『ナイン』から、最新作『MIX』までの作品に関する発言の数々。インタビュアーが、時系列に沿って、マンガ家生活42年のあだち充から、各作品執筆時のエピソードや思いを丹念に引き出しています。

「努力してますとか頑張ってますとか、大声でアピールするのは野暮だなあとずっと思っていたんですよ。(中略)だから、『ナイン』の登場人物たちも、僕は熱血だと思ってる。ぜんぜん、そうは見えないけど(笑)」(『ナイン』)

「単にかわいい妹を描きたかったんですよ。妹がいない自分の妄想です(笑)。で、スポーツ抜きでどれだけもたせられるかなぁ、というところではじめたんですけどね……持ちました!」(『みゆき』)

「あだち充の芸が一番出てる作品です」(『スローステップ』)


基本的には、自然体で飄々とした受け答えなのですが、時折、作品に対する強い自信や、ポリシーを感じさせる言葉も。

「マンガの登場人物が亡くなったのは、初めてだったんです。マンガの中とはいえ、人が死ぬといろいろ考えますよね」(『タッチ』)

「野球の試合も、これが今までで一番ちゃんと描いてるんじゃないかな? 野球の部分も結構よくできてるなって、自分でも思う」(『H2』)

「『タッチ』から十何年もたってるし、僕自身も成長というか人生を経てきているわけでね。

ライター情報

丸本大輔

1974年生まれ。フリーライター。瀬戸内海で生まれ育ち、現在は東京の西側在住。インタビューを中心に活動。得意ジャンルは、アニメ、マンガ、サッカーなど。

URL:Twitter:@maru_working

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