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堺の怖い話、妖怪、郵便、そして同人誌発表作品は文学賞に応募できるのか。第2回大阪文学フリマレポ

2014年9月28日 10時30分 ライター情報:近藤正高

第2回文学フリマ大阪の収獲。『堺の怖い話・不思議な話』『妖魅雑考 奇珍怪』『別冊BOLLARD TUNNEL』『日常想像研究所 2』『樹林 vol.593』および今回の文フリ大阪のサークルカタログ(右下)

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去る9月14日、第2回文学フリマ大阪が堺市産業振興センターにて開催された(主催は文学フリマ大阪事務局)。大阪での文フリは昨年4月以来、約1年半ぶりということになる。

前回、私はサークル仲間と前日より堺市に入り、観光や食をおおいに堪能したうえで翌日の文フリに参加した。今回もそのつもりでいたのだが、ホテルの予約をとれなかったり(これは、開催は連休中なのに参加が決まってすぐに手続しなかった自分が悪い)、前日・翌日と予定が入ったりで、結局、日帰りでの大阪行きとなった。最大の突発事項は、いつも一緒に参加している友人につい先日、子供が生まれたことである。さすがに奥さんと生まれたばかりのお子さんを家に残して大阪まで来させるわけにはいかんと、先方には今回は無理しないでほしいと伝えたのだった。まあ、長年サークル活動を続けていれば、こういうこともあるわけで。

幸い、もう一人のサークル仲間の都合はつき、あとで合流することになった。もっとも、イベントが開幕してからしばらくは私ひとりですべてを切り盛りしなければならなかった。こんなことは初めてかもしれない。いつもなら友人にまかせていることも多く、あらためて仲間のありがたみを実感する。そのうえ、東京なら仕事での知人がお客さんとして来てくれることも多いが、大阪はまだまだアウェイ。本が飛ぶように売れることもなく、一人寂しくお客さんを待っていたところ、昼すぎぐらいに、京都在住の杉村啓さんが来てくれたのはうれしかった。今回、「はてなブログ」が出店しており、杉村さんはそこに同人誌『醤油手帖』を委託販売していたのだ。ちなみに最新号はポン酢特集号でありました。

そんな事情もあって、今回は十分に会場を回りつくしたとはいいがたいが、それでもこれぞという本はいくつか見つけることができた。ここではそのうちのいくつかを紹介したい。なお、各紹介の冒頭には本のタイトルとともに、カッコ内にその本を販売していたサークル名を示した。

■『堺の怖い話・不思議な話 鉄方堂/著「沙界怪談実記」より』(ふしぎあん)
ご当地・堺と関連あるものということで、まずはこの本を。これは堺を舞台とする怪談を集めた『沙界怪談実記』という江戸時代の書物(1778年刊)を、現代語訳したものだ。

現代の感覚からすると、怪談というと霊が出てきて云々というのを思い浮かべる。だが本書には餓死した老人の祟りといった話も出てくるものの、どちらかというと妖怪譚が多い。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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