今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

オードリー若林が「大人」になるまで 『完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込』

2016年1月12日 09時20分 ライター情報:井上マサキ
このエントリーをはてなブックマークに追加
コンビでは『SICKS』『とんぱちオードリー』、若林は『しくじり先生』『人生のパイセンTV』、春日は『炎の体育会系TV』『オードリー春日の知っとく!ベジライフ』。
オードリー自身も「キャリアハイ」とラジオで語るほど、2015年はオードリーの活動の幅がグッと広がった一年だった。

その2015年の年末に刊行されたのが、オードリー若林の『完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込』(角川文庫)。
雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載していたエッセイの書籍化であり、連載中の2013年に単行本で刊行されている。今回の文庫化は「完全版」。単行本に未収録の回を追加し、約4年間にわたる連載全てがまとまっている。
若林正恭『完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込』(角川文庫)。単行本未収録のエッセイが100ページ以上追加された「完全版」

単行本に収録されたのは2010年8月〜2013年3月分。「趣味などいらない」「スタバでグランデと頼めない」「先輩にお酌ができない」と自意識過剰でネガティブな面を多く見せていた。長い下積み生活から突然大ブレイクし、付き合わざるを得なくなった「社会」について苦悩し模索していた。

完全版で追加されたのは2013年4月以降の分。追加分の中で、若林は過去の連載を振り返り「三年前の俺!何を言ってるんだ!若造が!」「(お酌を)しろしろ!」「誰もお前のことなんか気にしてないぞ!自意識過剰がやや通院のゾーンに入ってるぞ!」とツッコミを入れている。

あんなに自意識過剰だった若林が、すっかりポジティブな人間に変わってしまった……というわけではない。ネガティブと付き合えるようになったのだ。キーワードは2つ。「没頭」と「分人」である。

ネガティブを潰すのはポジティブではない


お正月休みに箱根に旅行に行った時のこと。何も考えずにぼーっとしたくなった若林は、1人で温泉に入る。しかし、休息のつもりが「この先どうなっていくんだろう?」と思考がどんどん落ち込んでいく。嘘だろ、と驚く。

売れない頃は毎日のようにこの「ネガティブモンスター」に襲われていた若林。まさか温泉で出会うとは思わなかった。しかし、あることに気がつく。

《このモンスターは時間が弛緩して一人でいる時、つまり暇な時に限って現れる。だから、二十代の頃は毎日のように一緒にいた。仕事がなかったから。》

若林はここで止まらない。考えた上、対策を打つ。

《ゆったりとした時間はかえってやつらに付け入る隙を与える。何かに没頭して時間を圧縮して付け入る隙を与えないのだ》
《ぼくは東京に帰ってから没頭ノートというものを作った。

ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品