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「キルラキル」のTRIGGERはどうやって傑作を生み出してきたか

2014年6月27日 09時00分

ライター情報:たまごまご

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本いっぱいに溢れるキルラキルのフォント、無数に強調された切迫感のある「!」。『アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本』は、「キルラキル」「天元突破グレンラガン」などにかかわった、舛本和也が「制作進行」という管理職について書いた本。管理業務ってこんなに大変で面白い!

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いろんなお仕事あるけれど、参加している人数が300人近くいて、その仕事の過程を全て掌握している役職ってそうそうないよね。
でも世の中にはあるんだ。
その一つがアニメの制作進行

「キルラキル」を作ったTRIGGERの、舛本和也の「アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本」は、ほとんどの人が知らないであろう「制作進行」の仕事の内容を、目指している人向けに書いた本です。

アニメ作りに興味ある人なら問答無用でオススメ。
だって、制作進行って作品制作の全工程に関わる唯一の役職ですから。この仕事を追っていけば、アニメがどうやって作られていくのかが全部わかる。

でもぼくが一番勧めたいのは、会社で管理する仕事に従事している人です。
アニメという、普段接することのない他業種の管理術をあえて見ることで、役立つ部分が山ほどあります。

例えば二章では、制作進行の仕事である、人と物の管理の話が書かれます。
アニメで使う数千枚の動画、300カットの原画・レイアウト・背景・カット袋、数十枚の伝票……一話分のこれを「いまどこにあるか把握してなくさないようにしないといけない」。
アニメの素材は手描き。複製できない。なくした時点でアウト。怖い! 
でもこれは当たり前。

スケジュール管理も大事。スタッフ個人のスケジュール、前話数の状況、個人の体調、受け持つ仕事内容、イベントなど。
このへんも当たり前。
「様々なアクシデントが必ず発生します。これをどうにかするのが制作進行のスケジュール管理です! スケジュールをたてることではなく、スケジュール通りに現場が動くようにアクシデントに対処し、ひとつひとつ解決することが「管理」なのです!」

作業環境も整えなければいけません。防犯、作業道具の補充、作業スペースの管理など。
さらに「交番・病院の確認」「交通手段の確認」「食事の出来る場所の確認」をすることも大事。
すごい。でもここまでやっても、「「出来て当たり前!」の内容なのです」と筆者は書きます。

プロジェクトの成否を分けるのは暗黙の実務
人間関係づくりや他人の価値観への理解、利害関係の把握や作品へのこだわり……。
目に見えない仕事こそが重要だ、と説きます。
と言われても、そもそも何をどうするのが暗黙の実務の遂行なの?

筆者は3章「地獄の新人研修」で新人研修の際、疑似体験がいかに重要かを書いています。
アニメ現場では、新人を現場に投入して即実践という教育方法が取られていることが多いそうです。確かに多くの会社でもよくある手法でしょう。

ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

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