今注目のアプリ、書籍をレビュー

なぜ、わたしたちは「愛してくれない人」を好きになるのか

2014年4月16日 10時00分

ライター情報:青柳美帆子

このエントリーをはてなブックマークに追加

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』二村ヒトシ/文庫ぎんが堂(イーストプレス)
『すべてはモテるためである』の著者の女性向け恋愛本が大幅加筆で文庫化。めんどくさい恋をしてばかりの女性が読むと死にたくなります。

[拡大写真]

まっとうな恋愛をしていない。
高校生のときに付き合っていたIくんは「お前は可愛くないが3日で慣れてやった」と言い放つような人だったし、大学生のときに好きだった20歳上のHさんはよーく話を聞くと精神を病んだ彼女と同居していて別れられない人だった。
かといって、優しくてこちらを大切にしてくれる人と付き合うのもしんどい。どう接していいのかわからなくて、関係を投げ出してしまいたくなる。
周りの友達も同じような経験や思考をしている女ばかり。「自分のことを恋愛対象としない男の人と話しているときが一番楽」「恋愛対象とされない自分がつらい」「幸せな恋愛がしたい」と、自分たちで話していながら「私たち、すごいダメダメなことを言っている女なのでは?」とわかるんだけど、やめられない。

二村ヒトシの『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』は、まっとうな恋愛ができていない、まっとうな恋愛から逃げている女性に対する恋愛本だ。2011年の単行本版から大幅加筆して文庫化された。
「こうすればモテる!」「こうすれば幸せになれる!」という恋愛マニュアル本とは少し違う。前書きを引用しよう。

【あなたは「私のことをちゃんと大切にしてくれない人を、好きになっちゃう」とか「むこうから好きだって言ってくれる人は、なぜか、好きになれない」ことが多くありませんか?
「私は自分が嫌い……。でも、そんな自分が大好き」って思うこと、ありませんか?】

この文章をLINEのグループチャットに貼り付けたら、友人たちが「なにこれ…死にたい…」と書き込んでいた。わかる。死にたい。
どうしてそういうややこしい恋に陥ってしまうのか。二村ヒトシは、その理由が「心の穴」にあるのだと言う。

心の穴とは、「自分の心の欠けている部分」のこと。

【あなたが「彼に恋をした」ということは、あなたが「彼にあいてる心の穴に、反応した」ということです。
彼の特徴で、あなたが「気に入ってる」か「気になってた」ところは、あなたが自分で気づいていない「自分に『ない』と思ってる」ところから「自分と似た」ところです】
【あなたが「私の心の穴にピッタリはまって、穴をふさいでくれるんじゃないか」と思える人ほど「あなたの心の穴の、苦しい部分」を刺激してくる人でもあるのです】

自分の心の穴をきちんと受け入れられていない(認められていない)と、相手と恋愛することで苦しくなってしまう。愛してくれない相手を好きになるのも、愛してくれる相手を好きになれないのも、自分を受容できていないから。

ライター情報

青柳美帆子

フリーライター。1990年(平成2年)生まれ。オタクカルチャー・イベントレポ・明るいエロス・少女革命ウテナなどを中心に執筆しています。

URL:青柳美帆子のまとめ

注目の商品